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2022.07.21

Excel導入による業務改善~入門編~

はじめに: Excelとは

※本記事は、Excelに馴染みのない業種/職種の方々に向けた入門編の記事です。

近年、パソコンは一家に1台以上あるのが当たり前の世の中になってきております。また、ことビジネスにおいては、1人1台持っていないと仕事にならないという業種も増加しており、従来パソコンを使ってこなかった業種/職種の方々でも、パソコンを使えるスキルが求められつつあります。

そんなパソコンをより有意義に活用してもらうために、世間には様々なソフトが存在しており、その中でも最も有名なソフトの1つが「Excel」です。パソコン初心者の方でも一度は耳にしたことのある方が多いのではないでしょうか。

そもそもExcelとは、Microsoft(マイクロソフト)社が開発して販売している「表計算ソフト」です。計算をすることに特化しており、様々な計算式を使う事によって、簡単に答えが出せるようになっています。

そのため非常に高機能で、計算を必要とすることの殆どの事が出来てしまうというソフトであり、現在でもビジネスでは世界でも幅広く使われているソフトの1つです。

自分の仕事には数値等を計算する必要は無いと考えている業種の方もいらっしゃるかもしれませんが、Excelにて業務を整理し可視化することは、あらゆる業種において業務改善を期待することができます。

例えば、今までパソコンを使ってこなかった製造業の工場ラインにおいて、作業員一人一人の稼働時間や作業内容、ミス率等をExcelにて整理することで、各作業員の強み/弱みを把握することや、研修内容の検討にも繋げることが可能です。

今回は、そんなExcelに馴染みのない業種/職種の方々に向けExcelがどういうものなのか、どのように活用すべきかを便利な機能などを交えてご紹介させていただき、Excel活用による業務効率化への足掛かりとなれば幸いです。

 

Excel活用用途

Excelを活用することでできることは、「文書作成」、「関数を用いた表作成・計算」、「グラフ作成」、「マクロ機能による自動処理」の大きく4つあります。

今回は、Excelにあまり馴染みがない方に向けた記事なので、基本的な活用用途である、「文書作成」、「関数を用いた表作成・計算」、「グラフ作成」の3つに焦点を当ててご紹介したいと思います。

それでは、それぞれの活用方法を見ていきましょう。

 

文書作成

先にも述べたように、Excelは本来「表計算ソフト」のため、文書を作成することがメインではありません。※Microsoftのソフトで文書を作成する場合、基本的には「Word」の方が適しています。

ただし、Excelで文書を作成することにもいくつかメリットがあり、主に設計書や仕様書、請求書などを作成する際に用いられます。

行頭の調節が非常に行いやすい

Wordにて文書を作成する場合、行頭の調整はルーラーを用いるため、細かな調整が必要になる場合がございます。しかし、Excelであれば、行頭はルーラーではなく、セルの列で調整をすることが可能なため、様々なフォントやサイズの文字を混ぜての文書を作成する際には、WordよりもExcelの方が便利な場合があります。

表やグラフが混在した文書を作成しやすい

セルのサイズを変更・結合等をすることで、多彩な表やグラフを挿入した文書を作成することが可能となります。また、別シートでデータを管理していれば、数字を変更するだけでグラフを更新することも可能となります。

 

関数を用いた表作成・計算

Excelは表計算ソフトということで、表の作成・計算が代表的な機能と言えます。

また、関数を上手く活用することで、数値を自動的に計算することも可能となり、計算が必要な業務においては非常に有効なソフトです。

 

グラフ作成

上記の「文書作成」でも少し話が出ましたが、Excelでは多彩なグラフを作成することが可能です。

グラフを作成するには、まず数値の入った表を作成します。後は、その表を選択して「グラフ」という項目を選択すれば、簡単にグラフを作成することができます。

数値の入った表を作成/選択

グラフの項目を選択

グラフ完成

グラフの種類は、棒グラフや折れ線グラフ、円グラフなど様々な種類があるため、非常に使い勝手の良い機能と言えるでしょう

 

類似ツールとの違い

ここまでExcelの基本機能を紹介してきましたが、パソコンを使用していると、Excelとよく似たツールを目にすることがあるかと思います。

その中でも代表的なのは、「Googleスプレッドシート」ではないでしょうか。

見た目や使い方もよく似ていることから、「違いがよくわからない」、「どちらでもいいのでは?」ということを考える人も少なくないかもしれません。

確かに、使い方や見た目はほとんど同様ですが、ExcelGoogleスプレッドシートにはその活用用途に違いがあるので、場面に合わせて使い分ける必要があります。

それぞれどのような場面で活用すべきか、メリット・デメリットも含めてみていきましょう。

 

Excel

先にも述べたように、Excelとは、Microsoft(マイクロソフト)社が開発して販売している「表計算ソフト」です。

活用用途については、先にも述べましたが、どのような場面に適しているか、Googleスプレッドシートと比較しながらメリット・デメリットを見ていきましょう。

<メリット>

機能性が高い

フォントの数、罫線の数など、細かい機能がGoogleスプレッドシートに比べて数多く存在します。このような機能により、レイアウトにこだわることもできるのはExcelならではと言えます。

参考書が多い

当記事でもExcelを開設しているように、Excelに関する記事や参考書はGoogleスプレッドシートと比較して数多く存在します。なので、表計算ソフトを使ったことが無いという方には、Excelの方が使いこなせるようになるのは早いかもしれません。

