この10年でithはブランド価値を高めることを目指しつつ、国内11店舗・海外3店舗を展開してきました。この成長を支えたのは、つくり手や職人たちだけではありません。お客様にithの指輪づくりの楽しさや喜びを体感してもらうため、さまざまな角度でつくり手や職人をサポートするバックオフィスのスタッフたちの存在も大きな力になっています。今回はあまり表にでることのないバックオフィスのスタッフに注目し、彼らの日々の業務からithの魅力を紐解いていきます。
―皆さんがithに入社されたきっかけをお聞かせください。
佐藤さん(以下、佐藤) 僕は入社より先にithのお客様として結婚指輪を作りました。入社のきっかけは、指輪の完成後に「こういう仕事がしたいでしょう?」と妻に言われたことです。僕は何も言っていないのに、妻にはお見通しだったんでしょうね(笑)。その一言から、ithで働きたいと思うようになりました。
和田さん(以下、和田) もともと私は、声優の養成所に通う傍ら、派遣社員としてithで働いていました。でも、養成所を出てもなかなか声優の仕事につながらず、諦めて別の道を模索し始めたとき、ithから「社員にならないか」と声をかけてもらったんです。実は、ithで働くようになって、裏方の仕事の面白さに気づかされ、私にはこちらの方が向いているかもと思うようになりました。
原田さん(以下、原田) 僕は転職先と結婚指輪を同時に探していて、先にithの指輪を見つけたんです。僕と妻は、気になる指輪の情報をお互いに共有していたのですが、気づいたらithの指輪がたくさんあって。そうしたら求人情報でもithを目にして、「これはもう行くしかない」と転職しました(笑)。指輪は入社後すぐに作りました。
―現在、ithでどのような業務をされていますか?
佐藤 僕は数年つくり手として経験を重ね、ブランド推進部に配属になりました。現在は、新入社員や中途社員の教育を任されています。新しく入ったつくり手たちを指導するのが、僕の仕事の大部分を占めています。
和田 私の仕事は、役員たちの業務が円滑に進むようにサポートする、秘書的な業務が多いです。それ以外にインターン生の対応などもしています。
原田 僕の主な業務は、Webサイトや社内システムなどの制作や運営です。前職は、アニメなどのプロモーションサイトをひたすら作る仕事でした。当時は100サイト以上を作りましたが、公開したWebサイトの運営までタッチすることはありませんでした。でも、ithでは作ったWebサイトに対するお客様からの反響もよく分かるし、その後の工夫や改善にも携わることができます。社内システムに関しても、社員から改善のリクエストが直接僕に届くこともあるので、自分の仕事がithのさまざまな部分で役に立っているという充実感がありますね。
―現在の業務において、皆さんの中で課題などはありますか?
佐藤 僕は、前職でドラッグストアに勤めていたので、どちらかというと物と向き合うことの方が多く、人と接する機会はあまりありませんでした。それもあって、自分ではコミュニケーションがそれほど得意な方だと思っていないので、今でも人と話すときは言葉の選び方やタイミングが難しいなと思うことはあります。
和田 私の場合は、突然、想定外の仕事が舞い込むことがあり、対処に時間がかかってしまうことが課題ですね。でも、私は変化の多い業務は自分に合っているし、楽しいです。
原田 僕が難しいと思うのは、システムの運用やプログラミング言語ですね。これは前職でも携わっていなかった分野なので、入社してからたくさん勉強しています。
―皆さんの業務がどのようにithに貢献しているのでしょうか?
佐藤 僕はブランドへの貢献よりも、お客様にフォーカスして仕事をすることが大事だと考えています。だから、僕はお客様の指輪づくりをしっかりサポートできるつくり手を育てたい。それがお客様の満足を生み、結果としてブランドへの貢献にもつながると思うんです。この考えは、僕が入社前にithで指輪を作ったことが影響しているかもしれません。僕と同じように、「ithでよかった」と思うお客様がもっと増えたら嬉しいです。原田さんも、お客様が見るからこそ、きれいなサイトで見やすく、面白くしたいと考えていますよね?
原田 そうですね。ithのサイトをきちんと整えることで、お客様はご自身の指輪が素敵なものだと実感できると思うし、それがお客様の価値につながると思っています。そのためにもデザイン性は意識していますね。
和田 私ができることは、役員たちがビジネスに注力する時間を作ることだと思っています。また、会社にithやものづくりに関するお問い合わせをいただいた際は、事務的なお返事にならないように心がけています。最前線にいるつくり手や職人だけではなく、ithが掲げる“たくさんよりも、ひとつをたいせつに“というブランドコンセプトをバックオフィスのスタッフたちも共有していることを伝えたいからです。
原田 僕の場合は、システム開発を通じて、つくり手・職人・生産管理など社内のスタッフらの業務が円滑に回る仕組みを整えつつ、お客様の立場からも使いやすいWebサイトを制作することですね。それができたら、いろいろなことがスムーズに運ぶし、お客様もスタッフも楽になりますよね。僕はWebサイトやシステムを通じて、社内の雰囲気もよくできたらいいなと考えているんです。たとえば、社内システムの管理画面が硬い印象にならないように、わざと絵文字を入れたりしています。
―皆さん、アプローチの仕方は違いますが、ithというブランドがこれからもっと成長するために、ご自身の業務で何ができるかを常に考えているのですね。
原田 バックオフィスのスタッフは業務内容がそれぞれ違います。個々で対応することが多いですし、責任もとても重いですが、誰も他人事で仕事はしていないですよね。
佐藤 たぶん、他のスタッフに話を聞いたら、全員がきっと違う答えになると思う。でも、それがまた面白いし、ithらしいと思うんです(笑)。
写真左:佐藤さん[ブランド推進部]
写真中央:和田さん[戦略企画室]
写真右:原田さん[ITシステム部]
【プロフィール】
佐藤さん[ブランド推進部]
2015年に吉祥寺アトリエで結婚指輪を制作。その後、奥様の一言がきっかけとなり、2017年にithに転職。ithにとって、初めてお客様を経て入社したつくり手であり、初の男性つくり手でもある。銀座アトリエの主任を経験後、名古屋栄アトリエなど複数のアトリエ主任を務め、現在はブランド推進部に所属し、新卒、中途入社社員の教育業務を担う。
和田さん[戦略企画室]
2017年から派遣社員としてithに勤め、2019年に正社員に。入社後はithのお客様情報やつくり手の研修スケジュールなど、さまざまな管理業務を担当。ブランド推進部発足後は、コンサルタント事業部のサポートも行うなど、担当業務は多岐に渡る。入社後に自身の結婚指輪をithで制作。
原田さん[ITシステム部]
2020年入社。前職のWeb制作会社ではさまざまなWebサイトを制作したが、自社コンテンツを持つメーカーへの転職を希望し、ithへ。現在は、ithのWebサイトの制作・運営のほか、社内外のシステム開発にも携わる。入社と同時に自身の結婚指輪を制作。