AC社長ブログ「ともに、つくる」vol.34

組織づくり

コロナ禍を物ともせず、コンサルティング業界は活況を呈しています。当社C&S事業部も、昨年よりプロジェクトの引き合いに対しメンバーが足りない状態が続き、この4月、5月には多くの新卒と中途社員を迎え入れました。

数年前は少数精鋭でクライアントの課題解決だけに意識を集中していれば良かった集団も、メンバーが増えるに伴い、組織マネジメントへ真剣に向き合わなければいけなくなります。目下、役員、マネージャーと「いかに良い組織をつくるか?」について侃侃諤諤やっていますが、今日はその一端を紹介したいと思います。

 

パラダイムシフト

個人から組織へ。実はこのマインドシフトに一番時間がかかった気がします。人を採用し、人を育て、人が活躍する、「組織をつくる」ということを本気で理解するまでに結果として数年を費やしました。その間は、試行錯誤の中で数々の失敗を重ねました。

ようやく組織の核となる現マネージャー層のマインドがシフトしたのが約一年半前。ただ一旦彼らが腹落ちしてからは、さすがコンサルタントだけあって、課題を設定し粛々と施策が打たれ、目に見えて組織として変わってきていると思います。

そんな私たちが組織づくりにおいて、方針としていることを幾つか紹介します。

 

1)採用に際しては経歴を問わず、広く門戸を開くこと。

最近は人材獲得競争の激化に伴い、大手ファームも未経験者の採用を進めているようですが、「他分野で実績を残した」という括弧は付きます。やはり、転職を重ねながらキャリアを上げていくのが当たり前の業界において、多くの会社は投資を避け、即戦力の経験者を望みがちです。

そんな中、私たちは当初よりポテンシャル採用を方針としています。

元を辿れば、はじめて採ったインターンを育てたところ上手くいったという成功体験に寄るところが大きいのですが、何より未経験者からコンサルタントを量産できれば会社として大きな差別化(=競争優位性)になります。

 

2)人材育成をクライアントへの価値提供と並ぶ第一義とし、そのシステムの充実、改善に努めること。

ポテンシャル採用を行うということは、人を育てなければいけないということです。当たり前のこの事実に真剣に向き合うことが出来た時に、私たちは組織づくりへ第一歩を踏み出したのかなと思います。

それまでは、クライアントへ価値を提供出来たかという結果(=パフォーマンス)だけを追求してました。クライアントの満足度は高いが、特に新人メンバーにとっては成長を実感するよりも先に過酷な環境に惑ってしまうことが多く起こっていました。

今は、その結果に至る過程を研究し、必要なスキルを分解し、その修得を研修や1on1といった形でサポートし、パフォーマンスと併せてスキルで評価するという方針へ転換しています。振り返ると、これが最も大きなパラダイムシフトだったと思います。

 

3)プロフジェクト対象業界やソリューション領域を絞らず、当人に合った多様な成長プログラムを構築すること。

専門がないというのは、組織としてはある意味では弱さなのかもしれません。大手は専門にしっかり分かれていますし、中小であれば得意分野へ集中していくことは典型的な勝ちパターンです。

ただ、私たちは専門に特化しないということを逆にポジティブに捉え、特に人材育成においての強みにしたいと考えています。様々な業界や領域のプロジェクトに携わるからといって、それぞれの知見が薄いと仕事として成立しません。一つ一つに全身全霊で取り組むことで、見識だけでなく仕事への向き合い方も併せて成長していく。そんな人材育成を目指しています。

 

4)コンサルタントに留まらず、新たなプロジェクトの開拓や事業の責任者など実践的なキャリアを設けること。

最後に、中期的に力を入れていきたいのが、多様なキャリアの開発です。育った人材が、この会社で活躍したいと思えるようなキャリアを作ること。これが私たちの組織づくりの画竜点睛であると考えています。

組織化に伴うマネージメントキャリア、自社のブランド事業の拡大に伴う事業キャリアなど、コンサルティングという仕事を通じて得た高いビジネススキルを活かす場が、今後社内にどんどん生まれることでしょう。

 

以上、現在推進している取り組み、今後の展望を簡単に紹介してきました。この8月には、これら方針と取り組みをまとめたものをメンバーへ発表する会を設ける予定です。

これから益々盛り上がっていくコンサル業界において、独自性ある「良い組織」を目指して、役員、マネージャー、メンバー全員一丸となって歩んでいきましょう。

 

宮﨑

「ともに、つくる」は主にインナーコミュニケーションを目的とした社長ブログです。

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宮﨑晋之介

アーツアンドクラフツ代表取締役社長。考えるよりも動く現場主義。創業以来一貫して事業の最前線に立ち様々なパートナーと価値をつくりあげる。