AC社長ブログ「ともに、つくる」vol.74

ブランド理解

先日、吉田事業部長と共に生産部の半期成果発表会に参加しました。

これは工房、生産管理のメンバーが、それぞれの活動指針に則って半年間努力した成果を発表する会で2年ほど前から実施していますが、回を追って質が上がってきていて、もはや私と事業部長だけが聞いているのは勿体無いとすら思いました。

 

ithブランドに従事しているみんなが大きなチャレンジをしています。

私たちは「たくさんよりも、ひとつをたいせつに」をブランドの使命にしています。それは、ブランド起源である一人の女性職人の吉祥寺の小さなアトリエに実際に存在した「お客様とつくり手(=職人)が一緒になって唯一のリングをつくる濃密な時間(=体験)」を再現し続けることです。

もちろん、今では日本だけでなく海外までアトリエは広がり、ブランドに携わるメンバーは100人を超え、様々な部署がそれぞれの仕事を分担しています。ただ、それぞれの部署の日頃の努力はひとえに「はじまりに在った、あの世界」にどれだけ近づけられるか、どれだけ逸脱せずに維持できるかに向けたものであることはずっと変わりません。

 

私たちの使命が「たくさんよりも、ひとつをたいせつに」ならば、私たちが目指す未来は、お客さまがそんな素敵な体験ができる場所である「アトリエを日本だけでなく世界の街の路地に作っていく」ことです。

「たくさんよりも、ひとつをたいせつに」という使命と、目指す未来である「アトリエを世界の街の路地に作る」は一見すると矛盾しているように感じるかもしれません。しかし、この矛盾を、矛盾じゃなくすることが、まさにブランドを作り上げることなんだと思いますし、私たちみんながチャレンジしていることです。

 

高橋ブランド代表が吉祥寺という街の人たちだけと紡いでいた世界観が、価値を損なうことなく、100人を超えるメンバーと日本だけでなく世界の街の人たちと紡がれる。

その為に、工房や生産管理も日常のものづくり業務とは別に、自らの活動指針を定め改善を繰り返している。先日の成果発表会では、そんな彼らの真剣さがヒシヒシと伝わってきました。

 

コロナ禍の3年、ブランド内の横のコミュニケーションが大きく毀損されました。以前でしたら全員で集まり、別の部署が何をやっているかを簡単に知ることが出来ました。業務は違えど同じ思いのもとにあることを体感することが出来ました。いま、コロナ禍がはじまった後に入社したメンバーも多い中、もう一度みんながみんなで何をしているか、何を大切にしているか、何を目指しているかを知り、理解する場をつくる必要があると痛感しています。

 

私たちがithブランドに従事するにあたり求められるのは、盲目的なブランド愛ではありません。自らのブランドが何を大切にし、何を目指し、どんな努力をしているかを深く正しく理解すること。ブランド理解です。

矛盾する使命と目指す未来の中で、その矛盾を乗り越える為に誠実に努力している一人ひとりの気持ちとか、仕事とかを知ることが、ブランド理解につながります。そしてブランド理解こそが、はじまりのアトリエに在ったあの価値を今もお客さまに届け続ける原動力になるのだと思います。今年は、そういう場を増やしていきましょう。

 

最後に、改めて、はじまりを思い出す動画と、はじまりを守りながら在る今を知る動画を。

 

「動画 ith 2014 はじまり」

 

「動画 ith 2021 いま」

 

宮﨑

「ともに、つくる」は主にインナーコミュニケーションを目的とした社長ブログです。

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宮﨑晋之介

アーツアンドクラフツ代表取締役社長。考えるよりも動く現場主義。創業以来一貫して事業の最前線に立ち様々なパートナーと価値をつくりあげる。