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AC社長ブログ「ともに、つくる」vol.28

つくるの力で、世界をより豊かに。

−−豊かさとは

豊かさって案外難しい。その昔、昭和の名経営者松下幸之助は水道哲学を唱えた。曰く、水道の水のように、誰でも良質なものを低価格で手に入れられる世界を実現したいと。例えば洗濯に大変な手間と時間がかかる主婦にとって、洗濯機を手に入れることでフリーな時間と選択肢が手に入ることは間違いなく豊かだと思います。

だがスマホはどうだろう。確かにスマホは便利でエキサイティングだけど、実は私は最近スマホから多くのアプリを削除し、フリーな時間と選択肢を得るためにスクリーンタイムで一日のスマホ時間が増えないよう気をつけています。令和の時代を生きる私たちにとって、皆に共通の疑いようのない豊かさって何だろうと考えさせられます。

 

そんな中、私は多様性が豊かさをはかる指標の一つになると思っています。より多様性に富むことが、より豊かであると言えると。

会社というものを例に考えてみよう。新たな価値を生み出す会社は多様性を促進するので豊かであると言える。一方で古い価値を守る会社も多様性を維持するので同じく豊かであると言える。また、組織としてより大きくなることは多様な思いや人を包含するという意味において豊かになっていると言えるが、逆に小さくとも独自の価値を生むならば多様な社会を構成する一部として豊かな存在とも言える。なんだか、ややこしい。

世界を見まわしても、会社を評価する指標はこれまでの雇用創出、利益還元に加えてSDGsやESGなど多様化しています。だけど、多様性と従来の資本主義の相性は実はあまり良くないのではなかろうか。私たちが会社を経営する際に昔から伝わる勝利のセオリーは独占(もしくはそれに近い状態)を生み出すことによる利潤の最大化だと言われてます。ややもすると純粋な正義のように聞こえるイノベーションも社会課題の解決も、それを実現(独占状態)することで利潤が最大化されるというインセンティブとセットであるのが一つの現実です。

その上で、私たちは「より豊かに」というビジョンを掲げています。敢えてセオリーに背を向けることを恐れずに言うと、私たちは独占よりも共生を目指している。そして、それは生存領域(ニッチ)を重層的に包含する豊かな生態系の本来の姿だと、私たちは信じています。

 

 

−−つくるの力とは

私たちが考える「つくるの力」とは、価値をつくる力です。

例えば、それは女性職人の真っ直ぐな思い(=価値の源)を様々なビジネス技術によって事業化(=価値化)することであったり、九州の農家さんとお母さんのひたむきな願いを事業化すること。またクライアント企業が持つ価値をビジネス技術によって増幅していくことも同様に「つくるの力」と考えています。そこに必要なビジネス技術は、マネジメント、マーケテイング、ものづくり、販売、テクノロジー、組織づくりと多様です。私たちはブランド事業とコンサルティング&ソリューション事業という両輪で、この「つくるの力」を高めてきました。

「つくるの力」は、自ら事業を営み、他社の課題解決も行う当社ならではの強みです。恐らく自ら事業を営むだけだったら、その過程で得た様々なビジネス技術を客観的に体系化することは難しかったでしょう。また他社の課題解決を行うだけだったら、組織として実践的なビジネス技術を総合的に体験する機会は持ち得なかったでしょう。まさに二つの事業の間で知と行が行きつ戻りつ練り上げられた結果です。

 

そして、この力こそ多様な価値の共生を目指す私たちの武器だと思っています。自社でブランドという価値をつくり伸ばすことだったり、パートナーと共同で新たな価値(事業やサービス)を創出することだったり、クライアントのビジネス価値を高めることだったり、この世界の様々な価値や価値の源を、私たちの「つくる力」で高め、活かしたい。「つくるの力で、世界をより豊かに。」というビジョンには、そんな思いが込められています。

 

 

−−多様性のある組織

最後に個人的なことになりますが、私が多様性を希求する源流のような話です。起業する際、私はこれまでの自分の人生で影響を受けたり、その能力に憧れたりした尊敬する友人達に声をかけました。だからこそ、創業以来の私のテーマは「如何にして彼らが存分に能力を発揮できる環境をつくるか」でした。でも、私自身はサラリーマン時代どちらかと言うと前に出たがりの性格だったので、この新しいテーマは難しく自分をどれだけ曲げられるかと格闘してました(今でもかも)。また最初の数年は業績も伸びず、リスクに耐え切れずに自分だけが損をしていると恨み心を抱いていた時期も正直あります。

ただ少しずつですが、時を経る毎に、着実に信じられるようになりました。多様な人材が集まる組織だからこそ、一人では決して得られない経験、一人では決して思い描けない未来、そして一人では決して知ることのなかった豊かさを手にすることが出来ることを。設立当初の私のテーマは今でもこの会社のメンバーみんなに対する気持ちとして変わることはありません。

会社は人々が伸び々々と育つ為の土のようなものだと思います。土の上に花が咲き虫が集まり動物が寄ることで多様性に富む豊かな世界が生まれ、そして生き物たちの残滓を糧に土もまた豊かに肥える。循環を通じて人と組織が共に成長していく。そんな会社を目指して進んでいきましょう。

 

宮﨑

「ともに、つくる」は主にインナーコミュニケーションを目的とした社長ブログです。

宮﨑晋之介

アーツアンドクラフツ代表取締役社長。考えるよりも動く現場主義。創業以来一貫して事業の最前線に立ち様々なパートナーと価値をつくりあげる。

5F, 1-3-18 Hiroo, Shibuya-ku, Tokyo
150-0012 Japan

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