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2021.06.09

【インタビューVol.4】念願の絵本作家デビュー -会社員として働きながら、目の前のチャンスを掴む-

アーツアンドクラフツが、この春、始動した新たなプロジェクト。それは「好き」を諦めない、夢に向かって頑張る女性たちを応援する取り組みです。2021年夏に発行を予定している絵本は、このプロジェクトの一環としてスタートし、ウーマンクリエイターズカレッジの代表・松本えつをさんとオーダーメイドの結婚指輪工房『ith』代表・高橋亜結の共同制作で進められています。

「好き」を諦めない。夢に向かって頑張る女性たちを応援する絵本プロジェクト開始します!

新人絵本作家 かなを インタビュー

この絵本のイラストを担当するのは、ウーマンクリエイターズカレッジの卒業生であるかなをさんです。そこで、今作が絵本作家デビューとなったかなをさんに、夢を諦めず、「好き」を仕事にした現在の心境をうかがいました。

 

自分の夢を叶えるだけではなく、
人に夢を与えられる存在になりたい

 

今回の絵本制作は夢を追いかける女性を応援する一環としてスタートしたもの。だからこそ、絵本の要となるイラストはウーマンクリエイターズカレッジで学んだクリエーターの中からオーディションを実施し、選考することにしました。審査はアーツアンドクラフツの取締役である吉田や高橋らによって行われ、候補者の中から選ばれたのは、絵本の主人公と同じように夢に向かって日々努力を重ねてきたかなをさんでした。

 

 

かなをさんが絵本作家を目指したのは、ここ数年のことだといいます。小さいころから絵を描いたり、絵に文章を添えて自分だけの絵本を作ったりはしていたそうですが、それはあくまでも子どもの遊びの範囲内のこと。大学生になるころにはそんなこともすっかり忘れ、卒業後は安定を求めて一般の企業に就職します。しかし、実際に社会人として働き始めると、かなをさんはあることに気づきました。

 

かなを

ある日、小さなころから好きだった絵本を手に取り、また読んでみたんです。そうしたら、昔から絵本が好きだったこと、絵本の中のキャラクターに憧れていたことなどを思い出して、『私がなりたかった大人は今の私ではない!』と気づきました。生きていくことに精一杯だったということもあるかもしれませんが、いつのころからか、好きなものやりたいことを考えない大人になっていたのです。そのことをきっかけに、絵本を作ってみたいと思うようになりました。

 

思い立ったらすぐに行動に移したかなをさん。絵本づくりを学べる場を探していると、ウーマンクリエイターズカレッジのサイトに目が留まりました。同校はほかの学校とは異なり、絵本制作のノウハウはもちろん、流通やデジタル技術、出版社との契約に至るまで、プロの絵本作家になるための実践的なカリキュラムが充実していました。しかし、当時のかなをさんの目標はあくまでも趣味の一環として絵本を作ることであり、プロの絵本作家ではありませんでした。

 

 

かなを

そのころの私は、好きなことを仕事にできる人はほんの一握りで、それは自分ではないと思い込んでいました。でも、ウーマンクリエイターズカレッジに入学して、自分の好きなことに夢中になっている周りの女性たちの姿が、とてもキラキラしていて素敵だったんです。また、授業でえつを先生の話を聞いて、私は自分の夢を叶えるだけではなく、人に夢を与えられる存在になりたかったんだと気づきました。それからプロの絵本作家を目指すようになりました。

 

 

描くことが楽しい!
日々の積み重ねが成長と自信をもたらした

 

ウーマンクリエイターズカレッジで1年間学んだかなをさんは、その後はウーマンクリエイターズバンクに所属するとともに、松本さんが主宰する絵画教室 アトリエCHICORAに通うようになりました。それは本格的に絵の技術を習得してスキルを上げることはもちろんですが、尊敬する松本さんのもとでもっと勉強したいという思いがあったからです。

絵画教室に通い出すと、周囲が驚くほどメキメキとスキルを上げていったかなをさん。その変化にかなをさんも自信をつけ始めたころ、今回の絵本プロジェクトのオーディションが開催されることを知りました。かなをさんは自身の画力が上達したこと、そしてアーツアンドクラフツが掲げる事業コンセプト『ものづくりを通じて、世の中に豊かさを届ける』や、ithが手掛ける指輪やアトリエの雰囲気に魅せられ、この世界を描いてみたいとオーディションに挑戦することを決意しました。

 

かなを

オーディションでは、一つのシーンを描いて提出したのですが、そこにはithさんが大事にされている『お客様と一緒に指輪を作る』という思いを込めて描きました。

 

その絵を見たときの印象を高橋や吉田はこう話します。

 

高橋

「かなをさんの絵には、ithがお客様のお手伝い役として大切にしている思いがしっかりと汲み取られていて、ああ、ithのことをちゃんと理解してくれている人だなと感じました」

