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2020.07.17

【事例解説】SNSマーケティングを成功させる3つのポイント

SNSマーケティングは今後も成長する市場

近年、各企業がマーケティングツールの一つとしてSNSを利用しており、様々な企業アカウントを見かけることが増えました。株式会社デジタルインファクトによると、SNSマーケティングの手段の一つであるインフルエンサーマーケティングは、2017年は175億円の市場規模となっており、2022年には450億円に迫る市場規模になると予測されています。また、年齢別のSNSの利用状況も2019年は昨年比で全体的に増加傾向です。

 

これらのデータから、SNSの影響力が大きくなっていることと、SNSの利用者が増加していることが分かるため、SNSが企業にとって有効な情報発信ツールとなっていることが分かります。このことから、企業がより安定した広告活動を行うために、マスメディアだけではなくSNSを選択する時代になると予測できます。

そこで本記事では、近年のマーケティングに欠かせない存在となっているSNSマーケティングの理解を深めながら、SNSマーケティングを成功させるためのポイントについて取り上げます。

 

SNSマーケティングは消費者に直接向きあう手法

元々SNSは人々がつながるためのツールでしたが、近年になって企業が商品や企業の認知度を高めたりブランディングを行ったりする場として利用できるという認識が浸透してきていると言えます。そのため、SNS本来の特性を利用したSNSマーケティングを導入することで、消費者に直接関わるような以下のメリットを得られます。

  • SNS上で大きな企画を行うことで、効率よく商品やサービスの認知度を上げられる
  • 企業を一人のユーザーとして擬人化できるため、ブランディングがしやすい
  • 消費者とダイレクトにやり取りができるため、消費者とのコミュニケーションが取れる

一方で、SNSマーケティングは消費者に直接印象を与えるものなので、運用に関する以下のリスクが存在します。

  • コンテンツの魅力がないと印象に残りにくいため、効果が薄い
  • 一方的な宣伝をされても、見たくないものを見せられるので不快感を感じ、より一層見たいと思ってもらえない
  • 継続した運用をしないと企業のブランドや印象が定着しないため、手間がかかる
  • 炎上すると一気に信用を失う可能性がある

以上のことからSNSマーケティングには、宣伝や交流を目的とした運用は可能だが、人とのコミュニケーションと同じような注意を払いながら長期的に運用しないといけないという特徴が浮かび上がります。

ここから、SNSマーケティングの一つ目のポイントである以下のことが言えます。

  • SNSマーケティングを行えば簡単に利益が出るという考え方ではなく、消費者の声を聴くことや消費者に近い企業であることなどの目的をもって運用することが鍵になる

 

 

SNSマーケティングはサービスの使い分けが肝になる

SNSマーケティングの特徴に加えて、SNSごとに差別化できる特徴があるため、宣伝する商品ごとに相性があります。その特徴を以下にまとめました。

 

例えば、Twitterはユーザーが若く拡散力が売りだが、Facebookはユーザーがビジネスマン層で真面目な広告を出すことが出来るなどのようにユーザー層からサービスの特徴までバラバラであることが分かると思います。

以上のような特徴があるため、SNSマーケティングの二つ目のポイントである以下のことが言えます。

  • SNSマーケティングを行う場合は、商品/企業/目的などと媒体の相性を考慮して行う必要がある

次は、商品/企業/目的などとSNSの相性が合った結果、多くの反響を得た事例を紹介します。

 

SNSマーケティングの活用事例

富士通 -LinkedIn-

一つ目は富士通の事例です。富士通はIT企業の決裁者をターゲットとして、エンゲージメントの上昇や富士通のサービス認知の拡大などを求めていました。そのために、詳細な顧客データが分かるLinkedInを用いた広告においての3つの具体的な目的を立てました。

  1. 広告をする際に、LinkedInが持つ精緻なユーザー属性情報により、的を絞ったターゲティングをする
  2. ターゲットの関心を引くであろう流行の話題にフォーカスしたコンテンツを動画、ブログ記事、プレスリリースといったBtoB向けの情報発信プラットフォームを使って、ターゲットとの関係性を構築する。
  3. LinkedInのフィード上でSponsored Updatesを活用して、営業時間内は忙しいターゲット向けに、営業時間外はPCおよびモバイル端末へのコンテンツ配信をすることで、的確に狙ったターゲットのエンゲージメントを獲得する。

結果として、富士通はイギリスとフィンランドの両国で7,500以上のクリック数を獲得しました。また、フィンランドでの投稿において44,100以上のインプレッションを獲得しました。

この事例では、ターゲットを絞りきっていた富士通の具体性と、名刺代わりにも使われるLinkedInの詳細な情報の組み合わせが功を奏したと言えます。ツールの選定も大事ですが、富士通は明確な目的を持っていたため、LinkedInを選ぶことや、LinkedIn内での広告の出し方を決めることが出来ました。

そこから分かることとしては、目的の大切さがあります。どんな活動にも共通して言えることですが、どんな目的をもって活動するかを見失ってしまうと、最大の効果を得られなくなってしまいます。企業の戦略も同じで、達成すべきことと道筋を立てられないと継続的な行動は起こせません。そのため、広告をする際にも詳細なターゲティングやツールの選定が求められると言えます。なので、広告を出す際には、正確な現状把握と目的/目標などの設定を意識して行うことが必要になってきます。

 

https://jp.linkedin.com/company/fujitsu

 

ハーゲンダッツ -Twitter-

二つ目の事例はハーゲンダッツジャパンの事例です。ハーゲンダッツジャパンは、Twitterを用いて商品のPRを行っています。中でも、ユーザーからの高いインプレッションを獲得しているのは、商品と交換できるギフト券などをプレゼントする企画です。この企画への応募条件は、ハーゲンダッツジャパンの公式アカウントをフォローして、対象のツイートをリツイートするだけになっているため、応募へのハードルが低いのが特徴です。

