当社の新たなコーポレートアイデンティティである「ともに、つくる」は、これからの私たちが進むべき道です。本年度は、この10年間で私たちがつくり上げたithというブランドとソリューションチームを相乗的に伸ばす第一歩となることでしょう。
ブランドは、ものづくり、顧客体験の場としてのタッチポイント、マーケティングなど様々な要素を含む総合事業です。ブランドで実践したことをソリューションとして社会(クライアントやパートナー)へ提供する。また、その過程で得た知見をブランドへフィードバックすることで会社を更に成長させる。「ともに、つくる」ことで、そういった価値の連鎖を目指していきたいと考えています。
その中でまずは、ブランド事業部の本年度の課題をみていきましょう。
アトリエの課題は、withコロナの顧客体験づくりです。私たちが大切にしてきたお客様に寄り添う接客をコロナ禍においても実現する為には、密にならない場づくりが必要です。
その為に既に増床した銀座に加え、栄の増床、新宿、梅田、福岡の出店を決めました。
前回の繁忙期は全アトリエ合計で40席程度が稼働していました。これは今で言えば大変な密状態であり、現在はコロナ対策として27席程度まで稼働を下げてアトリエを運営しています。増床や出店により総席数を倍の90席くらいまで向上することで、次の繁忙期は半分の40席稼働してもアトリエの空間的余裕を保ち、密状態を避け、安心してお客様との時間を過ごすことができるようになります。
次に生産の課題です。ithは業界でも他に類のない全顧客オーダーメイド一点もの生産を行っています。これはD2C(Direct to Consumer)という新たな分野をジュエリー業界に切り開く意欲的且つ大変困難な道です。
生産グループは本年度の出店に伴う受注増にあわせた生産体制を構築しなければいけません。この規模でオールワンオフの体制をつくることの大変さは想像を絶します。
また工房グループはブランドの技術の向上と伝承を使命とし自工房だけでなく協力工場の技術と生産性を高めることにもコミットしていかなければいけません。
この一年間で最もホットな現場は、間違いなく生産だと思います。
オンライン統括は、この一年で大きなパラダイムシフトを経験することでしょう。
一つはOMO(Online Merges with Offline)の取り組み。このコロナ期間を通じて力を注いでいるオンラインインフラの開発の目的は単なるECではなく、オンオフシームレスな顧客体験の創造です。それはブランドの大きなアップデートとなる変化だと思います。
もう一つは出店エリアの変化です。本年度出店するのはどこも一等立地の路面で、これまでの路地裏や空中階とは異なります。広告戦略もそれに合わせて新たなステージへ組み替えていく必要があります。
これらの変化に柔軟に対応し、当社の強みであるマーケティングを更に進化できるか勝負の一年です。
ブランド推進にとって課題は、ブランドを守ることです。
オンライン化の促進、出店により増える社員、ブランドとして規模が大きくなり、領域が広がる中、私たちが大切にする「たくさんよりも、ひとつをたいせつに」の精神を全てのメンバーに行き渡らせること。ブランドの価値を損なうことのないよう隅々まで意識を行き届かせること。変化の多い一年だからこそ、絶対に変えてはならない根本価値に常に立ち戻り、考え、行動することが求められます。
ithは既にコロナ第一波を超えV字回復基調に入っていますが、これから暫く続くwithコロナ期間に各部署が課題と向き合うことで、アフターコロナの大きな飛躍が約束されています。皆で頑張っていきましょう。
コンサルティング&ソリューション事業部における上半期は引き続きコロナ禍による厳しい状態が続きそうです。
ただ課題は明確です。前回のブログでも書きましたが、人材を育成すること、そして独自の武器を得ること。本年度は、この二つに取り組んでいく必要があります。
その中でも武器作りについて少し触れたいと思います。
今年からチーム制となりました。チーム毎にWEBマーケ、DX、機械学習系、DDや事業計画策定系、ITコンサル、システム導入・開発PM系など幅の広い強みを持つのは当社C&Sの特徴です。
各チームが強みを更に追求し、それを戦略企画室がインバウンドメディアやソリューション開発につなげる。そうして当社独自の武器をつくり上げていくことは、コロナで案件が減っている今だからこそ腰を据えて取り組むべき課題です。
コンサル業界は長らく活況が続いていました。当社も事業部発足以来、仕事は常にあるという状態が当たり前になっていました。
C&Sメンバーには理解してもらいたいのですが、長いビジネス人生の中で厳しい時期は必ず訪れます。そういう時に仕込んだ次への一手が後々大きな飛躍へとつながることを私は何度も経験してきました。
この一年、ともに一歩ずつ腹決めて進んでいきましょう。
宮﨑
「ともに、つくる」は主にインナーコミュニケーションを目的とした社長ブログです。
アーツアンドクラフツ代表取締役社長。考えるよりも動く現場主義。創業以来一貫して事業の最前線に立ち様々なパートナーと価値をつくりあげる。