<デメリット>

有料

Googleスプレッドシートと比較して、Excelを使うことのデメリットを敷いてあげるとすれば、有料な点です。料金体系は、一度買えばずっと使用可能な「永続ライセンス」と、年間で更新が必要な「サブスクリプション」があるので、使用頻度などを基に自身に合った料金体系を選択することは可能です。

共有に手間がかかる

Excelはローカルにて作成/保存をする必要があるソフトなため、人に共有する際には、保存したファイルをメールなどで送信する必要があります。複数人が同時に同じファイルを編集することができないため、確認/修正/共有などが必要な場合には時間と手間を要します。

 

Googleスプレッドシート

一方、Googleスプレッドシートは、Google社が提供しているWeb上で使用可能な表計算ソフトです。

それでは、メリット・デメリットを見ていきましょう

<メリット>

無料で使える

Webアプリケーションの一種のため、Googleアカウントさえ取得すれば、誰でも無料で使用化のです。※Googleアカウントも無料で取得可能

 共有が簡単

Googleスプレッドシートのリンクを共有するだけで、誰でもアクセスすることができます。また、設定によっては複数人が同時に同じシートを編集することも可能なため、作成確認作業を簡単に行うことができます。※共有相手がGoogleアカウントを持っていなくても、共有することは可能です。

保存性が高い

Googleスプレッドシートは、データを自動で保存してくれるので、都度上書き保存をする必要がありません。そのため、「保存し忘れてファイルを閉じてしまい、データが紛失した」などのトラブルが発生することはまずありません。

<デメリット>

機能が限定的

Excelは表やグラフの作成から様々な装飾を施す機能などもありますが、Googleスプレッドシートは無料のソフトということもあり、表計算以外の機能はExcelと比較してあまり得意としていません。

処理スピードが遅い

GoogleスプレッドシートはWebアプリケーションのため、Googleのサーバー上でプログラムが稼働しています。そのため、関数計算や膨大なデータの処理には時間を要することがあります。※ブラウザがフリーズしてしまうことも稀にあるため、パソコンに負荷のかかる作業を行う際にはExcelの方が適しています。

このように、ExcelGoogleスプレッドシートではそれぞれ活用用途やメリット・デメリットに違いがあるので、ご自身の状況に合わせて使い分けることをおすすめします。

 

Excelの便利機能

Excelの基本的な活用用途や類似ツールとの違いについてはご理解いただけたでしょうか。それでは最後にExcelをより有意義に活用するための便利な機能をご紹介できればと思います。

Excelには便利な機能が数多く存在しますが、その中でも、ショートカットキーと関数については、Excelを今後活用していく上で、身に着けておいて損はない知識/スキルだと言えます。

なので、ここではよく使われるショートカットキーと関数をいくつかご紹介できればと思います。

 

ショートカットキー

ショートカットキーを覚えて活用することで、業務の効率を上げることができるため、是非活用していただきたい機能です。

ただし、全ショートカットキーは覚えられないと思われる方もいるかと思いますので、中でも簡単かつよく使われている「移動・選択のショートカット」、「行と列に関するショートカット」、「貼り付けに関するショートカット」の3つをご紹介します。

 

 

よく使われる関数

Excelの活用用途の項で関数について少し触れましたが、関数の種類は何百種類とあり、全てを完璧に覚えている人は世界でも一握りしかいないと思います。

もちろん全てを使いこなすことができるに越したことはありませんが、実際の業務では、あまりに複雑な関数は逆に使い勝手が悪いこともあります。

なので、ここではExcel初心者の方でも簡単に活用できる中で、よく使用されている関数を3つご紹介します。

SUM関数>

選択したセルの合計値を算出する

関数は以下

=SUM(セルの範囲)

 

AVERAGE関数>

選択したセルの平均値を算出する

関数は以下

=AVERAGE(セルの範囲)

 

IF関数>

計算結果などの条件で表示内容を変更したいときに使用する

関数は以下

=IF(条件,”真の場合”,”偽の場合”)

[条件]が、真であれば[真の場合]の値を表示し、[]であれば[偽の場合]の値を表示する

 

おわりに

今回紹介したようにExcelには様々な活用用途があります。また、ショートカットキーや関数を活用することで、より多くの業務を簡単にできるようになり、皆様の日々の業務を効率化してくれる非常に便利なツールです。

今までExcelを使ってこなかった方も、今後ビジネスで計算や表・グラフの作成を行う必要がある場合には、是非Excelを使用してみてはいかがでしょうか。

本稿の情報から皆様に得るものがあれば幸いです。

 

当社はITコンサルタントとして、RPAを始めとしたITツールの導入を、対象業務の選定/業務設計からシステム導入までトータルサポートしております。

詳しくはこちらをご覧ください。

 

【参考】

Imakoko情報システム「Excelの歴史(前編)

JOBNET「WordとExcelの違いとは?使い分けから変換方法まで解説

Dr. Home Net「Googleスプレッドシートとは?使い方とExcelとの違いについて

できるネット「Excel関数 機能別一覧(全486関数)

JOBNET「Excelのショートカットを徹底紹介!定番のものから覚え方まで

SUPPORT 997「【EXCEL関数】必須のよく使うエクセル関数13選!使い方まとめ

笠川和哉

アーツアンドクラフツConsulting & Solution事業部/アナリスト