コロナ禍を経て、世界中の社会や産業が変革の波に晒されています。直接的な影響はもとより、それぞれの社会や企業、組織が抱えてきた潜在的な問題や課題が今まさに浮き彫りになろうとしています。そんな中で日本のものづくり産業も大きな変革の時を迎えていますが、その重要性に気づきつつも、変革の道筋がわからず手をこまねいている企業も少なくありません。
私たちは、自社で手掛けるジュエリーブランドith(イズ)を通じたブランドの立ち上げ育成の経験と、他社の事例分析やブランドというものの歴史を紐解くことによって、成熟化が進むこれからの社会の中で、日本のものづくりや文化が本来的に持つ可能性を活かし、輝けるブランドになるための必要な要素を分析抽出しました。
そこから導きだしたひとつの方向性が、モノの豊かさを超え、心の豊かさ、意味としての豊かさを創り出すものづくりや企業経営のあり方です。日本のものづくりが本来的に持つエッセンスのなかには、心の豊かさにつながる潜在的な価値が秘められているのです。
本書では日本のものづくりが本来的に持つ強みを見つけ出し、これからの時代にフィットするように活かしていくための手掛かりとして「デジタル化の推進」と「ブランド概念の理解と実践」を提唱しています。
特に、日本の企業数の99%超を占める中小企業の目線に立って、DX(デジタルトランスフォーメーション)とも言われるデジタル化や、ブランディングという概念を実践していくための事例やポイントを紹介しています。
本書は、様々なかたちでものづくりに関わる人たち向けた本です。誇りとするものづくりを護り育ててきたこだわりある経営者や職人、先代から受け継ぐ事業の良さを理解しつつも、今のままでは立ち行かないと感じている後継者や現場マネージャ。それぞれの立場で自分たちのものづくりを何とかしたいと願う方々に、なんらかのヒントやきっかけを提示できればと考えています。
また直接的にものづくりと関わりのない方にとっても、ものづくりを通じて日本という国や文化の価値を再発見し、未来の社会のあり方を想像していくひとつの手掛かりとなれば幸いです。
【本書の構成】
第1章:ブランドの歴史を知ろう
ものづくりを「あたらしく」するための準備として、ブランドという概念が生まれた背景や経緯を押さえ、ブランドづくり根幹になる要点を解説していきます。
第2章:これからのブランドに求められること
経済発展が収束する成熟の時代に求められる、心の豊かさをつくるブランドを定義していきます。
第3章:デジタル化でものづくりをアップデートする
従来のものづくりに欠けていた、デジタル活用の要点を、事例を用いながら伝えていきます。
第4章:「豊かさを生み出すブランド」のつくり方
具体的なブランドのつくり方として、マーケティング、メディア、マニュファクチュア、マネジメントの視点と活用事例を学んでいきます。
第5章:顧客と共創するストーリー
ここまで伝えてきた方法の実践編として、筆者が手がけるジュエリーブランドith(イズ)の取り組みを紹介していきます。
第6章:「つくるの力で、世界をもっと豊かに」
ものづくりの未来がいかにあるべきか、筆者なりの観点からメッセージを伝えていきます。
NTTデータ、フロンティアインターナショナルにて、IT、広告・マーケティング領域を中心に、B2B/B2Cを問わず新市場の開拓、新規事業の立ち上げなど多数のプロジェクトに従事。2010年当社の立ち上げに参画。2016年からは当社ジュエリー事業部長として事業の全体戦略設計からオペレーション運営まで全体に携わる。豊富な事業経験を活かし、幅広い業務分野を理解しながら、それぞれの役割や価値をつなげる包括的な仕組みづくりを担う。一橋大学社会学部卒業。
【著者メッセージ】
本書は、広告やITの世界で事業経験を積んできた私たちが、ジュエリーというものづくりのプロとの出会いから、ともに新たなブランドを立ち上げ、育ててきた実戦に基づくノウハウを詰め込んだ本です。
日本には長年培ってきた芳醇なものづくりがあります。ふるくから伝承してきた技術と文化に、デジタルとブランディングの力を掛け合わせ、心の豊かさを生み出す付加価値の高いものづくりに取り組むことが、成熟化していく世の中での、あたらしいものづくりのカタチだと考えています。
ものづくりに従事する様々な方にとって、本書が未来のものづくりを考えるひとつのきっかけとなれば幸いです。
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