ブログをずっとやっていると、どうしてもあまり書くことが見つからない時があります。実は今そんなタイミングです。
ですので本日は最近読んだ本を紹介します。しかもビジネス書なので、ネタ的にはコンサル向けかな。
最近はビジネス書をめっきり読まなくなりました。
社会に出た20代後半はとにかくビジネス書を読み漁ってましたが、ある程度の年齢になってくると、ビジネス書よりもブンガクやゲージツ書の方がイケてる感じがしてくるもんです。なんか一周まわって、学生の頃に勉強だけでなくスポーツできたり、音楽やアートを醸した友達が輝いて見えてた頃に戻るんだろうね。(ちなみに私は勉強もスポーツもアートもダメでした・・笑)
そんな私よりも上の世代にとって、キングオブCEOと言えば、やっぱりジャック・ウェルチでした。
選択と集中は経営の基本原則だと今でも思ってるし、シックスシグマに至っては最後まで何のことかよう分かっとらんけど、、、。でも、当時一つだけ信じてたのは、ジャック・ウェルチは絶対的に正しいということ。
人が何かに憧れはじめの頃に出会ったヒーローって絶対ですよね。正直、彼の功績も経営手法も具体的なこと今ではすっかり忘れてしまってたけど、それでも20代後半に刻まれたジャック・ウェルチはその後もずっと私の心の広場の中心に聳え立つ巨大な存在でした。
で、先日手に取ったのが、この本。
「ジャック・ウェルチ 「20世紀最高の経営者」の虚栄」
(デイヴィッド ゲレス著)
ざっくり言えば、ジャック・ウェルチが残した経営手法がその後のアメリカ企業や経済をボロボロにしたって話。
・事業売買(当時はこれが選択と集中と信じてた)
・ダウンサイジング(いわゆるリストラやアウトソーシング)
・金融化(ものづくりから金融業へのシフト)
彼が確立し、彼の弟子たち(クロトンビルを経営人材開発の聖地と信じてました)が多くの名だたるアメリカ企業へ広げていったこの三つの経営手法が、結果的に短期的な利益の追求と企業基盤の崩壊を招き、ひいては格差を拡大し社会を不安に陥れたという論旨。
まあ、とは言え、その結果として当時あった株式市場の富の限界枠のようなものがある意味取り払われ、無限の拡大が成り立つようになった金融環境が出来上がったからこそ、その後のシリコンバレーの企業群がこれほど大きく世界を変えることになったというメタなメリットはあるのだと個人的には思うのだが、、
何はともあれ私の若かりし頃のヒーローが徹底的に否定されたというのは、中学生の時にテレビで見た巨大なレーニン像が引き倒されるような衝撃でした。
そんな気分の中で何気なく読んだもう一冊のビジネス書。
「シン・日本の経営 悲観バイアスを排す」
(ウリケ・シェーデ著)
こっちは詳細は省くので是非読んで欲しいのですが、ようはジャック・ウェルチ的な世界観の中で負けだ!負けだ!と叩かれ続けた我ら日本が実は負けてはいなかったという話。
これも目から鱗。むしろ、こっちの方が全く新たな地平を示してくれました。特に選択と集中に対するジャック・ウェルチ的な手法へのオルタナティブは痛快。
二冊セットで読むことで、なんだろう、ロスジェネ世代のビジネスマンはカタルシスを感じるかも。
マネジメントに正解はないんだろうけど、悲しいかな正義は捨てられないんだろうね。なーんて、ビジネス書でブンガクして浸ってみたり。いや〜、今回はホントにグタグタですね。すいません。
さっ、どうでもいいこと考えずに、さっさと仕事しよっ笑
宮﨑
「ともに、つくる」は主にインナーコミュニケーションを目的とした社長ブログです。
アーツアンドクラフツ代表取締役社長。考えるよりも動く現場主義。創業以来一貫して事業の最前線に立ち様々なパートナーと価値をつくりあげる。