AC社長ブログ「ともに、つくる」vol.21

ith新宿アトリエオープン

明日いよいよ新宿アトリエがオープンします。ithにとって栄以来、実に二年半ぶりの新アトリエとなります。この間、ithはとても充実しました。まさに成長より充実を目指したこの二年半を少し振り返りたいと思います。

 

私たちは、三つのことに取り組みました。一つ目は、つくり手が学び、考える環境づくりです。二年前からつくり手全員で何度も対話を重ね練り上げてきたithの顧客体験の研修は、単なる接客の技術に留まらず自分達がつくるブランドとは何かを考える場となっています。

ブランドの本質は価値です。そして価値は見えることも触ることも出来ず、人の思いの中にしか存在しません。だからこそ、私たちがithの価値について考え、信じることが大切です。ithの価値を私たちが信じ、お客様が信じ、更に多くの人が信じることこそ、ブランドを強く、大きくする唯一の道です。この二年半のつくり手の誠実な取り組みが、ithの価値を大きく高めたと思います。

 

二つ目は、ものづくり力の向上です。まだithが小さかった頃、私たちは自分達の工房の限られた職人で指輪をつくっていました。それが今では、工房だけでなく生産管理、協力工場と大勢のプロフェッショナルが力を合わせて多くのお客様のオーダーメイドリングに応えています。

ithの指輪は業界でも特別な全て一点物のオーダーメイド受注生産でつくられます。一点物なのに多くの受注をお受けするという矛盾を超える為にこの二年半果てしない労力を費やしました。未だ途上ですが、生産管理の弛まぬ努力、職人の妥協なき技術向上の結果、ようやく次の出店に漕ぎ着けられるまで生産力が増しました。

 

三つ目は、IT技術の活用です。巷ではDX(デジタルトランスフォーメーション)が流行りですが、この二年半でithはジュエリー業界において最もデジタル化されたブランドとなりました。ただ、それは人の温もりの中に隠れるようにしてあるテクノロジーです。

例えばマーケティングレベルでは、ゼクシィ等紙媒体の力が絶大な業界において100%オンライン化を実現しましたが、この裏にあるのもデータでPDCAをまわすテクノロジーです。ものづくりの現場では、既に自社開発の基幹システムがなければ今の一点物生産は成り立ちませんし、この夏にはマイページシステムを導入することにより、ご来店前からアフターケアまで常にお客様とつくり手がつながることが出来るようになりました。

 

この二年半の各部門の誠実な取り組みの結果、私たちは満を待して新たなアトリエをオープンします。これからも「たくさんよりも、ひとつをたいせつに」みんなで一つずつ価値を積み重ねていきましょう。

最後に、この二年半の取り組みが良く分かる動画をつくりました。今の私たちがどこに居て何を大切にしているのか、改めて感じてください。

宮﨑

「ともに、つくる」は主にインナーコミュニケーションを目的とした社長ブログです。

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宮﨑晋之介

アーツアンドクラフツ代表取締役社長。考えるよりも動く現場主義。創業以来一貫して事業の最前線に立ち様々なパートナーと価値をつくりあげる。