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【ithのものづくりと仕事 Vol.5】ithつくり手/林 桃香

この記事は、結婚指輪工房ith(イズ)のコンセプトムービー制作時に取材した、ithのものづくりにまつわる人たちのインタビューです。

ithつくり手/林 桃香

ブライダルの専門学校を卒業後、挙式や披露宴などを行うレストランに従事したのち、かねてよりブランドコンセプトやデザインに惹かれていたithに転職。つくり手として3年目を迎えた現在は、「イズ銀座」にてお客様の好みや要望に応えるだけではなく、婚約・結婚指輪のプロとしてどういう風に選んでいくべきかを伝えながら、お客様にとってベストなデザイン、指輪を提案している。研修プログラムの一環である、実際に工具を使った指輪づくりにも積極的に参加するなど、今後もさらなる成長を目指して業務に携わる。

 

Q ithでつくり手として働くきっかけをお聞かせください。

A 前職はブライダルの挙式披露宴や二次会を行うレストランで働いていたのですが、会場では新郎新婦よりもゲストの方と接することが多く、もっと新郎新婦のお近くでじっくりとお話ができる仕事に就きたいと思ったことがきっかけです。
ithは、お客様と同じく、SNSを通じて「かわいいな」と思っていました。それからホームページを見るようになり、新郎新婦に寄り添いながらお2人が思い描くイメージを形にできること、また婚約・結婚指輪は新郎新婦の手元でものとして形に残せることに魅力を感じました。そして、ブランドコンセプトの「たくさんよりも、ひとつをたいせつに」という想いにも惹かれ、つくり手として働きたいと思いました。

Q つくり手として、日々の業務の中で心がけていることをお聞かせください。

A お客様は1組1組個性がありますし、ご要望も全く異なります。それぞれのお客様に対して、どういう言葉やスピード感が適しているのかを考えながらお話させていただいています。その日々の接客の中で心がけているのは、お客様に代表の高橋がデザインしたコレクション(サンプル)をご覧にいただきながら交わす言葉のひとつひとつや、リングを着けたときの仕草や表情などを見逃さないことです。

つくり手として3年目を迎えた今、指輪に関する知識はもちろん、つくり手にはさまざまなお客様に対応できる柔軟さが必要だということを実感しています。

Q ithで働く喜びを感じるのはどんなときですか?

A もっとも喜びを感じるのは納品のときです。
たとえ、コレクション(サンプル)からデザインを選ばれたものだとしても、出来上がった指輪は新郎新婦のためだけに作られたものです。その指輪が出来上がるのを心待ちにし、その指輪を目にしたときの少し緊張されている表情や、実際に手に着けたときの嬉しそうな笑顔は、お打ち合わせのときとは全く違います。そのお顔を拝見するときが、私のつくり手としての一番の喜びです。

今、制作中のご婚約指輪があるのですが、そちらはお客様のこだわりとご要望をしっかりと反映した完全フルオーダーメイドです。ご婚約指輪として長く身に着けていただくためのポイントも大切に、ダイヤモンドのカットから指輪のデザインまで何度も話し合って決めさせていただきました。試作リングのチェックも終わり、今、本番のリングを制作しています。私にとっても、とても思いの深いものとなっていて、お客様と同じく完成が楽しみですし、そちらをお渡しするときのことを想像するとワクワクしてきます。

Q 林さんにとって代表の高橋さんはどんな存在ですか?

私にとって高橋は道標となる存在です。高橋とは学んできたこと、経験してきたことは全く異なりますので、高橋のようなつくり手になることは難しいかもしれません。でも、これからたくさんのお客様と接し、自分自身が成長していく中で、ithのつくり手としてどうあるべきか、これからの進むべき道を再確認できるのは、高橋の存在があるから。これからもつくり手としてあり続けるための道標が高橋なのです。

Q 今後、つくり手としてどのように成長していきたいですか?

A ithは新郎新婦のご要望はもちろん、思いものせた指輪がとても多いので、それが形になるところが魅力だと思っています。そのためにも、私は婚約・結婚指輪のプロとしてお客様をしっかりサポートできるつくり手でありたい。ただお客様の好みに合わせるだけではなく、婚約・結婚指輪をどういうふうに選んでいくかをお伝えしながら、お客様にとってベストなものをご提案することが大事だと思っています。

これからも指輪の基本的な知識はもちろん、実際に工具を使って指輪を作る実技研修などにも積極的に参加し、新しい知識を学び、理解を深めていくことを続けていきたいです。また、同じアトリエにいるつくり手たちの経験を共有し、私自身の引き出しをもっともっと増やしていきたいと思っています。

そして、今、私自身が経験していること、それを後輩のつくり手たちにたくさん伝え、それがつくり手たちの引き出しのひとつとして役に立ったら嬉しいです。

 

参考ムービー/思い巡る結婚指輪