AC社長ブログ「ともに、つくる」vol.84

人材育成

つくり手、コンサルタント、職人、エンジニア・・・などなど、当社は多様な職種の人材が集まっています。それぞれが非常に専門性を必要とする仕事であり、且つ殆どの部署で未経験者歓迎であることから、人材の育成に関しては会社を挙げて非常に熱心に取り組んでいます。

ブランド事業部の各部署、C&S事業部では、各部が独自の育成プログラムを考案し、運用、日々のブラッシュアップを行なっていますが、こんなに部レベルで、外注の研修業者などに頼むわけでなく、自分たちで企画し、コンテンツを作り上げ、運用している中小企業も珍しいのではないでしょうか。

今日はそんな人材育成において、今年走っている二つのチャレンジについて紹介します。

 

一つ目は、ith海外つくり手の育成です。

ithのつくり手は既製品を販売するのではなく、お客様と共にオーダーメイドの一品を企画していく仕事です。当然、接客も単なる販売とは異なり、高いスキルが必要となります。

つくり手の研修では、現場に出る前の研修で、座学、ロールプレイング、先輩のアドバイスの三つを組み合わせながら育成のプログラムを組んでいます。

座学は、リングやジュエリーの基礎知識などに加えて、お客様と共に考え、企画していくという特殊な接客の基本的な手順を学びます。これらはBOOKと呼ばれる各書にまとめられ、新人はそれを研修担当から習っていきます。

頭で捉えたイメージを実際の言葉や行動に変換していくには、ロープレを繰り返し行う必要があります。BOOKを自分の言葉にしていけるよう、また色んな手順を身体に覚えさせることで余裕が出来て、初めて目の前のお客様へ気を配ることが出来ます。

この時に発生するのが、BOOKとロープレの間の乖離です。なんとなくしっくりこない言い回しや、どう対応して良いか悩むBOOKに記載されてないシチュエーション等、それらの答えを教えてくれるのが先輩です。つくり手は平日の研修期間にロープレを行いながら、週末のOJTの際に先輩の実際の接客を目の当たりにして、悩んでたポイントの答えを手にします。それをロープレに取り入れていくことで、自分の接客が出来上がっていく。新人は、BOOK – ロープレ – 先輩の三つを、研修の過程で自分の中で繋げていっているのです。

 

実は、この日本での研修の流れが海外では苦戦してます。原因は、海外には先輩がいないこと。言語が異なるので効果的なロープレが出来ないことです。結果的に、BOOKだけを重視する研修となってしまいましたが、それは本来の私たちの研修を構成する三つの内の一つでしかありませんし、ロープレや先輩のアドバイスが伴わないBOOKは、机上の空論となってしまい逆につくり手を苦しめることになってしまいました。

現在、この状況をどうやって改善していけるかブランド推進部と一丸になって取り組んでいます。一番のポイントは、日本の現場の先輩つくり手の生き生きとした接客の姿やアドバイスを、どうやって海外のつくり手へ伝えていけるかだと思います。つくり手のみんなにも、色々と協力を仰ぐことになると思いますが、何卒よろしくご協力ください。

 

もう一つのチャレンジは、C&S事業部の営業やチームビルディングといった、よりアドバンスなビジネスプロフェッショナルスキルについての取り組みです。

C&S事業部は未経験者をビジネスプロフェッショナルへ育成するという理念のもと、これまでもコンサルタントの必須スキルを可視化し、それらを日々のデリバリーを通じて習得していく仕組みを作ってきました。

育成組織の旗を掲げてから四年近く、C&S事業部は今期で50名体制となりました。マネージャーレベルは、既に次のステージへの成長に差し掛かっています。それはチームマネージメントや、より高度なクライアントマネジメントです。今年はそれらよりアドバンスなスキルについても、可視化し、みんなが習得していける環境作りをしていくスタート地点になると感じてます。

これは簡単な作業ではありません。手探りになると思いますし、役員レベルの強いコミットがなければ実現できません。ただ、私はC&S事業部のこの自前で作るカルチャーこそが、ここまで成長してきた最大の要因だと考えてます。

一般的にコンサル業界は流動性が激しいですし、それこそパートナークラスの離合集散で会社が生まれたり、成長したり、衰退したりする世界です。外から即席で人や智識を入れることは簡単ですが、自分たちで悩みながら歩みは遅くとも一歩ずつ進むことが本当の強さとなっていくと私は信じてます。ちょうど今週末は、恒例のマネージャー合宿です。みんなで、この点についても考えていきましょう。

 

みんなでこれまで作ってきた人材育成の仕組みを更に進化させることで、それぞれの事業部の次のステージが見えてきます。人の成長をみんなで後押しできる、そんな会社である為に、みんなで頑張っていきましょう。

 

宮﨑

「ともに、つくる」は主にインナーコミュニケーションを目的とした社長ブログです。

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宮﨑晋之介

アーツアンドクラフツ代表取締役社長。考えるよりも動く現場主義。創業以来一貫して事業の最前線に立ち様々なパートナーと価値をつくりあげる。