AC社長ブログ「ともに、つくる」vol.80

ブランドインキュベーション室

前回、前々回と当社の海外進出について書き記しました。

路地裏ブランドという独自の価値を、自分たちの手でDIYしながら世界へ広げていく。そのために必要なのが、二つの異なる種類の人材です。

 

ひとつ目は「ブランド価値を高いレベルで体現する人材」です。これは、いわゆるブランド代表の高橋さんのような存在です。ithも今年で創業9年目です。ブランドのことを深く理解し、それを顧客や後輩、協力会社など様々なステークホルダーへ正確に伝えていける存在が増えてきています。この「ブランドを体現する人材」が居なければ、海外という新たな地でゼロベースからithを立ち上げることは不可能です。

シンガポールや台湾への進出においては、松岡海外事業部長にその役割を担ってもらっています。松岡事業部長は、AppleやAmazonといった外資系企業でマネージャー職を務めていただけあり海外ビジネス経験は豊富ですが、それに加えてコロナ期間の2年間をithブランド推進部のマネージャーとして自ら接客までこなすほど現場に浸かったことで、まさに英語で海外の顧客や社員に対してithブランドを体現できる唯一の存在となりました。

ただ今後の海外展開を考えると、海外でithのブランドを体現できる者が松岡事業部長だけでは足りません。ブランド推進部のみんな、そして現在シンガポールに行っているSさんにも海外のつくり手へithブランドの価値を伝えるべく奮闘してもらってますし、生産部、マーケティング本部のメンバーも現地とのやり取りに取り組んでもらってますが、更により多くの社員のみんなが「ブランドを体現する人材」として海外事業に絡んでもらうことを期待しています。

 

そして、もう一つの人材像が「ビジネスプロフェッショナル」です。海外でゼロからビジネスを立ち上げるということは、マーケティングやオペレーションから始まり、会計、税務、通関、法務、独自の商慣習など、要するに”ビジネス全部”が詰まってます。それに向きある為には、様々な課題や状況を超えていけるビジネスを専門としたプロが必要不可欠です。

ここまでの海外進出においては、C&S事業部からKSさんが海外事業部へ出向という形で、そういった”ビジネス全部”を松岡事業部長のサポートとして担ってもらっています。前回のブログで書きましたが、当社はこれら”ビジネス全部”を他の専門企業へ丸投げしない会社です。一つずつ失敗しても自分たちで考え、構築していきたい。その為に、全ての分野でプロであることは勿論不可能です。その代わりに、”ビジネス全部”に怯まず立ち向かっていける人材、もっと言えば其れが楽しいと感じる人材を求めています。KSさんは、そういう意味で最適でした。二国間取引におけるオペレーションと税務を考慮した仕組み作りから、オープン初日にアトリエのトイレが壊れた時の修理まで、まさに”全部”に対応できる人材です。

 

来期から平田役員を主幹事としてアーツアンドクラフツの海外展開を戦略的に支えるブランドインキュベーション室(BI)が立ち上がります。

BIは、C&S事業部からビジネスプロフェッショナルを有志として募ります。初年度である来期は戦略レベルの「路地裏ブランドの海外展開におけるモデル化」と「中期的な海外マーケット攻略プラン」の作成をミッションとし、その後は随時プランの実行支援へと移っていきます。

「路地裏ブランドの海外展開におけるモデル化」は、現在私たちが概念的に提唱している「路地裏ブランド」をより定量的にモデル化し、今後の海外展開における当社の戦略を確立するプロジェクトです。

そして「中期的な海外マーケット攻略プラン」は、シンガポールと台湾の二拠点から今後3年、5年でどのように世界へ展開していくのかを考えるプロジェクト。次のマーケットはオーストラリアか、中国本土か、マレーシアか。夢のアメリカ市場攻略はいつなのか。マーケット、オペレーション、資金調達など様々な視点から中期計画を作成してもらいたいと思います。

当社の今後の中核事業となるであろうブランドの海外展開を、自分たちのアタマで戦略を立て、自分たちの手でつくり上げていく。日頃磨いてきたビジネススキルとマインドをフルに活用してコミットしてください。

有志求む!

 

宮﨑

「ともに、つくる」は主にインナーコミュニケーションを目的とした社長ブログです。

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宮﨑晋之介

アーツアンドクラフツ代表取締役社長。考えるよりも動く現場主義。創業以来一貫して事業の最前線に立ち様々なパートナーと価値をつくりあげる。