AC社長ブログ「ともに、つくる」vol.113

1年の振り返り 〜C&S事業部

今年も残りわずかとなってきましたね。

私の師走の楽しみの一つであった全社での忘年会ですが、これまでithの繁忙時期との兼ね合いでアトリエのみんなに無理をかけていたこともあり、今年から潔く取りやめ、全社での集まりは6月末の創立記念の一回にすることとしました。

毎年、この忘年会のタイミングで、各現場からその一年間の動きをみんなに共有していました。今年はそれができないので、代わりに二回に分けて各事業部の一年間を私なりに振り返ってみたいと思います。初回はC&S事業部です。

 

C&S事業部のこの一年間は、組織成長の踊り場と言えるのではないでしょうか。踊り場というとネガティブに捉えられる向きもありますが、私はとてもポジティブに現状を見ています。

組織も人もそうなんですが、成長するってのは一直線に登っていく訳ではありません。どちらかと言えば、階段のイメージ。しばらくもがきながら、ある時に突然ジャンプする。そういう意味で、本当の意味での地力が蓄えられている期間というのは屈み込んでいる状態の、この踊り場の状態と言えます。

 

では、もう少し紐解いていきましょう。

改めてですがC&S事業部のミッションは、ビジネススキルの門戸開放です。

コンサルはある意味とてもクローズドな業界です。そこは、戦略やITなど現代ビジネスにおいて需要の高いスキル(=人)を使って、仕事の単価を高く維持している世界です。だからこそ希少性が価値の重要な構成要素であり、求職者に対しても、新規参入を目論む企業に対しても、業界は門をくぐるハードルを非常に高く設定しています。

当社は、意識と素養があるなら出自を問わず、誰もがこの業界に入り、そのスキルを身につけることのできるゲートウェイを目指しています。未経験者の採用にこだわり、コンサルサービスを専門特化せずサブコンという立ち位置で高いレベルのコンサル案件に広く携わることで、そんな場を作り上げています。

 

次に、じゃあ、その需要の高いスキルってのは何なんだ?という質問を考えてみましょう。

この業界はとても忙しいが故に、プロジェクトの中で得た細かなスキルが積み重なった結果を、つい見失ってしまいがちになります。けれども、一つひとつのスキルは大きな力の構成要素に過ぎません。私は、その大きな力を二つに分類しています。

 

ひとつ目は、ものごとを正確に理解し、その課題と解決について考えられる力。これを我々はコンサルスキルの集積により得られる力=コンサル力だと考えています。

 

二つ目は、集団(例えばチームやプロジェクト)を動かす力。これを我々はマネジメント力と呼んでいます。

 

ビジネスの世界では、この二つの力はとても重要で、企業経営も基本的にこの二つの力により成り立っています。ひとつ目の力でビジョンをつくり、二つ目の力でそれを推進していくことで、企業は成長すると考えればイメージ湧くかな。そしてコンサル業界というのは、そういう力を磨く場として最も適していると考えられているからこそ、人気業種なんでしょう。

 

で、育成の観点で言えば、まずひとつ目の力を高めることでコンサルタントとなり、そこに二つ目の力を加えることでマネージャーとなります。そのマネージャーがいま足りないのが、当社の目下最大の課題です。

これは、C&S事業部の歴史の浅さからある意味致し方ないと思います。この短い期間で、ひとつ目の力=コンサルタントを育てることには一定の成果を出していますが、二つ目の力=マネージャーを輩出するには、その倍くらい時間がかかる。人材の自社育成にこだわるならば、もう少し時間がかかるってことです。

 

現状の踊り場というのは、そういう状態です。

ただ、地力は着実に向上しています。私は定期的にクライアントからの評価を伺っていますが、多くの方から「現在の当社のポジショニングや仕事のクオリティには、他に代替となる企業がほとんどない」とのご意見をいただいています。嬉しいし、とても誇らしいです。日々がんばっているみんなには心からお礼を言いたい。

 

最後に来年の展望を少し。組織が踊り場を抜けて、次のステージへステップアップするための鍵は、マネージャーです。そこにフォーカスした新たな取り組みを年明けからはじめたいと考えています。内容については発表までいま暫くお待ちを。来年は大きなジャンプの年になるでしょう。

 

宮﨑

「ともに、つくる」は主にインナーコミュニケーションを目的とした社長ブログです。

宮﨑晋之介

アーツアンドクラフツ代表取締役社長。考えるよりも動く現場主義。創業以来一貫して事業の最前線に立ち様々なパートナーと価値をつくりあげる。