体制変更を行う時にはどういった背景により起こるかは様々です。
ここではその背景として考えられる理由の一部を取り上げていきます。
タスクリストの一例
KPTフレームワーク
KPTのフレームワークとは、振り返りに使われるフレームワークの一つです。
プロジェクトなどを振り返るにあたって、「Keep(うまくいっており継続すること)」「Problem(課題)」を分析し、具体的な改善策として「Try(今後検討すべきこと)」を整理する流れで実施されます。
これらの頭文字であるK・P・TをとってKPTと呼ばれているのです。
日本語では、「ケー・ピー・ティー」または「ケプト」と呼ぶこともあります。
もともとシステム開発の領域で使われているフレームワークであり、現在は開発プロジェクト以外でも活用されていることもあり、広く使われている手法と言えるでしょう。
体制が変更された段階であらためてプロジェクトについて振り返ってみると、タスクを依頼する関係者の間でいくつか課題がみられました。
例えば管理リストの役割が曖昧であることや、関係者との相談の機会が少なく急ぎの課題に対応しづらいこと、要求されている仕様の理解に時間がかかるなどの課題が指摘されました。
下記はその時に実施したKPTの振り返りを行った一例です。課題が発覚して、今後検討すべきことも出てきた一方で、うまくいっており今後も継続すべきこともでてきました。一般的な振り返りでは、問題となっていることばかり目立ってしまいそれらを修正することばかりに気を取られてしまいますが、KPTのフレームワークでは継続すべきことも漏らさず書き出すことができるため、今後のプロジェクト推進には役立つ手法と言えるでしょう。
KPTフレームワークによる抽出結果の一例
担当者を変更するにあたっては、異動する人のナレッジを効果的に伝えていく必要があることから、密接な関係があります。ここではそういった問題について取り上げます。
体制変更は企業にとっては必要なものですが、関係する人に大きな負荷がかかる側面もあります。その一方で潜在的な課題/リスクやナレッジの蓄積について、改めて考える機会になる側面もあります。
体制変更を実施する時には、関係するメンバーに可能な限り影響が大きくならないように確実に進めつつ、節目としてそこまでの状況をしっかり振り返り、効率的にナレッジを蓄積できる仕組みづくりも進めていくことがPMOとして重要な責務なのでしょう。
【参考】
アーツアンドクラフツConsulting & Solution事業部/コンサルタント。得意分野はサステナビリティ、決済事業、エネルギーなどの事業戦略の提案や、それに伴う調査