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エネルギー・環境問題に根ざした国際的な環境イニシアチブ「RE100」をご存知でしょうか。世界中で地球温暖化や、大気汚染等の環境問題が叫ばれる中、各国が未来の脱炭素社会に向けた目標を掲げています。同時に企業にとっても脱炭素化は大きな課題となっており、企業の脱炭素化への取り組みを促進させるために誕生したのがRE100です。この記事では、今後RE100への参加を考えている企業の担当者や経営者が知っておきたい、RE100への参加条件や、参加するメリット等をご紹介したいと思います。
RE100とは、「Renewable Energy 100%」の頭文字を取った言葉で、企業が自らの事業の使用電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す国際的なイニシアチブです。2014年に、イギリスを拠点に活動する国際環境NGOのThe Climate Group(TCG)によって発足され、現在ではApple、Google、Nestle、IKEAといった世界的な大企業もRE100の参加企業として名を連ねています。
RE100の参加条件は、以下の項目を満たした企業です。
2022年3⽉17⽇時点では、国別では24カ国から参加があり、国別参加企業数では、⽇本はアメリカ93社に 次ぐ66社が参加しています。また、参加企業数も年々増加傾向にあり、世界全体で356社まで増加しています。
続いては、RE100に参加するメリットを解説していきます。
調達方法には、概して以下の3種類があります。
花王は、2040年カーボンゼロ、2050年カーボンネガティブ実現に向けた活動をしています。具体的には、非化石証書の活用や、コーポレートPPAでの電力購入、自家消費用太陽光発電設備の導入等で電力の再生エネルギー化を進めています。また、国内のすべてのロジスティクス拠点において、使用電力の100%再生エネルギー化も実現しています。2050年カーボンネガティブに向けては、CO2を使用した原料の作成と、自社製品での活用に向けた技術開発に取り組んでいます。
日本は、再エネの発電コストが年々低減しているものの、国際標準と比べて再エネの発電コストが高い状態にあります。理由は様々ありますが、そのうちの1つとしては日本の再エネの市場規模が小さいことが挙げられており、諸外国と比べて再エネに関連する産業に投資が回らず、産業の発展が遅れ、コストの高さにつながっています。そのため、RE100に関わらず、こういった環境イニシアチブへの参加企業増加に伴い、再エネ市場が活性化し、エネルギー技術の発達等が起こることで再エネの価格低下につながることは大いに考えられると思います。単に、地球にやさしい、対外的な企業へのアピールが出来るだけではなく、再エネ調達に取り組むということは、コストの面からも巡り巡って各企業に恩恵をもたらすことに繋がるのです。
世界中で脱炭素が叫ばれる中、各企業は環境に配慮した経営というものが今後必須になっていきます。そのため、RE100は、今後ますます重要な枠組みになり、多くの企業がこのRE100への参加や取り組みに注力していくことでしょう。本記事が、貴社の環境経営に向けた取り組みの第一歩となれば幸いです。
【参考】
アーツアンドクラフツ Consulting & Solution事業部/コンサルタント
外資系企業の日本参入支援や新規事業策定支援等の経営戦略コンサルティング案件の実績を多数保有