AC社長ブログ「ともに、つくる」vol.2

当社のコロナ対応について

オンライン会議が増えて実際に顔を合わせることが減って改めて、みんなで日々「やるべきことをやる」、そんな当たり前が会社を動かしているのだと実感します。毎日、本当にありがとうございます。

さて、本日はこの新型コロナウィルスに対する会社の方針と、現在実施している方策を共有したいと思います。
これまで私からお知らせとしてメールしたり、各事業部ではより具体的な指示が事業部長やマネージャーから出ていますが、もう一度おさらいを含めてまとめです。

また、誰も先を予測できない事態だからこそ、方針や方策は状況に合わせて変わっていく可能性があります。その時は、また出来る限りの説明はするつもりです。
ただ、一番根本にある考え方は変わらないと思ってます。みんなには、それをこのメールで感じ取ってもらえれば幸いです。

私が今件について役員と意思決定をする際、また社員と話す際に気にしているポイントは3つです。(前回のメールにも出てきましたね)
1)会社が社会の一員としてなすべきこと
2)会社が健康の保全の為になすべきこと
3)会社が生活の維持の為になすべきこと

この3つの順を追って、会社が現在どういう方針で、どんな方策を打ち出しているか説明していきたいと思います。
最後に会社の一番根本にある考え方を各自理解してもらいたい。

(※一般的に集団の根本にある揺るぎない考えのようなものは複雑で、一言では言い表し難いものです。仮にもし一言で言い表されるのならば、それは底が浅かったり、煽動的だったりする可能性が高いと私は考えます。だからこそ、3つのポイントを全て読んでもらい、各自で感じて(自分の頭で解釈して)もらいたいのです。)

1)会社が社会の一員としてなすべきこと
会社も国といった大きな共同体の一部を構成する一つの共同体です。共同体という言葉は、生きる為の糧(平たく言えば給料)を得る為に集まる仲間たちというイメージで使ってます。

前回にも触れましたが、私は政府のあの方針が良いとか、反対とか批評する立場にありません。
私はあくまで属する大きな共同体(国や自治体)の方針と方策の範囲内で、私たちの共同体(この会社)の責任者として共同体にとって最適な方針と方策を決断する立場です。

ただ、その決断の為には、やはり国や自治体の方針と方策への、私たちの解釈というものが必要となってきます。
ここでは、私たち役員が現状をどう認識しているかをいくつかのキーワードから説明していきます。

「感染拡大防止と中長期的な経済への影響の関係」
政治家、医療関係者、コメンテーターなどがコロナ問題について意見を述べる際に、多く話題にするのが、感染拡大防止と経済への影響についてです。

感染拡大防止と経済はどちらも大切です。
ですが、順番をつけるならば、今私たちにとって一番重要なのは感染拡大防止だと考えています。

それを前提としつつ敢えて、経済への影響の方について<短期的>と<中長期的>に分けて考えてみましょう。

もし、問題が感染拡大防止と<短期的>な経済への影響であれば、100%感染拡大防止を優先するべきです。
短期的(例えば1ヶ月)に経済活動を止めてコロナが消え去るのなら、それによって失うのは単に利益だけです。

ただ、<中長期的>な経済となると、少し気をつけて考えなければいけません。
経済への影響が長期間に渡ると、多くの企業は倒産し、多くの人々が失業する可能性が出てきます。

これは、利益を失うという小さな話ではなく、我々の生活の基盤がなくなるという大きな問題になります。

一般的に中小企業は何らかの理由で売上がなくなった時にも、1〜2ヶ月程度は社員や取引先に払えるお金を蓄えています。逆に言えば、コロナのようなここまで先の見えない状況は、全ての企業にとって想定外です。

現在、私の方では銀行から借りるなどして、手元のお金を増やしていますが、それも無限ではありません。

「長期戦の展望」
私たちが最も恐れていて、且つだからこそ直視しなければいけないこと。それは、この問題はすぐには終わらないということです。

諸外国のこれまでの動きを見る限り、5/6以降も特効薬が出来るまで程度の差はあれど今のような状態が続くと考えるのが妥当でしょう。

まさに短期的ではなく、長期的な視野に立って、私たちの方針と方策を考えなければいけません。

「自助努力」
最後に、このような危機において、国や自治体が私たちを助けてくれる可能性があるかについて。

これまで大手企業が政府の救済を受けたりという事実はあります。また公務員であれば国や自治体がなくならない以上は失業することはありません。
しかし残念ながら、私たちは中小企業です。少なくとも国や自治体が特定の中小企業を守るために十分な補償を出したことは過去に例がありません。

