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プロジェクト進捗管理はなぜ必要?進捗管理ツールの紹介

はじめに

プロジェクトの種類に関係なく、「進捗管理」という言葉はよく耳にすると思います。「進捗管理」文字通りの意味もとても分かりやすく、すなわちプロジェクトは予定通り進めるように、進捗を管理してあげることで、プロジェクト遂行するために不可欠なものだということも言うまでもないでしょう。では、そもそもなぜ「進捗管理」をしなければならないのでしょうか?どうすれば効率よく「進捗管理」ができるのでしょうか?今回はコンサルティング視点からこの2つのことに対して解説していきたいと思います。

プロジェクト進捗管理の重要性

基本的に、プロジェクトは複数のステークホルダーやメンバーがいて、タスク分担もかならず発生します。そもそもすべてのタスクが思う通りに進めば、管理の必要性もそこまで高くはないが、実際ほとんどの場合、何かしらの状況が発生します。それらのイレギュラーがなるべく発生しないよう、あるいは発生した場合早期に発見して対策することこそ進捗管理の意味になります。具体的に言うと下記のポイントがございます。

タスク漏れ

プロジェクトを遂行するには、大きいな目標を細分化したタスクにした上で分担で行わなければならないのが基本です。しかしプロジェクトの規模が大きければ大きいほど、それと伴い、タスクの数も膨大になります。そこで、きちんと管理しないと、1つでもタスクの漏れが発生してしまったら、最悪プロジェクト全体に影響が出てしまうことに陥てしまいます。

進捗管理する際に、基本すべてのタスクを洗い出した上で進行していくため、タスク漏れが基本防げるでしょう。

タスク遅れ防止

プロジェクトを進行する際に、各タスクに「いつからいつまで」というスケジュールを設定しなければなりません。タスクがすべて網羅的になっていても、スケジュール通り進んでいなければ、当然なことにプロジェクト全体の進捗に支障が出るでしょう。進捗管理のは「いつまで、何をしなければならない」ことを明確にする以外、各タスクの進み具合を把握することできるのです。よって、どのタスクが遅れそうかもすぐ把握できると同時に、対策することもできます。

問題の早期発見

プロジェクトを進めている中、問題は絶対発生しないというのはあり得ないことです。計画通りプロジェクトを進めていても、予想と違う結果が出る場合もあります。これを対応しないと、プロジェクトがうまく進むはずもないでしょう。これらの問題は人間の「病」と同じく、早く発見するほど対策しやすいのです。進捗管理をしっかりとしていれば、各タスクの進み具体から、問題になりそうなポイントも気付くでしょう。この場合、早く方針転換などもろもろ対策も立てられ、プロジェクト全体の進捗に大きく影響せずに済むことになります。

プロジェクト全体の効率向上

同じプロジェクトにいるメンバーには、それぞれ得意分野があるのも普通でしょう。それによって、タスク遂行するスピードや質がことなります。進捗管理によって、各担当者がどのようなタスク遂行が得意かがある程度わかるので、それによって、より効率の良いタスク配分が可能になります。また、予定より前倒しでタスク完了する場合もあるかもしれないので、その場合こちらのリソースを他タスクにあてることによって、効率よくリソース配分も可能になるでしょう。

進捗管理のポイント

ここまで進捗管理に重要性を説明したが、「進捗管理をしっかり」という言葉が何回も出ました。では、どのような進捗管理がよい進捗管理といえるのでしょうか?これは簡単に説明できるものではないが、ご参考に、いくつか絶対抑えたほうがよいポイントはあります。

タスクを明確に

タスクはプロジェクト最終目標の細分化したものであり、そのため、どのようにタスクを管理するかがプロジェクト全体の進捗に大きく影響するでしょう。ただ、タスクをうまく設定しなければ、そもそも管理すること自体が困難になります。タスクを設定する際には基本的に「曖昧」な内容を極力避けて、「具体性」のあるタスクにしなければならないです。例えば、あるワークフローシステム導入プロジェクトでは、既存「経費申請」の業務を電子化する場合、当然既存業務フローを整理しなければなりません。この場合、タスクを「経費申請業務を整理する」と設定したら、方向性は正しいが、進捗度合がわかりにくく、場合によって漏れてしまう可能性もあります。より具体的設定方法の例として、「経費申請業務における4種類の申請フォームを整理し、フロチャート化する」と設定したら、全体のボリュームもある程度分かるし、目指すべきアウトプットもわかるでしょう。

