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吉祥寺の路地裏で、私たちの指輪づくりは始まりました。
街の片隅の名もないアトリエで、
お客様の世界に一つのカタチをつくるため情熱と技術を注ぎました。
原宿の路地裏で、私たちのコンサルティングは出発しました。
雑居ビルの小さなオフィスで、
徹底して知を磨き、クライアントの期待を超える価値づくりに邁進しました。
路地裏は、私たちの原点。
雑多で、ほんのちょっと密なその場所は、
ドキドキワクワク、新たな出会いや未知の可能性が潜む創造の舞台。
権威もお墨付きもないその場所は、
ひとつひとつを見つめ、真摯に寄り添うマインドの源泉。
路地裏は、私たちの未来。
世界の路地裏から、想像を超えるオンリーワンの感動を創り出そう。
立場を超え、国境や人種を超え、
顧客と、仲間と向き合い、時に笑い、ときに悩みながら信じる価値を目指そう。
ひとりひとりが知性と技術を磨き、情熱と共感を携えて。
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路地裏から生まれた私たちの独自スタイル
創業から10年を超え、さらにコロナ禍を抜けて、150名を超える仲間達と共に次の5年〜10年に向かうために、私たちアーツアンドクラフツは何を大切にし、どこに、どのように向かっていくべきか。
そんなことを考えながらたどり着いた一つの考え方が、前回
二刀流になぞらえて表現した「&」の経営スタイルですが、これがアーツアンドクラフツを比較的客観的に捉えてその性格や思考スタイルを理解しようとする試みだとするならば、今回お伝えする「
世界の路地裏からオンリーワンの感動を」にまつわる話は、私たちアーツアンドクラフツの実際の歴史から生まれ、ビジネスモデルの根幹を形成し、さらに企業としての哲学・文化を形づくる、より主観的な一人称のストーリーになるかと思います。
私たちアーツアンドクラフツの今を支えるのは、オーダーメイドの結婚指輪工房ithを中心としたブランド事業であり、コンサルティング&ソリューション事業ですが、実はどちらの事業もいわゆる恵まれた環境から始めたのではなく、(仕方なく)辺鄙な路地裏からスタートしています。
思えばどちらの事業も、私たちが一番苦しかった時期に、なんとかして会社をどうにかしようともがくなかで生まれてきました。限られた人・物・金、限られたリソースの中でなんとか活路を開くにはどうしたらいいか、失敗も含めて工夫を重ねた結果、今につながるそれぞれの事業の独自性を手に入れたんだと言えます。
とてもじゃないが人通りの多い一等地には店も出せないし、ゼクシィに広告を出すお金も捻出しにくい。そんな制約のなかから私たちが導き出したのが、女性職人の小さなアトリエを舞台に、ものづくりの喜びに溢れオンリーワンにこだわったithの指輪づくりであり、ネットやSNSを活用した独自の集客手法です。
雑居ビルの片隅に席を並べてスタートしたコンサルティング事業。外資系コンサルティングファーム出身の平田のつながりはあったものの、それ以外のメンバーはほぼ未経験に近く、売り込みできるピカピカの品書きにも乏しい。だからこそ仕事の中身に徹底してこだわりつつ、さらに自助努力頼りのUp or Out という一般的なコンサルカルチャーから歩みを進め、未経験のメンバーを教育・育成しながらチームで仕事を進めていくという独自のスタイルを構築してきました。
ビジネスモデルとしての路地裏ブランド
そのうえで「世界の路地裏からオンリーワンの感動を」という言葉は、ithを中心としたブランド事業の展開、そのビジネスモデル自体をあらわしています。ithが日本で実践してきた、アトリエを舞台にしたオンリーワンのオーダーメイド顧客体験を世界の街々に拡げていこう、ということですが、路地裏の小さなアトリエからスタートした私たちだからこそ、豪華さや権威さを背景に一等地に出店していく企業やブランドよりも、低資本かつ効率的な方法で独自の海外展開を進められるのではという考え方です。
ビジネスモデルとしての「路地裏ブランド」については、社長の宮﨑がブログにおいて詳しく述べています。
AC社長ブログ「ともに、つくる」vol.78
このビジネスモデルを前提としながら、コンサルティング事業で鍛えたコンサルタントが、ブランド事業の事業展開をサポートしていきます。この中からカントリーマネージャとしてその地域のマネジメントを取り仕切るような人材が育ってくるかもしれません。さらに事業に興味を持った優秀な人材も参画してくることもありうるでしょう。
これはまさに前回紹介した二刀流経営のシナジー効果ということになるかと思います。
企業カルチャーとしての路地裏マインド
さきほど述べたように、ブランド事業だけでなくコンサルティング事業も同じように不十分な境遇からスタートしたからこそ、独自の育成メソッドや考え方に至ったということを考えてみると、路地裏という概念は、ブランド事業部のビジネスモデルを表すだけに止まらず、アーツアンドクラフツ全体の企業文化にまで影響を及ぼしているように思えてきます。宮崎もこのように述べています。
そして当社の最大の特徴は、そのバリューチェーン全体を自分たちの手で作りたがるところじゃないかなと、私は思っています。
これまでの当社の歴史を振り返ってみると、一般的な会社だったら外注のプロに頼むだろうことも、必ずまず自分たちでつくろうとします。そして大抵うまくいかない(笑)、そんで創意工夫し出す。結果的に世間によくあるものとは違う独自のものが出来上がる。その繰り返しです。
独自性と言えばステキなんですが、毎回最初は必ずといってよいほど失敗して、そこから立て直し始めるので、コストと時間と労力は人一倍かかるのがネック。
(実はこれブランド事業部だけでなく、コンサルティングの事業部の方も同じなので、おそらくこの組織の随分と根深いところにある性格とか生き方のようなもんじゃないかな。あるいはArts & Craftsという社名にしたサガ。)
AC社長ブログ「ともに、つくる」vol.79
記事のなかではDIY経営と表現していますが、そもそも限られたリソースや制約条件のもとで、どうにしなければならなかったこそ自分たちでなんとかしてきた。一見すると価値があるとは思えない場所や人に敢えて光を当て独自の輝きを生み出してきました。
結果として、どちらの事業においても、誰かが用意したお仕着せの答えを顧客に当てはめるのではなく、顧客それぞれに真摯に寄り添い、自分達の手でかけがえのない答えを導くことにこだわり自分たちを磨く姿勢、いわばオンリーワンの感動や価値にこだわる姿勢が、私たちのなかに深く根付いているのではないか。これはまさに我々が路地裏からスタートしたということに由来する『路地裏のマインド』だと思うのです。
路地裏は私たちに価値創出の舞台であり、イノベーションを導き出す源泉です。
これから先もまだ見ぬ世界の街々や、これから出会う多くの仲間たちと、路地裏から生まれるオンリーワンの感動や価値を追い求めて行きたいと思います。