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2020.10.12

【第二回】「モバイルオーダー」は飲食店を救うサービスとなるか

 

【第一回】「モバイルオーダー」は飲食店を救うサービスとなるか

前回はモバイルオーダーがどういったもので、どのように操作するのかの基本を説明しました。
今回の記事では、モバイルオーダーのメリットと注意点、そして導入事例を紹介していきます。

 

モバイルオーダーがもたらす利点

モバイルオーダーのメリットは、注文する場所を選ばず、普段から使い慣れたデバイスから容易に注文することができ、かつ店舗にいる時間を短縮できることにあります。列に並ぶ、オーダーする、出来上がりを待つなどの行為は特に速さを重視するファストフード店ではネックになってしまいます。しかし、モバイルオーダーであれば利用客は店頭で待っている必要はなく、受け取る際も時間を必要としません。
次に、メニューを選ぶ際時間がかけられるという点も挙げられます。これは時間の短縮と矛盾したようなポイントに思えます。しかし、例えば店内でメニューを選んでいる際周囲のお客さんからの視線が気になり急かされている気分になることもしばしばあると思います。その点モバイルオーダーであればアプリ上でメニューを見ることで、落ち着いてメニューを選択することができ、さらには今まで気が付かなかった商品やクーポンを発見することもあるという利点がアンケート結果としてモバイルオーダーに満足した点としても挙げられています。
前回の記事で述べたモバイルオーダーがなぜ利用されるのかという回答理由として挙げたキャッシュレス決済もメリットと数えることができます。コロナ対策という観点においても、現金でのやり取りは数多の人の手が触れた紙幣や硬貨をやり取りするという点で懸念があります。財布の中から支払金額ちょうどの額を探したり、お釣りをやり取りするのもまたスタッフと客との間でやり取りの時間がかかってしまい、面倒でもあります。もちろん店頭で買う場合でもクレジットカードやLINE PayPayPayなどのQRコード式決済サービスは使用できますが、カードや端末のやり取りは発生します。しかし、モバイルオーダーであればスマホに紐づけた情報から決裁したり、クレジットカード番号も人に見られる心配の少ないところで入力できたりとやり取りを減らす以外のメリットもあります。

 

今後表出するであろう注意点

利用者へのアンケートによれば、モバイルオーダーを利用して不満を覚えた割合は2割にも満たず、基本的にユーザーは満足していると言えるでしょう。ただ、前回の記事で述べたようにこの技術自体がまだ利用者に十分浸透しているとは言えません。導入しても、きちんとした使い方の説明や予告などがなければ使われないままになってしまう可能性もあります。そして、今はまだ表面化していなくても今後気を付けなくてはならないかもしれない点がこれから出てくることも考慮するべきでしょう。
一つの注意点として、アプリの画面を偽造して表示し、勝手に受け取られてしまう恐れがあるということが挙げられます。これに関しては、店舗側で確認を徹底しなければなりません。スターバックスでは、任意の名前を付けられるようにして不正受け取りを防止するといった措置が取られています。
そしてもう一つ挙げられる点として、接客の時間が減ることはスタッフにとってはメリットですが、一部の客にとっては寂しさを感じる要素になってしまう可能性もあります。接客品質を売りにしている店舗にとってはその強みを活かす機会が減ることにも繋がってしまいます。

 

導入事例

導入店舗として最もメジャーな店がマクドナルドです。

https://www.mcdonalds.co.jp/shop/mobileorder/

マクドナルドはコロナが流行する以前、2019年からモバイルオーダーを導入していました。モバイルオーダーと検索しても、利用のレビューとして多く目につくのもまたマクドナルドです。
マクドナルドでのモバイルオーダーの利用方法は、マクドナルド独自のアプリをインストールし、会員登録を行うところから始めます。そのあと利用したい店舗を選び、メニュー一覧画面から頼みたい商品を選びます。また、マクドナルドでは店舗によって通常のテイクアウトのほかにドライブスルーでの受け取りや、先に店舗で席を確保してから使用してイートインができる席での受け取りを選択することができます。そして出来上がったと通知が届いたら選択した店舗に赴き、モバイルオーダー受取指定場所から受け取ることで完了です。また特徴として、メニュー画面が、おすすめやセットなどジャンルによって分けられており、選ぶ際に見やすくなっているようです。

 

次に紹介するのはスターバックスです。

https://www.starbucks.co.jp/mobileorder/guide/

こちらも昨年度から導入し始めており、利用方法としてはマクドナルドとほぼ同じで、スターバックスアプリをインストール、会員登録したら店舗、商品を選んで注文完了。出来上がりの通知が届いたら、選択した店舗に行きモバイルオーダー商品受取場所で商品を受け取ることができます。また、注文時に好きな名前を付けることができ(デフォルト名のままにすることも可能)受取時に確認が容易となっている点が特徴です。また、アプリをインストールせずともWebページからもモバイルオーダーすることが可能です。一部商品はモバイルオーダーに対応していないという注意点がありますが、スターバックスの利点であるカスタマイズはアプリ上でも行えるとのことで、自分の定番カスタマイズをモバイルでも行えるという利点はあります。更に、カスタマイズを伝えるのにためらいがあるという人でもスマートフォン上から追加したいものや変更したいものを選ぶことができればそのハードルは格段に下がるのではないでしょうか。これはスターバックスならではのメリットとも言えます。

 

昨今大きなブームとなったタピオカ店の「春水堂」もモバイルオーダーを取り入れている飲食店の一つです。

https://smatapi.com/

この会社では、自社アプリではなくPLATFORMという会社のサービスを利用しており、そこが先に紹介した二つとは異なる点です。アプリではなくWEBサービスなので、ブラウザでページを開き注文を行います。ページを開いたら、名前やクレジットカード番号を入力し、利用したい店舗と受け取りたい時間を選択します。そして、注文したい商品を選んで注文完了です。出来上がり通知が届いたら店舗で受け取るだけ、と基本的な構造はアプリ利用の店舗と変わりがありません。また、タピオカ店といえば氷の量や甘さなどのカスタマイズができる点も特徴ですが、モバイルオーダーでも同様のことが可能となっています。元々の狙いは本場である台湾などではすでに導入が進んでいることや接客クオリティの向上にあったとのことですが、それだけではなくショッピングの間に並んでいる時間を減らしたい層からの支持があったり、子供を連れて行列に並ぶのが難しいと考える主婦層にも支持されたりというメリットが増えたそうです。

 

今後の広まりが期待できるモバイルオーダー

認知度はまだ低いものの、顧客満足度や定着率の高いモバイルオーダーはこれから徐々に広がっていくサービスだと考えられます。より多くの店舗がこれを導入することで、認知度や利用者は増えていくと予想できます。広まるにつれてこれまで見えていなかったデメリットが見えてくる可能性も否定はできませんが、アフターコロナの世界でもその利便性によって廃れることのない技術となり得るでしょう。

 

【参考】

 

熊谷菜海

アーツアンドクラフツConsulting & Solution事業部/プログラマー。得意分野はRPA

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