本日、ビックサイトで開催中のジャパンジュエリーフェアで講演をしました。
この一年間、DXの著名人を招いてのセミナーに始まり、業界主要各社を集めての勉強会、業界団体としての提言レポートのリリース、そして本日の講演と、私が理事を務める日本ジュエリー協会の立場から精力的に活動してきました。
そもそも、なんで私が業界へDXを啓蒙するような役目を仰せつかっているかというと、それは私たちのブランドithがDXの先端をリードしていると目されているからです。
中で働いているみんなからすると、「え〜、私たちがDXの先端??」と思うかもしれません。
確かにデジタルトランスフォーメーション(DX)みたいな大層な言葉は、クラフトなアットホームがモットーの私たちのブランドには似つかわしくないかもしれません。
私自身、はじめは暗中模索でした。ただ一年間もDX啓蒙活動を続けていく中で、実は私たちの大切にしていることこそ、ジュエリー業界のDXの本質なのではと思い至るようになりました。今日は、そんな話をしてみたいと思います。
ブランドのようなB2CビジネスがDXを通じて目指すもの。それは顧客起点の発想です。
客商売の答えは常に顧客が持っています。ただ昔の会社の経営陣、マーケティング、MD/商品開発は顧客から遠いところに座って仕事をしていました。デザイナーの感性から商品が生まれ、マーケティングがメディアと共にクリエイティブを創作し、それらをベースに経営陣は戦略を練る。そんなステレオタイプでは、顧客や顧客接点にあるお店は置いてけぼりの存在です。
デジタルの本質は、その顧客との距離をなくすこと。顧客の感性を常に捉えながら商品をデザインし、顧客の視点に立ったマーケティングを行う。経営陣にとってはブランド全社が顧客に寄り添う環境をデジタルの力で整えることが命題となる。その時に、ブランドの中心になるのは、顧客接点であるアトリエであり、つくり手です。
そう考えると、まさにithは業界のDXの先端にあります。
たくさんよりも、ひとつをたいせつに。お客様に寄り添う。ithの大切にしてきた部分を支えているのは、実はデジタルなんだと私も改めて気づきました。
本日の講演では、そんな一年間のDX啓蒙活動の結果として私自身も気づいたithの素晴らしさを実践事例としてお話しさせていただきました。
私たちの日々の実践が、業界の未来につながっている。ちょっと大袈裟かもしれませんが、自分としても誇らしい気持ちで聴衆の拍手を聞くことができました。そんなブランドをつくってくれているみんなには感謝です。ありがとう!
宮﨑
「ともに、つくる」は主にインナーコミュニケーションを目的とした社長ブログです。
アーツアンドクラフツ代表取締役社長。考えるよりも動く現場主義。創業以来一貫して事業の最前線に立ち様々なパートナーと価値をつくりあげる。