見える化

多規模なプロジェクトでは、タスクも多ければ、参加メンバーも非常に多いです。この場合、全体を把握するには、必ずプロジェクト全体の「見える化」が必要です。きちんとした方法で見える化していないと、全体はどこまで進んでいるのか、あるいはそもそもタスクの漏れがあるかのチェックも難しいでしょう。方法はたくさんありますが、例えば各種プロジェクトによく使われるWBS(Work Breakdown Structure)などもとてもよい見える化の方法としてあげられますが、この後少し紹介します。

バッファーを用意する

プロジェクト全体の遅れがないように、イレギュラーが発生する際に、そのリカバリーするためのバッファーをセットするのは妥当でしょう。ここで少し説明したいのは2種類のバッファーを考えておくべきことです。まずは想定可能な範囲内のバッファーです。つまり、「ここの部分が遅れる可能性がある」あるいは「イレギュラー発生する可能性がある」ところに対して、あらかじめ余裕のあるスケジュール設定などをくんだほうがよいでしょう。問題は、どうしても予期しないイレギュラーが一定確率で発生してしまうというのが現実なので、それを対策するために、例えばプロジェクト全体のスケジュールに可能な範囲で余裕をもって設定することや、各種イレギュラー対応可能な人員を用意するなどの対策があったほうが万全でしょう。

進捗管理ツールの紹介

世の中には進捗管理機能のあるツールは山ほどあります。今回はExcel/Google Sheetsベースの進捗管理、及びプロジェクト管理ツールを少し紹介します。

Excelを使用した進捗管理

進捗管理する際に、WBS(Work Breakdown Structure)、つまり「作業分解構造」がよく使われます。WBSの形は様々ありますが、プロジェクト全体を細分化し、タスクの一覧化したものが一般的です。下記図ように、基本的には1タスクが1行で、該当タスクの「詳細内容」、「担当者」、「スケジュール」、「進捗状況」などの内容が含まれます。そして、表形式で構成できるので、ExcelGoogle Sheets(元スプレッドシート)で作成するのは最も簡単といえるでしょう。そして、ファイルのクラウド共有(Excelファイルクラウドで共有するには、サブすくサービスMicrosoft 365契約する必要)を利用し、複数人の同時編集やリアルタイムの情報共有もできるので、中小規模のプロジェクトであれば対応できるでしょう。

プロジェクト管理ツール

ExcelGoogle Sheetsはあくまで「ファイル」という考え方でWBSを作成しているので、簡単に作成できる分、機能のシンプルです。特に大規模プロジェクトの場合、より高度な機能が求められる場合が多く、この場合「プロジェクト管理ツール」が有効でしょう。プロジェクト管理ツールはもちろんWBSの機能が一通りそろっている以外、ガントチャート自動生成することや、より構造的にタスクを設計すること、進捗グラフの自動生成などな便利機能がございます。そして、とても重要なのは、タスクの「アサイン」及び「権限」設定ができます。関連メンバの多いプロジェクトでは、誰が何を担当するかを明確にしないといけないが、Excelの場合、あくまで自らファイルに確認にいかないといけないのです。プロジェクト管理ツールの場合、基本的にはアサインされたメンバーにメールなどの通知機能があるため、確認もれを減らすことは可能です。また、権限設定などによって、誤編集なども防げます。ツールによって細かい違いがあるが、主流なツールならできるこにそこまでのの違いはないといえるでしょう。例えば下記画像が「Backlog」というプロジェクト管理ツールを例として、上記説明した機能すべてそろっていること以外、クラウドベースでインストール不要や、無料お試し可能などの特徴もあります。

backlog HPより引用

backlog HPより引用

終わりに

進捗管理はプロジェクトマネジメントの重要な構成として、とても複雑ではあります。今回はとても基礎的なところしか説明できなかったのですが、少しでも参考になれれば幸いです。

 

王 立云

アーツアンドクラフツ Consulting & Solution事業部/マネージャー
2016年上智大学大学院経営学部卒業、大手量販店入社。2018年当社入社、Consulting & Solution事業部にて戦略コンサルティング案件、BRP、RPAを始めた業務改善に伴うITコンサルティングなど、豊富な実績を有する。社内効率化のために、最適なソリューションをご提案いたします。