それは例えば今回の自治体からの休業要請ひとつをとっても分かります。
実は私たちの主事業であるブライダルジュエリーは休業要請の対象とはなっていません。(対象外とはっきりと都のリストに明記されています)
それは何を意味するかと言えば、休業要請していないのに勝手に休業するのは各社の判断です。ただ何も補償しませんよ、という残酷なメッセージです。

しかし、そんなことを嘆く暇があるのなら、私たちは今ある状況の中で最適なことを自分たちで考え、信じて実行するべきです。

一つだけ確かなことは、感染拡大防止と中長期的な経済への影響を真摯に捉え、自助努力で今を生き抜くことは、それだけで立派な社会の一員としての行いだということです。

その為の方針として、当社では、
「70%の接触率低減という国の指針に従い、会社単位で社員の接触率を70%落とすこと」
を掲げています。

2)会社が健康の保全の為になすべきこと
会社単位で社員の接触率を70%落とすという方針に沿って、各現場で健康の保全に取り組んでもらっています。

B2B事業部とith事務所勤務者は可能な限りテレワークへの移行をおこなってもらっています。会議はB2Bでクライアントの要望がある際は致し方ありませんが、極力オンランで実施しています。

ith生産部はAチーム、Bチームに分かれ、一方が出勤の場合はもう一方が休みというシフトで接触率を下げています。またアルコールの完備、マスクの支給、職場の換気の確保などに努めてもらっています。

ithアトリエは4月いっぱいまでアトリエ休業とし、その間に感染を防止しつつ接客する方法を確立するべく動いてもらっています。接客の方法や時間も大きく変わるはずです。また一人あたりの出勤日を極力減らし休みとすることで接触率を下げていくつもりです。

管理部はこのような危機の際にこそ忙しい存在でもあり、今のところ通常通り事務所に出勤してもらっていますが、事務所でもアルコール完備、マスク着用、換気の確保に努めています。

また、全現場を通じて、全社員に各現場の状況に合わせて出来る限り休みを増やすこと、その期間で自分の成長につながる自宅研修や自習を行ってもらっています。

以上それぞれの現場の努力により、4月は会社として70%程度の接触率の低減を実現出来そうです。

もちろん危機が去るまで一歩も外に出るなというのが一番の健康保全策だと思います。
ただ、理想だけ言っていても始まりません。その理想に出来るだけ近づけつつ実行可能な現実論を、各現場毎に事業部長、マネージャー、主任が頭を悩ませて試行錯誤をしてもらっていることに心から感謝しています。また、その方針に前向きに取り組んでもらっている全ての社員のみんなにもお礼を言いたいと思います。

3)会社が生活の維持の為になすべきこと
冒頭で会社という共同体を、生きる為の糧(平たく言えば給料)を得る為に集まる仲間たちと表現しました。

会社に所属する意味や目的、理想や価値観は様々でしょうが、ただ少なくとも全員に共通しているのは、ここで働いて給料を得て生活していることだと思います。それは私も同じです。

だからこそ、このような危機の中でも、社員の健康の保全を第一とした上で、私たちみんなで生活基盤としての会社を守っていければと思っています。
より直接的な言い方をするならば、今後危機が中長期的に続くとしても、健康を維持しながら、全社員の給与が常に100%支給される環境を維持していくということです。

その為には、みんなが会社の一番根本的な考え方を感じてもらい、その考え方に共感してもらえるのなら、その上で会社のその都度の方針や方策を信じて協力してもらいたい。

改めて、社長よりみんなに心からお願いします。

宮﨑

「ともに、つくる」は主にインナーコミュニケーションを目的とした社長ブログです。

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宮﨑晋之介

アーツアンドクラフツ代表取締役社長。考えるよりも動く現場主義。創業以来一貫して事業の最前線に立ち様々なパートナーと価値をつくりあげる。