 

 

吉田

「かなをさんが面談で話した『毎日、絵を描いている』という一言が、今回の絵本のストーリーともリンクする部分があり、また実際に高橋がコツコツと指輪を作り続けてきたシチュエーションとも重なる部分がありました。それが選考の理由の一つにもなっています」

 

こうして初めてのオーディションを見事に勝ち抜き、かなをさんは絵本作家になりたいという夢を掴みました。

 

 

二足の草鞋で取り組んだ絵本づくり
ithに思いを寄せ、世界観を丁寧に描く

 

今回の絵本のストーリー制作は、松本さんが担当しています。かなをさんはそのストーリーをもとに絵コンテから作成していきました。実際に描き始めていくと、よりithのことに思いを寄せる自分がいたといいます。たとえば、ithのつくり手はどのような気持ちでお客様と接し、世界でたった一つだけの指輪を作っているのだろうか、お客様はその指輪をどのような気持ちで待ち望んでいるのだろうか……。そういった思いは、これまで自分の気持ちの赴くままに描いていたものとは異なり、とても新鮮に感じたそうです。

 

 

かなを

絵を描き始めていく中でもっとも意識したのは、指輪です。オーディションで高橋さんからも「少し指輪が細いかも」とアドバイスをいただきましたし、キラキラと華やかに輝く指輪を絵で表現するのは、かなり難しいものでした。実際にithさんのアトリエにもお伺いして指輪を見せていただいて、当然なのですが、私が普段着けているジュエリーとは華やかさが全く違いました。しかも、ithさんの指輪には一つひとつに思いがあって、それぞれに物語があります。そこはほかのブランドとも違うと思いました。このithさんの指輪をきれいな形で表現するためにはどうしたらいいのか、それはすごく意識しました。

 

何度も描き直しては、松本さんや吉田・高橋らに見せてアドバイスをもらう。それを反映させてまた描き直す。このときはもちろん、ウーマンクリエイターズカレッジに通う当時から今も変わらず、かなをさんは会社員としての仕事も続けています。今回の絵本づくりは、仕事が終わった平日の夜や休日を利用して行ってきました。インタビュー時の柔らかなムードからは想像もつかないタフさで、ithが大切にしている世界観を一つひとつ丁寧に描いていったのです。

 

 

かなを

絵本づくりは本当に楽しくて、会社員としての仕事の両立も全く苦にはなりませんでした。絵本作家を目指すようになって、会社の仕事に対する意識も少し変わってきたかもしれません。会社の仕事は私のやりたいこととは少し違うかもしれないけれど、今はそれがだめなことだとは思っていません。夢を追うのは難しいし、夢を見る人は現実を見ていないというイメージがありましたが、仕事をしながらでも夢は見られますし、夢があることで生活を豊かにすることができると感じています。私はやりたいことのために会社の仕事も全力でやる。でも、本当にやりたいことには一番力を注ぐというイメージです。やりたいことのためにツラいことも頑張れます。

 

二足の草鞋を履きこなし、着実の目の前のチャンスを掴んできたかなをさん。夢を一つ叶えた今、これまでは恥ずかしくて誰にも見せられなかったと話すイラストをInstagramにアップし始めました。今回の絵本づくりが自信となり、たくさんの人に絵を見てもらいたいと思うようになったからだといいます。

 

 

かなを

私は絵を描くことが楽しくて始めたのですが、思いがけず、夢を実現することができました。今は絵本を通して自分の考えを伝えられるようになりたいと思っています。だから、同じように夢を見ている方は、どこに縁が転がっているかはわかりませんから、気負うことなく、とにかく活動を続けてみてほしいなと思います。そして、ぜひ、皆さんに絵本を見てほしい。今回の絵本は私一人で作ったものではなく、高橋さんや吉田さん、えつを先生たちと一緒にみんなで作り上げたという達成感があります。ぜひ、そこを見ていただきたいなと思っています。

 

<かなをプロフィール>

1995年静岡県生まれ。大学卒業後、メーカー企業に就職。就業の傍ら、2018年にウーマンクリエイターズカレッジ 10期生として絵本制作を学ぶ。2021年、アーツアンドクラフツが主催する絵本プロジェクトのコンペティションを勝ち抜き、『たくさんよりも、ひとつをたいせつに』のイラストを担当。本作が絵本作家デビュー作となる。

Instagramアカウント:@karankoronkanawo

 

【インタビューはこちら
vol.01  “好き”を天職にする
vol.02  活躍の道は、ひとつじゃない
vol.03  挑戦する女性を、サポートしたい

 

「好き」を諦めない。夢に向かって頑張る女性たちを応援する絵本プロジェクト
> Makuakeプロジェクト公開終了:たくさんのサポートありがとうございました  

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★この活動は、SDGsに関する取り組みの一貫として実施しています。