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【コンサル流】議事録作成における考え方

一般的な議事録とコンサルの議事録の違い

コンサルタントになったら、誰もが必ず議事録作成の業務を任されます。特に入社1~2年程度の方に議事録作成を任せることが多いです。私自身コンサル業界に身を置いてから2年程たちますが、その間に何十回も議事録を作成しております。

議事録作成自体は多くの業界で行われている業務の一つですが、コンサル業界で求められる議事録はその他業界で求められる議事録と違います。コンサル業界の議事録は、より構造化を精緻に行わなくてはなりません。そのため作成難易度は高くなりますが、その分読み手に対して要点を簡潔かつわかりやすく伝えることができます。そして今回紹介する構造化のプロセスは、物事を考え整理する上で、コンサル業界以外でも汎用的に活用することが可能です。

それでは、コンサル業界で求められる議事録とは何なのか、どの様に作成するのかを紹介します。

コンサルに求められる議事録とは

前提ですが、コンサル業界で求められる議事録は、会議での発言記録ではありません。一般的な議事録ではいつ、誰が、何を話したかということを記録する傾向にありますが、コンサル業界でそのような議事録を作成することは滅多にありません。

コンサル業界における一般的な議事録とは、会議における以下の要素を簡潔にまとめたものになります。

  • 決定事項
  • 決まらなかった事項
  • 次回Mtgに向けたToDo

つまり、会議中に誰がどのような発言をしたかではなく、会議で何が決まったのか、何が明確になったのかを記載するのが一般的な議事録と違う点になります。そしてこれらを簡潔かつ分かりやすく伝えるためにも、前述した「構造化」というものが求められます。構造化についてや、どのようにして構造化された議事録を作成するのかは次章にて説明いたします。

なお、ビジネスにおいてはこの様な議事録はほとんどの業界で有効に活用できますが、国会等の議事録では、誰が何を発言したかを記録する必要があるため、いつ、誰が話したのかを書き起こさなければならない場合もあります。

議事録の作成方法

それではどの様に議事録を作成するのかを、順を追って説明していきます。

手順①:会議を録音・録画する

会議に参加しているその場で内容を全て記憶、理解することは非常に困難です。そのため、後で発言内容や会議で用いた資料を振り返ることができるように必ず録音・録画したデータを残すようにしましょう。特にオンライン会議の場合は、録画機能が使える場合が多いためそれらを活用するのが効果的です。しかし、機密保持の観点等から録画を残してはいけない場合もあるため、会議の録画をする際は必ず参加者全員に録画をしても良いか確認しましょう。

 

手順②:会議中の発言をメモする

録音・録画しているといえど、会議参加後にそれらを聞き直して議事録を作成していては余計に時間がかかってしまうため、会議中は必ず発言内容をメモしましょう。会議中にどれだけメモを残すことができるかによって、議事録作成の速度が大きく変わります。

ここで大事なのは、発言の内容をできる限り全て網羅することです。ただし、前述している通り会話の内容を記録するものではないため、会議に関係のない会話まで記録する必要はありません。また、発言した言葉を一言一句そのまま記録するのではなく、発言の要点を簡潔にまとめてメモするようにしましょう。

これは私自身の体験ですが、話す速度が早かったりして発言の内容が聞き取れなかった場合は、会議開始から何分後の発言が聞き取れなかったのかをメモに記入しておくと振り返りが楽になります。

 

手順③:メモを基に発言内容を構造化する

会議が終わったら、まずは音源の聞き直しをするのではなく、会議中に残したメモの内容を構造化します。前述の通り、この構造化行うかどうかというのが、一般的な議事録とコンサル業界の議事録の違いと言えるでしょう。

一般的に構造化とは「事象・物事等の全体を定義した上で、構成要素と構成要素間の関係性を整理する」という意味で用いられます。ただ、今回の議事録作成における構造化は。「議論の内容を適切、かつ、意味ある分類・順序に整理する」という意味です。

この構造化が正しく行われると、非常に読みやすい議事録になります。

以下に、構造化をする際の大事なポイントをいくつか紹介いたします。

 ポイント①:アジェンダに合わせて会議内容をまとめる

会議の中で、急に前のアジェンダの内容について話し出したり、アジェンダと関係のない議論を始めたりと、論点が変わることがよくあると思います。特にディスカッションが発生する会議においては、論点が頻繁に変わる傾向にあります。

その様な会議の内容を時系列順に文章化しても非常にわかりづらくなり、コンサル業界に求められる議事録とは全く違うものになってしまいます。そのため、それぞれの発言がM会議におけるアジェンダの何について議論しているものかを分類し、アジェンダごとの発言をまとめる必要があります。

 

ポイント②:ブレットを用いて発言内容を段落分けする

 アジェンダごとに発言内容を分類したら、次はWord等の箇条書き機能を用いて発言内容の段落分けを行います。段落分けを行うことで、会議における決定事項やTODO等を一目でわかるようになります。

段落分けを行う際は、必ず決定事項やTODOが一番左側のブレット(メインブレット)に記載されるようにしましょう。こうすることで、メインブレットさえ読めば会議で決まったことや、今後やるべきことが分かる状態になるため、会議に参加していない人でも会議の内容をすぐに理解できるようになります。そして、決定事項に対する補足説明や反対意見などの議論内容は、インデントさせたブレット(サブブレット)に記載します。

以下に、基本的な構造化の例を紹介します。

(例)

【○○○○○について】

  • ○○の方針でプロジェクトを遂行するため、他部署と定例会を設ける(←決定事項)
    • この方針で進めることでプロジェクトのリードタイムが短縮される(←補足説明)
    • この方針では他部署間の連携が難しく、情報共有ができなくなる恐れがある(←反対意見)
      • 週に2回進捗共有会議を設けることで情報共有を行うことができる(←反対意見に対する補足説明)
    • 週に2回○○部署とプロジェクトの進捗共有会議を設定するよう打診する(←ToDo

 

この様にまとめると、メインブレットを見ただけで決定事項やTODOがすぐにわかるようになります。

 

手順④誤字脱字や文章表現に誤りが無いか等を確認する

構造化まで完了したら、議事録は殆ど完成です。なので、後は文章表現の修正等の仕上げの行程になります。ただ、会議中にとったメモは文章が稚拙になってしまうことが多いため、文章をもう一度読み直して誤りがある個所を修正しましょう。特に、急いで書いた文章では「てにをは」や句読点の抜け漏れが多く発生します。筆者は議事録に関わらず自分が作成した文章は全て音読して確認するよう習慣づけをしています。

 

最後に

議事録作成において特に大事なポイントを以下にまとめます。

  • 会議内容はメモ及び録音・録画で記録する
  • アジェンダごと、決定事項やToDo等が一目でわかるように構造化する
    • 発言内容を時系列順に書き起こしてはならない
    • 決定事項やToDoはメインブレットに、その他補足説明はサブブレットに記載する
  • 誤字脱字等の修正を丁寧に行う
    • 音読すると誤りがある個所を発見しやすい

 

構造化した議事録を書けるようになると、ToDoの明確化や会議参加者全員のコンセンサスを得るのに役立てることができます。また、構造化は論理思考を行う上での基礎であるため、構造化した議事録を作成することは論理思考の訓練になります。

コンサル業界を目指す方や論理思考を身につけたい方は、今回紹介した議事録作成の考え方や手法を実践してみることをお勧めします。

大須賀功

アーツアンドクラフツConsulting & Solution事業部/アナリスト。


5F, 1-3-18 Hiroo, Shibuya-ku, Tokyo
150-0012 Japan

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