ithシンガポールアトリエの開店準備は着々と進行しています。
その中でも私たちが最も大切にしているのが、つくり手の育成です。今回のシンガポールにおいては、たくさんの人々の協力のもと、本当に素晴らしい研修になったと感じてます。そんな研修も、あと残り3日。これまでの道のりを少し振り返ってみましょう。
ithにとって、つくり手はブランド価値の体現者です。全てのつくり手が深い知識と自由な裁量を持ち、お客様に寄り添いながら、世界に一つのオーダーメイドリングを共に考え、つくっていく。それこそが、ithにしか実現できないオーダーメイド顧客体験ですし、その実現の為に、独自の生産体制、基幹システムを構築しています。言い方を替えると、つくり手のみならず、生産、システム開発、マーケティング、教育など全ての部署は、この「お客さまとつくり手の特別な体験」を生み出す為に、日々挑戦しています。
だからこそ、つくり手の育成にはこれまでもブランドとして特に多くの時間と労力を費やしてきました。私自身にとっても入社時のブランド研修、現場に出る前のフォローアップ研修、毎年全アトリエをまわるアトリエ研修は今でもとても力が入る仕事です。
シンガポールでも、日本と同じレベルでつくり手を育成する。ithが日本と同じサービスを世界で展開する上で、最もこだわらなければいけないことだと思います。
10月スタートの直前になり、海外事業部だけで研修を取り回していくことが難しい状況に陥りました。急遽、ブランド推進部へ協力を求め、Nさんが日本からオンラインで講師をすることを快く引き受けてくれました。しかしNさんは英語を話せません。
幸いなことに今回採用したシンガポールのつくり手は皆さん英語と併せて中国語も話せます。そこで、Nさんが日本語で伝え、シンガポールに飛んでいる海外事業部のLさんが中国語へ通訳し、シンガポールのつくり手はそれを英語のテキストを読みながら聞く。そしてロープレは英語で行う。という、なんだか大変な事態です。
はじめは、とても心配でした。しかし、研修メンバーだけでなく、ブランド事業部の他のメンバー、生産部のメンバー、マーケティング開発部のメンバーと様々な人の協力でとても実りある研修となったようです。私は脇からただ見守ることしかできませんでしたが、研修に参加したメンバー皆の中では不思議な一体感が生まれていました。そして、研修をする側、受ける側問わず、みんなが研修前よりなんだか頼もしくなっていることに気づきました。
今回の研修では、日本と海外の違いも少し感じました。例えば、従来の日本での研修は伝統的な守破離の概念に沿って、まずは型を完全に体で理解することを重視しています。知識を覚え、ロープレを繰り返しながら、自然にithの型を手に入れること。その上で、現場経験を積みながら一度手にした型を破り、自分らしさを手に入れてもらうことが教育の大きな方針です。
しかし、シンガポールでは、最初にブランドの重要な概念を徹底的に議論することで、まず頭で完全に納得感を得た上で、日本と同じ暗記や反復に入っていく方法をとりました。これなんかは、今後の日本の研修でも取り入れていって良いのではないかと思います。
さあ、いよいよ11月となりました。今月からはithの開店請負人として各地へ赴任してきたブランド事業部Mさんもシンガポール入りします。海外事業部を中心に、部署を超えて多くのメンバーの協力を得ながら、シンガポールアトリエは11月18日にオープンします。みんな、乞うご期待!
宮﨑
「ともに、つくる」は主にインナーコミュニケーションを目的とした社長ブログです。
アーツアンドクラフツ代表取締役社長。考えるよりも動く現場主義。創業以来一貫して事業の最前線に立ち様々なパートナーと価値をつくりあげる。