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【UiPath Orchestrator】少ない工数でロボットを安定的に運用するための管理ツール

定型業務を自動化し空いた時間を有効活用する

RPAとは、「Robotic Process Automation」の略語で定型化された業務をロボットが代わりに実行する取り組みです。RPA化するにあたり、業務を実行する「ロボット」の開発・運用・アップデート等のメンテナンスが必須となります。本記事では日本国内だけでなく世界的にシェアされているUiPath社が提供する、これらのロボット管理を容易にするサービス「Orchestrator」について取り上げます。

 

 

アカウント管理からロボット監視まで行う優れもの

Orchestratorはロボットの実行や運用・管理からライセンスやバージョン管理といった自動化するにあたり付随する業務を一元管理することで運用時の負担を軽減することが可能となります。そのためOrchestratorがあることにより誰がどのロボットをどこで実行したかといった情報も含めて実行履歴を容易に追うことが可能です。

また、Orchestratorを導入することによってシナリオ(実行されるプログラム)のバージョン管理も行えるため、何らかの原因で管理者がいなくなったロボット、通称「野良ロボ」を発生させることを防ぎます。この「野良ロボ」が多発すると、正常起動しているロボットの実行を妨害したり、システムに不要な負荷をかけてしまったりと様々な問題を引き起こす可能性があるため発生させないことが重要です。

 

Orchestratorの環境構成と主な機能について

まず、Orchestratorを構成する機能について簡単にご説明いたします。より詳細な内容についてはUiPath社が公開しているOrchestratorガイドをご覧ください。

 

  • ホスト

Orchestrator1ライセンスで1つのホスト環境が作成されます。このホスト環境内でさらに分割された環境を作成することが可能です。

 

  • テナント

ホストの次に大きな枠組みであるテナントは、1つのホスト内で複数作成することが可能で、テナント毎に区別された環境を作成することが出来ます。このテナント内に、実行するシナリオ(実行プログラム)やロボット(シナリオを実行する場所)そして実行時に必要な情報を管理するアセット(他システムログイン情報やURL等)などが配置されます。例えば、部門ごとにテナントを作成することで他部門への誤動作を防いだり、利用者に応じてOrchestrator内での権限付与を容易にしたりと細分化することで得られるメリットもあります。

 

  • マシン

Orchestratorに接続する端末情報で、端末1台につき1マシンを作成します。マシンには実機の端末以外に、仮想デスクトップ(VDI)も使用可能です。

 

  • ロボットグループ

グループ化されたロボットで、プロセスのデプロイ時に指定します。指定されたロボットグループ以外のロボットで実行することは出来ません。ただし、ロボットが複数のロボットグループに属することは可能です。例えば開発用、テスト用、本番実行用でロボットグループを分けることによって開発時に本番環境への影響をなくすことも出来ます。

 

  • ロボット

実際にプロセスを実行する実行環境のことです。ロボットには種類があり、スピードが速く仮想環境で無人で処理が可能な「Unattended Robot」と、実際のユーザーが使用している端末上にて、ユーザーによって開始される「Attended Robot」があります。

 

  • パッケージ

Studioからパブリッシュまたは、手動でアップロードされたプロジェクトのことです。Orchestratorの「パッケージページ」ではアップロードされたプロジェクトがバージョン管理されており、使用したいバージョンを指定することが出来ます。

 

  • プロセス

パッケージとロボットグループの関連性が決められており、紐づけられたロボットグループに属するロボットのみで実行が可能です。パッケージが同じで違うロボットグループのプロセスを複数作成することが出来ます。

 

  • ジョブ

実際にロボットでプロセスを実行することをいいます。プロセスを実行するロボットは紐づいたロボットグループの中から、1つまたは複数指定することが出来ます。ジョブの実行方法は、Orchestratorの「ジョブページ」からの手動実行や、スケジュール実行等があります。

 

  • アセット

ロボットが処理を実行する際に使用するアカウント情報やサイトのURL、フォルダパスなどの情報が保存されており、ロボットは実行中に指定されたアセットより情報を取得し処理を行います。また、アセットに保存されている認証情報(ログイン情報であるアカウント名とパスワード)は暗号化され、高いセキュリティが提供されています。

 

今までご説明したものを図にすると下記のようになります。Orchestratorの環境は部門毎などで細分化することによって運用や管理が容易になり、他部門への不要な干渉を減らせるのではないでしょうか。

 

クラウドを利用した新たなサービス形態のOrchestrator

UiPathが新しく自社クラウドサービスの一つとして、「SaaSOrchestrator」の提供を20205月より開始しました。この「SaaSOrchestrator」の最大の特徴はUiPath社のクラウド環境を使用することでOrchestrator導入時のサーバ構築が不要なうえ、自動でセキュリティパッチなどが最新版に更新されるため最小工数で導入と保守が可能となります。そのため、自動化に伴うITインフラなどへのコストが抑えられ、また、自社でインフラチームを持たない企業にとってもOrchestratorの導入を考える際に大きな魅力になるのではないでしょうか。

 

UiPath導入事例 ~三越伊勢丹ホールディングス~

百貨店を支える後方部門では紙ベースとITリテラシーの高い現場の人が作成したマクロを駆使して業務を行っていたが、商品管理部門・財務会計部門・人事労務部門の異なる3部門にて今後の展開を見越してRPAの試験導入を行った。自動化したことにより、データ集計やレポート作成等の定型業務に想像以上の作業時間がかかっていることが判明し、そういった業務を自動化し3ヶ月間の実証実験によって、RPAは高い導入効果が見込めることがわかり、本格的にRPAの導入を進めていきました。結果、3部門の7業務を自動化した時点で、想定される年間削減効果は2000時間以上という手ごたえを得られたといいます。

https://www.uipath.com/ja/solutions/case-study/imhds

 

人員不足をITで解消していく

数年前からある「働き方改革」や「業務効率化」の流れの中でRPAが注目されてきましたが、それだけではなく「誰でもできる単純業務」のようなコア業務以外の日々の雑務はロボットに任せ、人の判断が必要とされる業務やクリエイティブな業務などに注力できる環境を作ることで生産性やクオリティが向上するのではないでしょうか。また、単純作業ではミスが発生するがロボットが行うことによってケアレスミスを無くすこともできRPAの導入効果は高いのではないでしょうか。

 

【参考】

 

坂本奈都子

アーツアンドクラフツConsulting & Solution事業部/プログラマー。得意分野はRPA

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