今週は当社の日本国内勤務の面々が一堂に会する年に一回のイベントでした。参加したみんなは大変おつかれさまでした。
名称は方針発表会となってますが、目的は滅多に顔を合わせることのできない社員の懇親と日頃の慰労が主であり、今年から各事業部による方針発表プレゼンをやめました。ただ、とは言え折角集まってくれたみんなに会社として何かを持って帰ってもらいたいなという思いは当然あり、冒頭に私からの挨拶をさせていただきました。
ここでは今年の挨拶の内容をもう少し噛み砕いてみたいと思います。
会社経営にはビジョンが大切だとよく言われます。ただ、ミッション、ビジョン、バリュー、経営理念、行動規範、社訓、解決する社会課題などなど、言い方も様々ですし、それら言葉によって光を当てる側面が変わったりするので大変です。
そういった会社として大切な何かを表わすらしい言葉たちをざっくりと分類すると、未来志向か原点思考かみたいな二つに分かれるのかなとか思います。
当社は、ブランドとコンサルという一見共通性がなさそうな事業をやっていることもあり、またこれまでも多くの偶然によって道をピボットして(導かれて)きたことからも、あまり全社で一つに統合されたビジョンやミッションといったものを強く押し出してこなかったつもりです。(と思ってるのは、もしかしたら私だけで、元来の圧の強さから「社長は未来のことばっか」と、みんなから思われている可能性もなきにしもあらずですが、、、)
ただ、私としては、ブランドにはブランドのミッションがあるだろうし、コンサルにはコンサルのビジョンがある。もっと言えば、働くみんなにそれぞれ個別の夢や思いがあるもんだし、それらが納まる大きな箱みたいなものに、会社はなれれば良いなと考えています。
未来についてはそんな感じなので、どちらかと言えば原点思考な会社なのではないかと個人的には思っています。私が受け持つブランド研修とかでも、常に話しているのは原点についてだし。
原点から生まれてくるものが組織としての集団的な価値観で、原点思考の強い企業は比較的おなじ価値観を持った人が集まったり、集まった人が同じような価値観になっていくのかなと思っています。
ところで、一旦ここで話を変えて、当社の事業であるブランドとコンサルの共通性について考えてみましょう。
ブランドとコンサルの一つの共通性として、一流とか二流とかの概念が強いことが挙げられます。どんな世界や業界にも、多かれ少なかれ同じような概念はあるのでしょうが、機能性はたいして変わらないにも関わらず一流と二流の価格差が時に何倍にも広がるブランドやコンサルは、やはり珍しいんじゃないかな。
そして、そういった一流とか二流とかいう概念に対して、人の反応はざっくり四類型くらいに分かれるそうです。
まずは、自分は一流だと自信を持って生きている人たち。世の中には二割くらい、そういう自信に満ち溢れた人がいるみたい。これをA群と呼びましょう。
次に、これが実質的に一番多いらしいのですが、六割くらいは、いつかは一流に近づきたいなと思いながら生きているそう。ある意味、上昇志向というビジネス分野において重要なモチベーションなんかもここから生まれるのでしょう。これがB群。
あとの二割が二つに分かれるそうで、多いのは一流とか二流とか関係ないじゃん。自分らしくあれば良くないかと考える人たち。これをC群とします。ただ、これは最初からそういう人の場合もあれば、A群やB群の中から時を経てC群へ流れてくる場合も多いようです。
最後が割合としては最も少ないそうですが、一流とか二流とかくだらないもんはぶっ壊してやる、自分がその概念をおっ立ててやるぞ!という過激なD群。ただ、これも最初からそうというより意外とA群とかから転向するような人が多いんじゃないかな。
四つの累計は、決してキレイにパッキリ分かれる訳ではないでしょうし、すでに触れたように生きてる中で途中から価値観が変わっていくようなことも多いんだと思います。
当社にも四類型それぞれの人が居るんだと思いますが、他社に比べて比較的C群の割合が高いような気がしてます。また一部にD群も居て、それが事業コンセプトにも反映しているのだと思います。
例えば、ithが目指すブランドは、一流とか二流とかよりも、自分らしさを大切にしています。
コンサルという世界は従来一流とか二流とかのレッテルがなければ入れないような世界でした。その門戸を開き、異形のファームとなるのがC&S事業部の目指す姿です。
昨年から当社を表わす概念として多用している「路地裏」という言葉には、そんな集団的な価値観、またそんな価値観の人が集まる場、そして目指すべき世界を込めています。
路地裏的な価値観、路地裏という場、そして世界の路地裏。当社の創業の経緯や当初の日々については以前に別のブログでも書きましたが、そういった当社の原点である吉祥寺の路地裏を大切にし、世界を広げていくことで、企業として姿勢をブレずに保っていきたい。ピボットが多いからこそ、そういう保ち方もあるのかと考えています。
七月からはじまった2024年度も、そんな路地裏的な価値観を大切に、みんなで進んでいくことが出来れば幸せです。
宮﨑
「ともに、つくる」は主にインナーコミュニケーションを目的とした社長ブログです。
アーツアンドクラフツ代表取締役社長。考えるよりも動く現場主義。創業以来一貫して事業の最前線に立ち様々なパートナーと価値をつくりあげる。