当社は、コンサルとブランドという、異なる二つの事業を軸に成長してきました。
自分たちにとっては当たり前の感覚ですが、実際には、ここまで異なる事業がそれぞれ独立して一定規模まで成長しているケースは珍しいようで、当社の特徴としてよく指摘されます。
一方で、この二つの事業は、これまで別々の世界で動いてきました。
もちろん、例えばC&Sからブランドへのコンバート、新卒メンバーの登竜門的なプロジェクトなど、接点がなかったわけではありません。
ただ、それでも本質的には、それぞれが独自の進化を遂げてきた事業だったと思います。
そんな中、来期に向けて、ひとつの大きな取り組みが始まろうとしています。
きっかけは、平田役員からの提案でした。
平田役員は以前から、C&S事業部を「当事者として、事業をつくり、ドライブできるコンサルファーム」にしたいと話していました。
単なる計画立案や伴走支援に留まらず、事業の当事者として、成果が出るまで実行する。
そういう組織へ進化したい、と。
そして今期、組織のレベルや人員体制が一定ラインまで来た中で、「来期から、その挑戦を一歩進めたい」という相談を受けました。
M&Aによる新規事業の獲得なども含め、今後の展開を議論する中で、彼から最初に提案されたテーマが、ithの改革でした。
「まず隗より始めよ。自社の事業を良くできずして、他を良くできるわけがない」
その言葉は、非常に腹落ちするものでした。
ithを取り巻く環境は、年々厳しさを増しています。
地金価格の高騰。
婚姻組数の減少。
競合ブランドの増加。
これはもはや、当社だけの問題ではなく、業界全体の構造変化です。
ただ、その中でも、ブランド事業部は本当によく戦ってくれています。
マーケティングチームは、厳しい環境下でもブランドシェアを伸ばしています。
つくり手たちは、新しい価格帯の接客に悩みながらも、お客様にどう向き合うべきかを模索し続けています。
生産現場では、吉田・三浦両役員自らが入り込み、地道な業務改善を積み重ねています。
海外事業も、ようやく黒字化が見え始め、シンガポールは今やトップアトリエと呼べる存在にまで成長しました。
この一年、現場がどれだけ努力してきたかを、私は見てきました。
だからこそ、「厳しい状況です」と伝えなければならないことに、経営として申し訳なさを感じています。
ただ同時に、ここで真正面から向き合わなければ、この先の未来はつくれないとも思っています。
だからこそ今、現場の努力に加えて、C&Sが長年培ってきた戦略力と伴走力を、本気でブランド事業へ投入します。
今回の取り組みでは、平田役員を責任者として、C&S内でチームを組成し、実行まで含めて成果を出すところまで取り組みます。
計画だけをつくるプロジェクトではありません。
現場に入り、動き、改善し、結果を出すところまでやり切る取り組みです。
これは、C&Sにとっては、「当事者として事業をつくり、ドライブできるファーム」への進化の第一歩でもあります。
そしてブランドにとっては、お客様に誠実に寄り添い、ものづくりへ真摯に向き合うことで、その価値をきちんと届けられる世界を取り戻す挑戦だと思っています。
簡単な改革にはならないと思います。
痛みもあります。
変化もあります。
ただ、それでも私は、今のアーツアンドクラフツなら、この変化を前向きな力に変えられると信じています。
コンサルとブランド。
これまで別々に成長してきた二つの軸が、初めて本気で交わる。
この取り組みが、アーツアンドクラフツという会社の次の成長をつくる、大きな転換点になることを願っています。
宮﨑
「ともに、つくる」は主にインナーコミュニケーションを目的とした社長ブログです。


アーツアンドクラフツ代表取締役社長。考えるよりも動く現場主義。創業以来一貫して事業の最前線に立ち様々なパートナーと価値をつくりあげる。