7〜9月の第一四半期は計画対比109%の売上3.3億円となり、コロナで大きな危機に瀕した昨年度末から見事なV字回復を果たしました。 これもひとえに社員みんなの頑張りのお陰です。本当におつかれさまでした。
コロナはまだまだ油断できませんが、こんな今だからこそ会社として視座を上げて未来を見据える必要があります。そこで、本日は今期を初年度とする三ケ年の中期経営計画について説明します。
本計画は、コロナ以前から役員レベルで検討されていましたが、この半年間の激動により良い意味での変化が加わり最終的に完成しました。 その変化とは自らへの考察の深化です。ニュートンはペストにより大学が休校となった期間に万有引力の法則を発見したと言います。私たちもコロナにより与えられた時間に多くを考えることで、自らの強みがより顕在化しました。
計画では敢えて売上や利益の目標は掲げていません。それよりも、これまで培ってきた私たちの強みを今後どう伸ばしていくかの行動に焦点を当てています。
強みの一つ目は、AC独自の理論に基づくブランドをつくる力です。 これは私もここで度々書いてきましたが、改めて吉田役員のブランド&テックについての連載(以下、リンク)を読み、みんなも理解を深めて下さい。
https://www.arts-crafts.co.jp/tag/brand/
二つ目は多様なプロフェッショナル人材の存在です。 当社はつくり手や職人等のジュエリープロフェッショナル、コンサルタントやエンジニア等のビジネスプロフェッショナルと通常あまり同居することのない多くの人材の集団です。
ブランドをつくる力とプロフェッショナル多様性をより広げていくことが今後の成長につながるでしょう。
具体的には5つの行動目標を定めました。
1) ith
ithは今期の出店により首都圏、大阪、名古屋、福岡、オンラインにまたがる12のアトリエとなります。
これからの3アトリエの出店に伴いメンバーには一時的に負荷をかけることとなるでしょう。しかし、以降は再来期まで更なる出店は行わず、12のアトリエを充実させていくことを目標とします。
具体的には、地道に生産力を上げていきながら、それに合わせてアトリエの人員と席を増やしていく。それらをみんなで丁寧に取り組んでいきたいと考えています。
2) コンサルティング&ソリューション事業部
C&Sは複雑化した現代のビジネス課題を解決するビジネスプロフェッショナルを育てています。これまではクライアントの課題を解決するコンサルタントやエンジニアというキャリアを設けてきました。
今後は、他社とパートナーとして事業を共につくるビジネスプロデューサーや、自社の新規事業を推進する事業責任者といった新たなキャリアを開拓しつつメンバーを増やしていきたいと考えています。
既に新たな分野における他社との業務提携や、自社による新たなブランドやマーケットの開発等、まずは役員主導でプロジェクトが進められています。メンバーのレベルアップと挑戦を期待しています。
3) 新たなブランド
当社は日本のものづくりを元気にという思いから創業しました。その答えが、ものづくりのブランド化=ブランドをつくる力です。この力で更に多くのものづくりを元気にしたいと考え、この度家具のD2CブランドWELLを立ち上げました。
家具は、超高額な外資と国内コモディティの二極化や、手工業的なものづくりの体制、ワントゥーワンのニーズ等、私たちの実績との親和性が高く、またジュエリー業界同様に多くの国内工場が苦境に立たされています。
WELLは歴史ある九州は大川の工場とのコラボレーションによりカスタムメイド家具サービスを構築しました。暫くは模索が続きますが、今後三年間でしっかりと事業化を目指していきます。
4) 新たなマーケット
日本のものづくりを元気にする為に海外は避けては通れない道です。
例えばブライダルジュエリー購入層を見ても、私の生まれた頃に比べ出生率は約60%減り、未婚率は約5倍に増えています。国内のマーケットは年々縮小し続けます。私たちが十年後、二十年後も変わらぬ成長、もしくは少なくとも現状を維持したいならば、海外進出は必然となります。
海外マーケットは市場ニーズや商習慣等多くが違います。だからこそ早く出て沢山揉まれる経験を積むべきだと考えています。コロナの状況を見つつ、今後三年間でアジア市場へ橋頭堡を築くことを目指します。
5) 人事の強化
当社は人事の多くの機能を各事業部が受け持ち機動的に動き、機能追加することで、この五年間の社員数の急拡大に応えてきました。
しかし今期末には社員数150名を超える中、そろそろ然るべき人事部を開設し人事諸機能の強化を図るべきと考えています。
今期中には経験豊かな人事プロフェッショナルを迎え人事部を開設。今後三年間で社内の環境の整備、向上を目指していきます。
以上、2020年度から2022年度までの中期経営計画の概略です。各自が日頃の業務に励みながら同時に会社の大局的な動きを視野に入れることで、みんなで一緒に成長の実感を得ながら進んでいきたいと願っています。その為にも引き続き、私からもこの場を通じて適宜情報の共有を心がけます。
この三年間で、私たちが大きく飛躍することを目指して、みんなで頑張っていきましょう。
宮﨑
「ともに、つくる」は主にインナーコミュニケーションを目的とした社長ブログです。
アーツアンドクラフツ代表取締役社長。考えるよりも動く現場主義。創業以来一貫して事業の最前線に立ち様々なパートナーと価値をつくりあげる。