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2020.05.25

位置情報を活用した三密防止策及び顧客導線の管理

位置情報活用は3密回避に有効であり今後活用が増えると予測される

新型コロナウイルスの影響により、デジタル変革(DX)に対して取り組み始めた企業は増えてきています。また、政府は三密回避(密閉、密集、密接)を提唱し続けています。従って、三密防止対策に基づいてデジタル変革に対する取り組みをどのように進めていくかは今後の重大な課題になります。本記事では、位置情報を活用した三密防止策及び顧客導線の活用について紹介します。

 

位置情報は顧客行動を把握する上で重要なデータとなる

位置情報活用を簡潔に言うと、自分(ターゲット)がいる場所の情報を活用し、様々な行動を展開することです。テクノロジーの急速な進歩により、ユーザーの位置情報の捕捉はより容易になっています。店舗で位置情報の活用が注目されている理由として、リアル店舗での顧客行動を把握し、それらを分析することで様々な施策に展開できる点が挙げられます。実際に顧客の購買記録はデータとして残すことは可能ですが、リアル店舗での顧客行動データは動態的に取るのが困難というのが現状です。

位置情報の取得経路

位置情報の取得経路は主に3つあります。

  • GPS
     衛星からの信号をGPS受信機で受け取り、受信者が現在位置を知るシステム
  • Wi-fi
     接続状況でユーザーの大まかな現在地が分かるためWi-Fiの接続状況を補助的な位置情報として活用することが可能
  • ビーコン(Beacon
     低消費電力の近距離無線技術「Bluetooth Low Energy」(BLE)を利用した位置特定技術であり、その技術を利用したデバイス自体を指す

位置情報の取得方法

位置情報を出来る限り多く取得することが位置情報の活用において最も重要な事となってくるでしょう。位置情報を取得する母数が少なければいくら活用しようとしても実行まで移行することが出来ません。

ユーザーの位置情報の取得方法としては以下の3パターンが挙げられます。

 

 

店舗での位置情報活用は顧客の購買行動を可視化し、SP活動にも有効

オンライン上においては、商品を検索から購入までの履歴が残るため、それらのデータ活用が期待できます。しかし、実店舗の場合にはオンライン上のように顧客行動を追うのが困難です。そのため、実店舗では位置情報を活用することで顧客のリアルな購買行動を入手でき、顧客へのアプローチ方法の重要な検討材料となりえます。

店舗で位置情報を活用する方法の例として、以下の3つが挙げられます。

また、今や日常生活の一部となったSNSと位置情報の掛け合わせにより、SNSを活用した集客効果が期待できます。例えば、Instagramの場合、投稿写真に位置情報が追加されることが多く、位置情報から検索するユーザーも多いため、店舗の雰囲気やイメージを感じてから、位置情報検索を通じて店舗への来店が期待できます。

ただし、位置情報は個人情報に直結するため顧客の位置情報を取り扱う場合は、位置情報の取り扱い方及びセキュリティに対して、慎重に考慮する必要があります。例えば、顧客の位置情報と顧客の氏名が繋がると、顧客を特定できてしまう恐れがあります。顧客のプライバシーに配慮するため、セキュリティ上の工夫は必須となります。

 

サービス紹介

位置情報を活用するアプリは少なくないですが、ここでは3つのサービスを例として紹介します。

beacappHere

beacappHere株式会社ビーキャップが提供しているサービスで、ビーコンや各種センサーを活用し、屋内の人・モノの動きを可視化することができます。ユーザーの居場所検知やユーザーの社内における滞在場所・滞在時間をほぼ正確に把握できるため、蓄積された行動データを可視化でき、エリアの混雑や満空情報を表示できます。また、現状のコロナ状態下においては、感染者が発生した場合、滞在場所を2週間以上遡って追跡することが可能です。

導入する際の費用としては、スタンダードプランであれば端末費用が30万円、初期費用は20万円かかり、月額費用10万円が必要となってきます。

 

 

AIBeacon

AIBeacon株式会社アドインテが提供しているサービスです。店舗内や会場などにAIBeacon端末を設置することで、ユーザーが近づくことにより位置情報を捉えます。また、AIBeaconと連動する解析ツールを活用し、ユーザーの行動を可視化することができます。分析結果から、場所内でユーザーが頻繁的に滞在したエリア及びユーザーが集まりにくい場所を補足することが可能です。

 

LINE Beacon

LINE BeaconLINEアプリの付随した新たな位置情報連動型機能です。具体的には、ユーザーがLINEの「LINE Beacon」の機能をオンにした上で、LINE端末が街中また店頭等に設置されたBeacon端末からの信号情報と連動します。そして、店頭側はユーザーにクーポン発行またはキャンペーン配信し、ユーザーとコミュニケーションを行うことができます。さらに、LINE Beaconを活用し、LINE チェックインサービスも展開できます。

 

位置情報活用は安心・安全な購買体験提供の大きな要因となる

新型コロナウイルスが未だ収束していない不安な状況下で、店舗としては3密防止対策が継続して行われており今後も非常に重要なポイントとなります。店舗はなるべく密を作らない、人と人が濃厚接触しないような環境を作り上げることが必要であり、そのために位置情報の活用というのが有効なのではないでしょうか。また、位置情報活用は顧客の購買行動の把握やSP活動にも有用なためデジタルマーケティング手法のツールの1つとして活用することもできます。今後店舗が3密防止対策を実施しながら顧客に安心して来店してもらい、これまで以上の購買体験を提供していくうえで位置情報の活用は有用であり、必要な観点となっていくのではないでしょうか。

 

【参考】

郭凛

アーツアンドクラフツConsulting & Solution事業部/アナリスト。

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