アーツアンドクラフツで働く社員は、実際にどんな業務に携わっているのか、
新米マネージャーにインタビュー。入社の動機や仕事への熱意とともに語る。
前職では、陸上自衛隊の幹部自衛官として勤務していました。国の組織ですから安泰と言えば安泰。でもいつの間にか、あと何年くらいでこういう機会があってあの辺りのポジションにいって、みたいな先を予想できることが、心に引っ掛かってくるようになったんですよね。人生は一度きりだと考えると、もどかしいなと。あとは、やはり組織のなかの歯車なので、それ自体は悪いことじゃないと思いますけど、個性が求められていないことも私には合わなかった。もっと自己表現ができるというか、自分で自由に考えて動ける仕事がしたくて転職を決めました。
だから自分の願いが叶いそうなら職種は何でもよくて、特にコンサルティング業界に憧れていたというわけではなかったのですが、アーツアンドクラフツは面接がすごく印象的でした。事業部長の平田が面接官で、思考実験みたいなことを振られたんです。ある事象を例に挙げて、その原因を分析していく。面接でそういうことをやる会社なら、まさに私の望んでいた“自分の頭で考える仕事”ができるんじゃないかと思っていたところに、採用通知をいただけたので入社しました。
自衛官とコンサルタント、業種は全く違いますし会社組織で働くこと自体が初めてだったのですが、不思議とあまり不安はなかったですね。「何とかなるだろう」と思っていました。でも実際に働きだすと「これ、大丈夫か?」みたいなことは当然たくさん出てくるわけです。そこで面接をしてくれた平田や他のマネージャーや先輩も、みんな親身になって付き合ってくれたおかげで、足りない部分が少しずつ解消されていくことが楽しかった。だから今日まで、決定的な不安やモチベーションの低下に至ることなく、続けてこられたんだと思います。
そして入社から2年くらいで、自分もマネージャーとしてマネジメント業務に携わらせてもらえるようになりました。成長のポイントを自分なりに考えてみると大きく2点あります。一つは解決策を考えたり、それを実際に資料化したりするうえでのパーソナルなこだわり。一言で言えば、自分で決めたことに妥協しないことですね。もう一つはクライアントや同じプロジェクトに関わる仲間に納得してもらう、すなわち伝わりやすさを突き詰めること。この2点はときに相反することもあって、後者を実現するためには、前者的な思考を削がなければならないこともある。いずれにしてもその二つの軸を強く持っていることが成長していくためには大切だと思います。
我々の仕事はプロジェクト単位なので、毎回やることが変わるんです。そのなかで積み重ねた経験が機転となって活きてくる。だから業務内容を一括りにして説明することも、一つのプロジェクトでどんなことをしていたのかも、文字で伝えることはなかなか難しいんですよね。そのなかで比較的わかりやすい例を一つ挙げるなら、ある半導体関係の調達コストの削減プロジェクトですかね。
まず初めにやったことは、どの品目のコストが下げられるのかを調査すること。クライアントからいただいた数年分の部品調達データを分析して、削減できそうなところを提案して話し合い改善すべき部分を決めていくんです。当時私はまだマネージャーではなかったのですが、その中のあるセグメントを任せてもらえることになりました。
そこからクライアントと仕入れ先との現状の契約内容を把握して、どのようにすれば他に置き換えられるかを考える。その次は市場の調査。ほぼ同じ物や類似の物を売っている会社を徹底的に調べてはコンタクトを取って価格交渉します。言葉で簡単に言うとそんな感じなんですけど、それにともなうクライアントとのやり取りの数や情報収集にかける労力は相当なもの。一方でリサーチした先に電話をかけ交渉しつつ、もう一方で現状を分析するみたいな。でもコスト削減を提案することに関しては、労力を厭わずに一生懸命取り組んできちんとストーリーを組み立てることさえできれば、状況にもよりますけどそこまで難題ではないんです。
私がその時もっとも苦労したのはクライアントの内部のこと。クオリティを落とさずにコストを削減できれば会社としてはいいことなのですが、仕入れ先が変わるとなると現場で働く人たちは勝手が大きく変わって業務が増える。だからと言って彼らの給料はすぐに上がるわけではないですし、現場ならではの懸念点も出てくるので、現状維持を求める声も生まれてくる。その部分のマネジメント能力も必要で、今ここで取引先を変えることが会社にとってどのくらいメリットがあり現場にはどのような成果が生まれるのか、自分が前面に立って説明しました。そのような仕事を入社して早い段階から任せてもらえてある程度結果を出せたことは、大きな自信に繋がりましたね。
コスト削減に限らず、我々のプロジェクトの多くは、クライアント企業のSOSからきており、責任重大なものです。なので、大前提としてこの仕事にはやる気と自主性が必要。指示されたことに対して意味や自分の意見、プラスアルファのアイデアなどを見いだせる人は向いていると思います。とは言え、やる気はあっても具体的に何を頑張ればいいのか、何について考え誰にどうアプローチすればいいのか、最初はなかなかわかりませんし、「こうやったほうがいい気がする」というアイデアまでは浮かんだとしても、それがアウトプットすべきことなのかどうか、判断が付かないこともある。
そんな中でも、アーツアンドクラフツのメンバーは、助けを求めたら絶対に助けてくれますし、丁寧にフィードバックしてくれます。私たちマネージャーでもいいし、近くにいる先輩でもいい。社長や役員も親身になって話を聞いてくれます。いつ誰に「相談に乗ってください」とお願いしても「今忙しい」ではなく「じゃあいつにする?」と返ってくる。まだマネージャーになって間もない未熟者ですが、この風土は絶対に守っていきたいと思っています。もし入社されたら、いつでも声をかけてください。一緒に頑張りましょう。
社歴:3年目
役職:マネージャー
前職:幹部自衛官