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AC社長ブログ「ともに、つくる」vol.41

コミュニケーションの難しさ

先日ある会議にて、ドラッカーの「プロフェッショナルの原点」から「理解される」ということについて参加者の間で議論しました。(第3章の27番)

ドラッカー曰く「マネージャーや専門家など貢献に責任を持つ者は、組織の中で理解される努力をしなければいけない。」

また「組織において、コミュニケーションは手段ではなく、組織のあり方そのものである。」とも彼は言っています。

 

意外かも知れませんが私は社内コミュニケーションが苦手です。創業以来10年以上悩み続けていると言っても過言ではありません。

昔は違いました。前職でマネージャーをしていた頃は自信と情熱をもって答えや未来を伝えることが私のコミュニケーションだと思ってましたし、今も取引先や金融機関など外部のステークホルダーに対しては、この私のコミュニケーションスタイルが適切であると思っています。

 

それが社内コミュニケーションになると途端にそのスタイルが正しい方法なのか疑わしくなってしまう。例えば、最近の例から二つ挙げてみます。

私は毎年全国のつくり手達へithの接客を伝えるアトリエ研修というものを行なっています。ithはお客様へのブランド価値向上の為に、接客の質には大変なこだわりを持っており、毎年のアトリエ研修は数ヶ月間かけて接客の解釈や改善を全つくり手と共に行なっていくという一大恒例行事です。

ここで毎回私が悩むことがあります。私が強く「接客の方法」を訴えると、つくり手の中にはそれを「絶対に行わなければいけないルールやマニュアル」であると受け取ってしまう人が出てきます。しかし、接客に「絶対に行わなければいけないルールやマニュアル」はありません。必要なのは「お客様に寄り添う」という「原則」です。

「原則」とは、各つくり手が自由に考え行動する為の「拠り所」です。画一的に行動する為の「決め事」とは違います。ただ、私の立場や、私の言葉や声色といった表現から、それを「原則」ではなく「決め事」だと勘違いさせてしまうことがある。これは私にとって大いに反省すべきことです。

 

次の例は、先日のC&Sの月一の定例会議の場での起こったことです。その会議の場で、メンバー有志達から福利厚生のアイデアが提案されました。メンバーが会社のことを考え、行動することは素敵なことであり、私としても大変喜ばしいこととして見ていました。

ただ後で悔やんだのは、つい気になったことを何点かその場で指摘してしまったことです。私はその指摘により、二つを心配しました。一つは、せっかくのメンバー皆の気持ちを削いでしまったのではないかという懸念です。

もう一つ、これはより重大なのですが、「何かを決める時には社長が納得しないといけない」という間違ったメッセージを発信してしまったのではないかという懸念です。組織における意思決定は、誰のどんな起案であっても、それが組織の「目的」や「原則」に適っているかをベースに所定の意思決定の流れで決まっていくものです。あのタイミングで私が何気なく発した言葉が、その本来の流れを間違った方向に誘導してしまったのではないかと心配しました。

 

なんだか細かいことにウジウジ悩んでいる陰キャの告白のようになってしまいましたが、改めてドラッカーの「組織において、コミュニケーションは手段ではなく、組織のあり方そのものである。」という言葉を引くと、そういう細かなコミュニケーションの機微の積み重ねが実はとても大切なんだと思います。

社内コミュニケーションにおいて私が最も大切にするべきなのは「目的」や「原則」を各部、各メンバーと握ることだと思っています。それは例えばithなら「たくさんよりも、ひとつをたいせつに」ということであり、その中のつくり手なら「お客様に寄り添う」ということ。C&Sなら「ビジネスプロフェッショナルの育成(=BPとしての自身の成長)」であり、「クライアント価値に全力で取り組む」ことです。全社的にはヴィジョンやAC Commonsがそれらにあたります。

私の社内コミュニケーションとは、それら「原則」や「目的」を説くことであり、それらを拠り所として、みんなが自分の意思で考え、最善を尽くすことを「信じる」ということなのかなと思います。ただ、コミュニケーションスタイルってそんな簡単に変えられるものではないので、悩みながら、それでもみんなに「理解される」ことを願っている日々ではあります。笑

 

宮﨑

「ともに、つくる」は主にインナーコミュニケーションを目的とした社長ブログです。

宮﨑晋之介

アーツアンドクラフツ代表取締役社長。考えるよりも動く現場主義。創業以来一貫して事業の最前線に立ち様々なパートナーと価値をつくりあげる。

5F, 1-3-18 Hiroo, Shibuya-ku, Tokyo
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