AC社長ブログ「ともに、つくる」vol.106

マネージャー諸氏へ

7月は新たな期の始まりです。そして、このタイミングに併せて両事業部とも大きな組織変更を実施しました。

 

ブランド事業部は、昨年度までブランド事業部と海外事業部に分かれていたラインを統一し、海外事業をブランド事業部下の一セクションとしました。

これは、目下ith最大の課題である海外事業の立ち上げを、営業、生産、マーケティングといった全てのセクションが他所の部門のコトではなく、強く自分ゴトに捉えて貰いたいという意図です。

それを担うのは、各部のマネージャーです。マネージャー達が海外事業に対して、サポーター気分ではなく、主体として立ち回れるよう自分達の意識と行動を変化出来るかがこの組織変更の鍵です。

 

CS事業部は、前期末に一度編成したチーム構成を最後になって一から見直し、今期初には間に合わず、先日のWrap Up Partyで漸く発表に漕ぎ着けました。

この間に何があったのでしょうか?

従来は、各チームに出来るだけ同じ位の人数を配置していました。これはマネージャーの最大の職務はメンバーを育成することであるという思想の下、マネージャーがケア出来る許容数によりチームを構成しようという発想です。

しかし、実際はチーム内のPJだけでメンバーをまわせず、チームを超えたメンバーの貸し借りが頻発してました。それを実態に即した形にしようというのが今回の変化です。

新たなチーム編成は、マネージャーが自身の担当するクライアントを元に年間の数字をコミットする。それに必要な人員数を配置する流れで決まります。

 

私が瞠目したのは、この変化が先日のCSマネージャー合宿においてマネージャー達自身から提案、議論、決定された事実です。

人によっては自身の立場を揺るがすのではと不安を感じるかもしれません。また人によっては自らを過剰に追い込むことになりかねません。そんな変化を自ら切り開いた彼らには敬意しかありません。

 

 

マネジメントにはトップマネジメント(当社ならば役員)とミドルマネジメント(部長、マネージャー、サブマネージャー、主任)に分かれます。今期の重大な組織変化の核となるのは、紛れもなくミドルマネジメント層です。(※以下、便宜上ミドルマネジメント層全体をマネージャーと表記します)

では、マネージャーに必要な資質は何か?

それを私は「変化できるか、できないか」だと考えています。

 

予め言っておきますが、私は万人に変化を迫るものではありません。自分の価値観や自分の出来ることを大切に守り追求するメンバーは会社にとって大きな財産です。持続性のある自分を持つメンバーによって強い現場が生まれ、それが組み合わさり事業が形作られます。これが会社という組織の根幹です。

 

対して、マネジメント層はその組織を時により大きく、時により質を高く、時により利益体質に、また時にはリストラクチャリング等、その時々の組織のフェーズに併せた「変化」に向けて「集団を動かす」役割を担っています。

稀にマネージメントという立場を、これまでの頑張りの結果のような過去の論功行賞と勘違いしている人を見受けますが、あくまで役割の中心は未来への変化です。また、その意味において、役員やマネージャーはメンバーより決して偉いわけではなく単に違う役割を担っている立場であると言えます。もちろん組織内の指示命令系統は、組織を変化に向けて動かす為に必要不可欠であり、守らねばなりません。ただ、それはマネージャーの理不尽がまかり通るということではありません。

(逆に言えば、理論的には、変化しない組織にマネージャーは要らず、各現場が最善を尽くせば成り立つということになります。その際に弛緩を防ごうと管理者を置く場合がありますが、この管理者という存在は本文脈におけるマネージャーとは全く異なるものです。)

 

この大きな変革期に、その核となるマネージャーが変化の本質を理解し、自らを変化させ、組織を変化へと動かしていけるか。今期の最大のテーマであると私は考えています。

 

 

最後に、先日の人事通達にあったブランド事業部におけるハラスメント行為について、私の見解を述べます。

ハラスメントは一般的にマネジメント層が犯す行為です。それは本来的には役割の違いであるだけの立場を上下の関係と錯覚し、立場を下に見る他者へ、現代社会の価値観とズレた自らの価値観を押し付ける行為です。

ポイントは、そこに上下関係を作り上げている点だと思います。

(精神的な上下関係を設けず、フラットな立場の二人が価値観の違いでケンカしたってのならば、まだ清々しい)

 

個人の価値観というものはあるでしょう。ただ、ことマネジメントの立場であれば、現代社会の価値観に自らをアップデートさせて変化することは、トップマネジメントにしろ、ミドルマネジメントにしろ、集団を動かす(=他者に影響力を行使する)以上は絶対的な義務です。そこに昔はこの価値観が通用したのにとかいう言い訳はあり得ません。変化できないのであれば、一人のメンバーとして活躍できる環境は用意しますので、マネージメントの立場に就くべきではありません。

 

マネジメントを担う立場において必要な「変化」する力。

それは組織が新たなステージへ変化する原動力ともなりますし、組織が現代の価値観に基づいた皆にとって安心できる環境であることの担保ともなります。マネージャー諸氏は、その点を忘れずに日々励んでいただければ幸いです。また、私自身マネジメントを担う一人として、肝に銘じます。

 

宮﨑

「ともに、つくる」は主にインナーコミュニケーションを目的とした社長ブログです。

宮﨑晋之介

アーツアンドクラフツ代表取締役社長。考えるよりも動く現場主義。創業以来一貫して事業の最前線に立ち様々なパートナーと価値をつくりあげる。