政府による緊急事態宣言が解除されました。
引き続き、流行の第二波ならびに、社員及び顧客の感染について配慮は欠かせませんが、まずはみんなの力でこの危機の最も大変な局面を乗り越えられたこと、心から感謝します。
この間、当社は4月の休業により3月まで全員でコツコツと積み上げた今期の利益を全て失い、赤字に転落しました。
また、この5月はithの売上がコロナ以前の4割程度、B2Bが3割程度となる見通しで更に赤字が拡大すると予測しています。
これからの回復次第ですが、これまでで既に当社が約1年半程度かけて紡ぎ出すレベルの利益が失われました。
しかし、それでも、みんなの頑張りにより今期3月まで大変好調を維持していたお陰で、赤字幅も危機の当初に想定されていた様々なシナリオの中では軽微なもので済みそうです。
連日のニュースにある通り、この数ヶ月で大企業から個人事業主に至るまで世界中のほとんど全ての企業が当社同様に深い傷を負いました。
しかし、私たちには未来があります。
ここから又みんなで力を合わせて、以前よりも素晴らしい会社にしていきたい。そう心から願っています。
実は、来月6月をもってアーツアンドクラフツは丸10年を迎えます。
2010年6月に誕生した当社は、はじめの5年間は成功に恵まれず、ジュエリー教室をしたり、カフェをしたり、なぜか国際会議スタッフとして環境大臣に従い中国や韓国を訪問したり、そうそう全国の小学生の夏休み作文コンクールの審査員として毎晩徹夜で作文を読んだことも。とにかく役員4人なんでもやりました。
5年前に高橋さんと一緒にithをはじめ、それをきっかけに会社は成長の時代に入りました。アトリエが増え、仲間が増え、部署が分かれ、ブランドという価値をみんなで大きくしてきました。同時に平田さんと鈴木さんの二人だけだったB2Bもメンバーを増員しながら、クライアントに価値あるソリューションを提供する確かな集団に育ってきています。
少し恥ずかしいのですが、私は10年日記というものをつけてます。はじめたのが2011年なので今年で一冊の日記が終了します。
その最初の年、会社設立初年度3月に起こったのが東日本大震災です。その後一年ほど復興支援で度々現地を訪れていた私は日記にこう記していました。
「この大惨事で私たち日本人の意識は変わらなければならない。社会は必ずや連帯していくはずだ。」
それから10年後、このコロナ危機の最中に当時の日記の文言に再び目が留まりました。
10年間という歳月をかけて、結局何か変わったのか?
私の答えは、人の本性や社会の構造なんて簡単に変わるもんじゃない。
今、社会が何か大きな変化を期待しているようですが、コロナ以前から存在する大切なこと、例えばブランドにおける人がつくる価値や、組織における多様性の力のようなものの重要性は今後も絶対に変わりません。
私たちは、自分を信じて、これからも私たちが大切だと考えることを追求していきたい。
もう一つの私の答え、人にとって大切なことは変わらんが、テクノロジーは目まぐるしく変わりゆく。
例えば、あの頃スマホなんて一部の人しか持ってませんでした。その後のスマホの普及がなければithのこの短期間での躍進はあり得なかったでしょう(前々回のHumanityとTechnologyの際に話しましたよね)。もしそうなら、私たちがこのアーツアンドクラフツという会社で一緒に働くこともなかったと思います。
私たちは、これからもそういう社会の小さな変化を敏感に捉え、自らを進化させていきたい。
次の10年、みんなでつくっていきましょう。
宮﨑
「ともに、つくる」は主にインナーコミュニケーションを目的とした社長ブログです。
アーツアンドクラフツ代表取締役社長。考えるよりも動く現場主義。創業以来一貫して事業の最前線に立ち様々なパートナーと価値をつくりあげる。