皆さんは自宅やオフィスで日常的に発生するごみ箱に捨て、所定の収集場に廃棄するというところまでは日ごろから行われているかと思います。ただごみ箱といっても自宅やオフィスだけでなく、デパートや公園、駅などの公共施設や歩道などに設置されているものもあります。捨てられるごみの収集や処理について、どのような業務があるかを皆さんは考えたことがあるでしょうか。
ごみ処理(一般廃棄物)にあたっては、以下のような業務が存在します。
ごみの処理は主に自治体や施設の責任者が管理しており、それぞれ様々な課題が存在します。ここでは課題の一部を取り上げてみましょう。
上記の課題に関しては様々な取り組みがなされていますが、近年ではIoTを駆使して課題を解決しようとする動きがみられます。ここでは自治体や公共施設などにおいて、IoTを利用したごみ箱の事例について紹介します。
表参道に設置されている「スマゴ」(左:全面 右:背面)
「スマゴ」に設置されているソーラーパネル
「スマゴ」(ペダルを踏んでフタが開く様子)
PoyPortイメージ図
https://www.toppan.co.jp/news/2020/02/newsrelease200205.html
Smart LEVELを設置したごみ箱とごみ箱に設置した機器
https://built.itmedia.co.jp/bt/articles/2101/06/news008.html
ごみ箱蓄積状況を表示する画面
https://iot.kddi.com/cases/okinawa_trash/
ハウステンボスの「スマートゴミ箱(仮称)」
https://iotnews.jp/archives/78442
公共空間におけるごみ収集に関する業務は、ごみを集めて処理するだけでなく、特に設置・管理に関して様々な工夫が必要であることがわかります。
また、IoTを利用したごみ箱ではネットワークを利用して蓄積状況をデータとして管理するだけでなく、最近では広告としても活用するといった事例もあります。ごみ箱の設置や管理によるコストを軽減するためにも、今後は広告などを設置したごみ箱を活用することが期待されます。
ただしどれだけテクノロジーが発達したとしても、ビジネス・観光・移動中などでごみが出た場合は持ち帰ることが一番であると思われます。
外出先でごみ箱を利用する際には、ごみ箱を設置するにあたって裏で様々な人が関わっているということを忘れないよう感謝して利用するようにしましょう。
【参考】
環境産業市場規模検討会(2020)平成30年度環境産業の市場規模推計等委託業務 環境産業の市場規模・雇用規模等に関する報告書
キャリアピックス(2020)「ゴミ収集の仕事はきつい?転職するなら知っておきたい給料や仕事内容」
シブヤ経済新聞(2020)「表参道にIoTゴミ箱「スマゴ」国内初正式運用 ゴミ問題の一助に、自動圧縮機能も」
凸版印刷HP(2020)「凸版印刷、インタラクティブごみ箱でマナー向上 ごみの投入に反応して付属のサイネージにクーポン発行やイベント情報などを表示し企業のブランド訴求とマナー向上を促すごみ箱「PoyPort™」を開発」
KDDI「設置する人も、街を歩く人も、観光地の人々が笑顔になる。ごみの量が通知される”あふれない”ごみ箱」
IOTNEWS(2017)「ゴミの量をIoTで見える化、GMOクラウド・ハウステンボス・ハピロボの3社、「スマートゴミ箱」の実証実験を開始」
アーツアンドクラフツConsulting & Solution事業部/アナリスト。得意分野は決済事業、IoT、エネルギーなどの事業戦略の提案や、それに伴う調査