 

この事例からは、Twitterの特徴である“拡散力”が活かされていることが読み取れます。Twitterのリツイート機能は、リツイートをしたアカウントのフォロワーにツイートを表示させる機能になっているので、1リツイート毎に新しく数十人~数百人にツイートを見てもらえることになります。また、ハーゲンダッツジャパンのアカウントを見ると、リツイート数が1万を超えているのは、プレゼント企画を行っているツイートが多数です。そのため、プレゼント企画という拡散力のあるコンテンツを発信していることが、ハーゲンダッツの成功ポイントと言えます。

この事例からも利用する媒体の大切さは伺えますが、同じぐらい大切と言えるのは費用対効果を考えた広告を出せていることでしょう。

まず、新商品のPRをするためにテレビ広告を使った時と、ハーゲンダッツ100個分の費用を比べます。テレビ広告を関東圏で放送を1回するのに、安くても数十万円かかります。一方、ハーゲンダッツを一つ300円と考えると、100個分の費用は300円×100個分で3万円ですので、あとはアカウント運用スタッフ分の人件費を払えばいいだけになります。この時点で、ハーゲンダッツ100個分と人件費の合計の方が安いか、テレビ広告と同じ費用になると言えます。

また、広告後の消費者の動きとして、テレビ広告では購買行動を起こすのみになりますが、Twitterを利用したプレゼント企画では当選者のリピーター化や当選者のレビューによる購買意欲の刺激も付加できます。ツイートによるレビューは他のユーザーから閲覧可能で、拡散もできますので、二次広告とも呼べるような現象が発生すると考えられます。

以上の理由から、ハーゲンダッツのプレゼント企画を用いたTwitterでの広告は成功していると言えます。この事例を参考に、マス広告に頼るだけではなく、自社内での広告運用を考えてみてはいかがでしょうか。

 

ダニエルウェリントン -Instagram-

最後の事例は、ダニエルウェリントンの事例です。ダニエルウェリントンは時計ブランドで、2011年の創業以来インフルエンサーマーケティングに注力しています。ダニエルウェリントンが行っているインフルエンサーマーケティングでは、セレブからマイクロインフルエンサーなど幅広く自社の時計を配り、Instagramを紹介してもらうというやり方を取っています。時計を配りすぎではないかと問題視されることもありましたが、2016年には220億円の売上を記録し、成果を示しました。

https://www.danielwellington.com/jp/

 

この事例からも先ほどの費用対効果を読み取ることが出来ますが、この事例でもっと大切なのは自社製品の見せ方だと言えます。インフルエンサーマーケティングでは、インフルエンサーが着用しているという付加価値を付けられますし、Instagramという媒体の特徴である写真中心の投稿を意識したオシャレな見せ方ができます。この二つから、ダニエルウェリントンはブランド力を強化することに成功したと言えます。

以上より、ダニエルウェリントンは自社の商材とSNSごとの特徴を組み合わせることで宣伝効果を高めた事例であると言えます。この事例から学べることは、SNSの使い方を含めた商品の販売方法の選択の大切さです。誰に対して売るかやターゲットに訴求力のあるメディアは何か、PRには誰を起用するかなどの問いかけがあったからこそ、この事例が存在すると言えますので、販売方法を見極めることの大切さが分かるかと思います。そのためにも、フレームワークなどを利用した細やかな顧客分析や製品分析が必要になりますので、フレームワークに加えて近年のトレンドなど市場内外の情報を幅広く蓄える必要があると言えます。

これら三つの事例より、SNSマーケティングの三つ目のポイントである以下のことが言えます。

  • 消費者に何を感じてほしいかを考えることと、目的達成に必要な考え方や知識の集積をすること

つまり、消費者が親しみやすいブランドにするには実際の人間に近い投稿を多くする、高級なブランドだと思わせたい場合には著名人のネームバリューを乗せて箔をつける、などの目的と手段の合致が必要になると結論付けられます。

 

SNSマーケティングには繊細な気配りが必要

本記事ではSNSマーケティングについて執筆しました。これまでの状況を鑑みた結果、SNSマーケティングは順調に伸びていく予想となっていますが、現在はコロナ禍で集客イベントが中止になっていることもあり、さらに活用が進み予想以上の速さで伸びていくと考えられます。また、SNSごとに広告サービスを拡大させており、動画広告やライブ配信も可能になっているので、広告手段としてさらに有用になっていくと推察できます。そのため、今後の企業活動の一つの課題として、どのようにSNSマーケティングを運用していくかが出てくると予想できます。

また、本記事のまとめとして、SNSマーケティングにおける大切なポイントは三点ありました。

  1. 消費者の声を聴くことや消費者に近い企業であることなどの目的をもって運用すること
  2. 商品/企業/目的などと媒体の相性を考慮して行う必要があること
  3. 目的達成に必要な考え方や知識の集積をすること

以上のポイントを抑えた結果、事例に挙げた企業はSNSマーケティングに成功したと言えます。つまり、SNSマーケティングは明確な目的と緻密な計算の上に成り立っている繊細なマーケティングであると言えるでしょう。

SNSマーケティングは、うまく広告ができれば利益は大きいですが、失敗すれば一気に企業や商品のイメージを損なってしまいます。そうならないために、現在の状況と未来図を明確にしたうえで、消費者に良いイメージを与えるために何をすればよいかを考えながら、慎重に運用していく必要があるのではないでしょうか。

 

【参考】

伊藤悠真

アーツアンドクラフツConsulting & Solution事業部/アナリスト。

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