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2020.07.10

【基礎から分かる】オンラインレッスンのメリットとやり方/始め方

オンラインレッスンが一般化される

オンラインレッスンの需要がここ数か月で急激に伸びています。「緊急事態宣言後一か月で人気になったレッスン」の調査では、新型コロナウイルスの影響はすさまじく、主に緊急事態宣言による通勤時間の短縮等で時間に余裕が出来たので、時間を自身の勉強にあてる人が増えたからだと考えられます。

しかしながら、オンラインレッスンの需要は一時的なブームで終わらないと考えられます。コロナの状況化で浸透したオンラインレッスンの利便性は継続して顧客の意識に残り、オンラインレッスンの需要は今後とも高水準を保つと予測されます。

オンラインレッスンは感染予防だけじゃない

そもそもオンラインレッスンとは何かを考える必要があります。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの「オンラインレッスンの動向整理」を参考にすると、オンラインレッスンとは「音声や画像等の双方向通信システムを活用し、インターネットを通じてリアルタイムに何らかの技能等のレッスンを提供するサービス」と考えられています。

オンラインレッスンの主なサービス例としては、オンライン英会話サービスが挙げられます。

 

通常の教室等に通って行うレッスンとオンラインレッスンを比較した際のメリットは多くあります。コロナ状況下で最も注目すべきは「感染防止」でしょう。しかしながら、コロナ状況下という条件を無視してもビジネスとしての可能性は広く、「商圏の拡大」や「継続性アップ」はオンラインレッスンの最大の強みと言えるでしょう。

反対にデメリットも存在します。図には載せていませんが、主な内容としては「伝える難しさ」「機材の操作技術等の難しさ」が挙げられます。

 

予約管理と配信ツールを使いこなせ

予約管理システム

オンラインレッスンには「受講者」である消費者、授業の内容を実際に教える「講師」、さらにはその中間役である「オンラインレッスン事業者」が存在します。オンラインレッスン事業者とは、オンラインレッスンを行うにあたっての予約システム・アプリ等を運営する会社の事です。

 

 

オンライン事業者を通すことで、レッスンの予約やスケジュール等の管理・キャンセル等が生じた場合の代替レッスンの手配等をスムーズに行えます。より詳しくオンライン事業者が提供しているサービスを見ていくと、そのサービスの利用者管理やシステム管理はもちろんの事、教材等の開発や熟練度の確認等も行っていることがわかります。

 

オンラインレッスン事業者の代表的な予約システムを比較しました。予約管理システムを選ぶポイントしては主に3つあります。以下の事を踏まえたうえで、慎重に検討することが求められます。

1,業種・業態に適切なシステム

  •  業種・業態・店舗によって求められる機能が異なる
  •  対策:現状の課題とそれを解決するための機能を把握する

2,操作の利便性

  •  システムを導入しても業務効率が下がってしまう可能性がある
  •  対策:マニュアル・ガイドの充実差、又はシステムのカスタマイズをする

3,決済機能の有無

  •  クレジット決済・即時決済・オンライン決済に対応している物もある
  •  メリット:事前決済による、急なキャンセルの防止・自動精算

 

配信ツール

実際にオンラインレッスンを始めるにはweb会議ツールが欠かせません。代表的なweb会議ツール8つを比較しました。Web会議ツールを選ぶ際のポイントは主催者側と参加者側で分かれます。それぞれの視点を考慮に入れたうえで導入を検討するべきでしょう。

主催者

  •  事前URL発行
  •  カレンダーとの連携

   -スケジュールの管理が楽にできる

参加者

  •  サービス登録の必要性

  -URLのみで参加できると利便性が高い

 

顧客の体験から学ぶ

オンラインレッスンを実行する為には、対策を練るべきポイントがいくつかあります。それを「オンラインレッスンの利用にあたって困った事」のアンケートから摘出しました。

主に以下4点がアンケートの回答率が高いため、始めるにあたって考慮すべき点になります。

  • 無料体験と、有料サービスの内容に差があった
  • 講師の品質( 指導スキル等)が満足いくものではなかった
  • カリキュラム・教材等が満足いくものではなかった
  • 音声や画像が途切れたり乱れたりするなど、通信の品質が悪かった

 

 

以下の1点はアンケートの回答率が高かったものの、講師側(主催者)から対処できる課題ではない為、考えないものとしています。

  • 予約がとれないなどして、利用したいときに利用できないことが多かった

オンラインだけの魅力を

クービックは新型コロナウイルスの感染拡大に伴う支援として、2020 4 14 () 2020 4 30 () の期間中に申し込みした顧客に、オンラインレッスンの予約・決済の利用用途に対して「予約システム Coubic (クービック)」を 30 日間無償提供しました。そんな中オンラインレッスンを取り入れた埼玉県さいたま市のヨガ教室『愛力|あいぢから』では、ビデオ会議アプリのカメラとマイクを通して、お客様と声を掛け合いながらポージングの指導を行うなど、可能な限り対面のレッスンと変わらない指導を行うようにしています。

その結果実際に参加した顧客から以下のような反響があり、オンラインならではの強みを活かせているようです。

  • 「自宅でも思ったより集中して参加できた」
  • 「遅い時間でも参加できてよかった」
  • 「普段お店に行くことが困難な高齢の方やご家族みんなで参加できた」等

http://aidikara.com/

この事例からわかるように、今後求められるのはオンラインレッスンならではの強みでしょう。昨今ではシステム環境の整備が進み、様々なツールが存在します。これまで対面でしか表現できなかった情緒的価値を重視してきた業種も、オンラインに取り組み始めています。そのような状況下で競合に一歩リードするためには、コロナ影響で仕方なくオンラインにシフトチェンジするのではなく、オンラインの魅力を理解したうえでオンラインレッスンに取り組み、長期的な視点で実行することが最も重要なポイントであると考えられるでしょう。

 

【参考】

吉田暁壮

アーツアンドクラフツConsulting & Solution事業部/アナリスト。