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AC社長ブログ「ともに、つくる」vol.45

ものづくりの進化

昨日はithの工房と生産管理の定期的な取組み発表会でした。これは現場から日頃の取り組みを事業部長と私に報告する会で、工房と生産管理それぞれ二時間強に渡りマネージャー、主任、メンバー全員の声を聞きました。その中でも、特に生産管理の変化には目を見張りました。

実は生産管理は今年から新たなマネージャーを迎え組織の刷新が進んでます。昨日私が目にしたのは、それ以前に比べ、明らかに主体的に組織作りとカイゼンに従事している一人一人のメンバーの姿でした。

 

実際にやってみて思うのですが、ものづくりというのは最も顧客から遠くにあります。接客やマーケティングといった顧客接点では、何を言ったとしても顧客の意思に勝るものはありません。しかし、顧客の意思が見え難いものづくり現場では、ときに親方的な立場の存在が絶対となってしまう場合があります。

勿論、親方が顧客の意思を最も理解していることで強い組織力を発揮することはあります。これはマネジメントの世界でも言えることですが、往々にして強いB2C企業(小売り等)は強力なワンマン社長が存在します。ただ、得てして親方やワンマン社長の考えが顧客の意思と乖離してきた時に悲劇が生まれます。

ちなみに勘違いして欲しくないのですが、前任のマネージャーに問題があった訳ではありません。前任者はithの生産管理をゼロから作り上げたithものづくり中興の祖のような存在で、ithのものづくりのコンセプトである「顧客とものづくりの距離をなくす」を一番理解し仕組みを作り上げ、現在も外部アドバイザーとして現場力向上に尽くしてくれています。そういう意味では、ものづくりの現場が顧客の意思を大きく違えてしまうことは、これまでもなかったと思ってます。

 

しかし、今振り返ると、親方やワンマン社長のような存在が主導する現場に起こり易いもう一つの現象の方は発生してたのだと思います。それはトップダウン文化です。強力なリーダーの存在は、往々にして本人の意志というより周囲の忖度の結果トップダウン文化が築かれます。先にも述べたようにトップダウンで生産性が高い組織は多くありますし、それが決して悪いとは言いません。しかし、トヨタのカイゼンの例をとるまでもなく、本来ものづくり現場はボトムアップが特に力を発揮する世界であることも事実です。

ただ、私が昨日目にした生産管理の現場には、以前とは比べ物にならないくらいのボトムアップ文化がありました。

 

この春に新たなマネージャーと現場の主要メンバーと最初に行ったのは、まず生産管理のモットーを考えることでした。それまでは「QCD(品質、コスト、納期)を守る」を掲げていましたが、ithの一点物のものづくりに合わせて「QCDの説明を尽くす」に変更しました。新たなモットーが意味するところは、お客様のご要望を最大限実現する為に何が出来るか常に考え、可能ならば制約や条件を伝え、難しいならばどこまでだったら可能か、又なぜ難しいのかの理由をつくり手(顧客接点)に説明する。また職人にも同じように顧客の要望を最大限言葉にし実現を促すということです。

その上で、マネージャーと主要メンバーが、新たなモットーに対してどのようなアクションが出来るか考え、日々実現に向けて取り組んでます。その中でマネージャー自身が挙げたアクションは「情報のオープン化」「他部署との交流の促進」「将来的な異動による人材の流動化」でした。正直、マネージャーからそれらを最初に聞いた時に私は抽象的に感じられ、あまりイメージが浮かんでいませんでした。しかし、昨日の進捗発表会に参加して初めてその重要性を理解しました。

 

ボトムアップ文化の醸成を妨げるのは、情報の偏りです。特に内と外のパイプとなるトップに情報が集中している場合、組織的に孤立し易くなり結果的にメンバーはトップを見るしか判断基準がなくなります。まずは情報をオープンにすること。人を交流させること。そして定期的に人を入れ替えること。それこそが、メンバーが主体的に考える土壌を育てます。ただ言うは易しですが、それを半年で効果が出るところまで持っていくには、マネージャーだけでなくメンバー全員の主体的な貢献があったことでしょう。昨日その一つの結果を見て、私は少し感動しました。生産管理メンバーには、今後も主体的な「攻める」生産管理としてithのものづくりを牽引してもらえることを願っています。

 

宮﨑

「ともに、つくる」は主にインナーコミュニケーションを目的とした社長ブログです。

宮﨑晋之介

アーツアンドクラフツ代表取締役社長。考えるよりも動く現場主義。創業以来一貫して事業の最前線に立ち様々なパートナーと価値をつくりあげる。

5F, 1-3-18 Hiroo, Shibuya-ku, Tokyo
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