KNOWLEDGE & INSIGHTS

2020.11.10

RPA導入時に最も考慮しておくべきこと

始めに

 RPAを導入するにあたって考えておきたいことは様々ありますが今回は最も重要な3点について触れて行こうと思います。
それは以下3点にまとめられます:

  • 「目的の明確化」
  • 「現場とのギャップの解消」
  • 「導入期間」

 上記3点を決めずに「導入を行って効果測定をしたい」「IT化を促進させたい」など曖昧は目的なままPJをスタートさせてしまうと今後現場とRPAを導入する経営陣に様々なギャップが生じてしまいPJ自体が難航してしまう可能性があります。実際にRPAの導入予定だった業務にたいして現場側では別のプログラミング言語で効率化を行うPJが別に動いていたりと本来どちらか一つに統一すべきPJも複数並行で動いていたりと様々な混乱が生まれている業務などがありました。

「目的の明確化」&「現場とのギャップの解消」について

 「目的の明確化」と「現場とのギャップの解消」2点は切り離せないことです。「目的の明確化」を行うことで「現場とのギャップの解消」も解消されていきます。以下ではよくある現場とのギャップについて触れていきます。

まず経営陣の考えとして考えられことは:

  • 効率化によって生産性を上げる
  • 人件費の削減
  • ミス防止
  • 人間がクリエイティブな作業に集中出来る

あどありますが、現場の考えとして考えられことは:

  • 業務が楽になる
  • 自分たちの仕事がrobotに奪われる

などが在ります。

ここのギャップとして生まれてきてしまうのが経営陣の思いとしては「クリエイティブな作業に集中して欲しい」ですが、現場の思いとしては「業務が楽になるはずが難しい仕事が増えてしまった」などです。他にも「人件費の削減」を目的とした場合「自分たちの仕事が無くなる」と感じた非協力的になり導入がうまくいかない場合があるかもしれません。これが先に挙げた「目的の明確化」に繋がってきます。

 そして、会社のビジョンを明確にすることで認識違いによる不満やギャップの発生を防ぐことが出来ます。仮に「人間はクリエイティブな作業に集中して欲しい」という目的を全社的に説明を行うとします。これで少なくとも経営陣の考えと現場のギャップを防ぐことが出来ます。もちろん会社の意向に納得できず結果的に辞めてしまう人たちが現れてしまうかもしれません。しかし、これは会社が打ち立てた「人件費の削減」という目的は達成してると言えます。もちろん納得できない社員がどんどんやめて行ってしまう環境は良いものではありませんがシビアな見方をすれば「RPAで出来ないような複雑な業務が出来る人材を残して行きたい」というメッセージでもあります。会社の将来的に必要な人材を育てていくことや新たに募集することにも繋がっていきます。

「導入期間」について

 「導入期間」についても決めておかないと後々様々なトラブルに繋がってしまいます。RPAを導入する部隊は専属でもその業務をヒヤリングする部署は実際の業務をやりながら時間を作って打合せをする部署がほとんどです。ヒヤリングや情報をもらう際に「本業務が忙しくて時間が取れない」等言われてしまうとどんどん導入時期が遅れてしまいます。この遅れに対して最初に想定していた「導入期間」どれほど影響があるのかなど考えて後々の計画を見直していくことも重要となっていきます。

 また、実際にRPAを導入した際にも「思ったより効果が出なかった」「導入スピードが思うより遅かった」など想定より効果が出ないこともあると思います。しかしRPA導入の際にヒヤリングした結果新たな問題を発見したり現場がどのような実情になっているかの把握などが出来るのでまた新たに改善すべき箇所が明確となってくるので次フェーズでどのような動きを行っていくか長期的に計画を考えて行くことが重要となって行きます。人物像としても現状の業務に満足している人たち、現状をより良いものにして行きたい人たち、等様々な勢力が可視化されて行きます。「現状をより良いものにして行きたい」と感じるている人たちを集め次フェーズの計画を立てて行くことも成長の一つです。RPAを導入すると様々な業務が効率化され改善されて行きます。しかしRPAで解決出来ない問題も次々に出てくると思います。この課題を「RPA対象外だから考慮しない」ではなく別の改善部隊に依頼するなどちゃんとしたフローを構築できているとよりよい改善へ繋がっていきます。RPA導入時はRPAだけにとらわれ視野が狭くなりがちですが「業務改善を行う」という大枠を見失わないようにしたいです。

 まとめると、導入期間に関しては早く効率化の効果出したく、短い期間で無理矢理導入ではなく、次フェース、全体効率化が最大化できるために、余裕をもって合理的な導入期間も確保すべきです。

最後に

 今回は筆者の経験からRPA導入時に重要なポイントをまとめました。おもに導入前のことですが、今後導入時に発生していることなども触れていきます。

山口 圭介

アーツアンドクラフツエンジニア/ITコンサルタント。LOWCALにで6年間インフラ業務、RPA開発、導入業務を経験。Uipath、SynchRoid、WinActor、Automation Anywhereなど主流のRPAツールをマスター。2020年アーツアンドクラフツに入社し、RPA開発、ITコンサルタントを担当