
※この記事は、弊社のC&S事業部、特に戦略コンサルを志望している方に向けて、当事業部でどんな人材がどのような心構えを持って働いているのか?を紹介し、当事業部の雰囲気や文化への理解を深めていただくための記事となります。弊社の事業の活動内容を知りたい方は、Knowledge&Insight内のタグ機能にて、ご覧になりたいカテゴリを選択したうえで閲覧ください。
本記事が成長できる環境を求めている方や、コンサルタントとしてのキャリアを検討されている方の一助となれば幸いです。

本日、筆を執らせていただきました篠原亘と申します。
現在、コンサルタントとして、製造業やIT領域を中心に企業の業務改善やDX推進に携わっています。現在に至るまで、決して一直線のキャリアを歩んできたわけではありません。大学時代の専攻はビジネスとは程遠い「動物科学」でした。動物の生理、遺伝、飼育管理などを専門的に学び、終始実験に明け暮れる日々でした。
就職先も、大学で学んだ分野を活かす形で、動物検査会社に入社。そこで私は、検査結果の分析、品質管理、現場プロセスの改善提案など、現場に寄り添った業務を中心に担当しました。動物検査という特殊な世界ではありましたが、「正確で効率的なオペレーションが現場では求められる」ことを肌で感じる経験となりました。
一方で、もともと家族が会社を経営していたこともあり、日常的に“経営”に触れることが多かった私は、現場改善だけではなく、経営方針などを考える立場への憧れが芽生えてきたのです。
前職では、現場の業務改善に携わる一方で、社長や新規事業担当の方々と議論する機会にも恵まれていました。そこで痛感したのが「自分には、ビジネススキルも実戦経験も圧倒的に足りない」という事実でした。どれだけ現場を知っていても、経営の視点で語るためのロジックやフレームワーク、提案力が備わっていなければ、議論のテーブルにすら立てない。この悔しさが私の中に強烈に残りました。
このままでは終われない。もっと成長したい。もっと広い世界で戦いたい。
その思いが、私をコンサルティングの世界へと突き動かしました。
私のビジネスマインドが大きく変わったのは、アーツアンドクラフツに転職後の初プロジェクトでした。
当時、企業の新規事業検討に関するリサーチ業務を任されていましたが、社内のコミュニケーションツールであるSlackには次々とタスクが流れ、上司や先輩は当たり前のように専門用語を使いながら議論を進めていました。その空気感に飲まれながらも、「とにかく期待に応えなければ」という一心で、朝から晩までひたすら調査を行っていました。
必死に情報を集めましたが、どれだけ調べても、クライアントが求めるような“事例”が見つからず、検索ワードを変え、英語文献も漁り、時間だけが過ぎていく中で、次第に焦りと不安が募っていきました。
意を決してPM(プロジェクトマネージャー)に状況を報告しました。
「事例が全然見当たらないです……」。正直、「仕方ないですよね」と言ってもらえることをどこかで期待していたのだと思います。
しかし、その時に返ってきた言葉は、今でも鮮明に覚えています。
「事例が無いこと自体はいい。コンサルとして求められるのは、その事象を踏まえて“どんな示唆が導けるのか”を示すことです。」
一瞬、頭が真っ白になりました。自分は“頑張って調べた”という事実に安心し、そこから一歩も先に進めていなかったのだと、その一言で突き付けられた感覚でした。
ただ情報を集めるだけでは価値は生まれないのです。”事例が無いのであればなぜ無いのか”、”無いという事実からどんな示唆が導けるのか”。
つまり、調査結果を並べるのではなく、”So What(だから何なのか)”を示すことこそが、コンサルタントとして求められている価値なのだと、初めて腹落ちした瞬間でした。
その後、右も左も分からない私にPMから”リサーチでどのような仮説を検証しようとしているのか”という前提からご説明いただき、さらに私が”どのようなキーワードで検索をしていたのか”など細かいところまで丁寧にフィードバックをいただいたおかげで、何とか乗り越えることができました。
この一件をきっかけに、「自分はコンサルタントとして何もできていない」と心の底から痛感しました。
それからというもの、論点思考、仮説思考、構造化など、基礎スキルだけでなく、コンサルに求められることが何なのかを改めて考えるようになりました。そのうえで「自分はどんなコンサルタントになりたいのか」、「どんな価値をクライアントに発揮したいのか」などの理想像も描き直す良い期間となりました。
さらにコンサルタントとしての価値を、これ以上ないほど強烈に突き付けられた経験があります。
それは、DX推進のプロジェクトで、初めてMGR(マネージャー)としてアサインされた時のことです。
MGRになると、景色が一変します。
自分の作業だけを見ていればよかった頃とは違い、PJ全体の設計、メンバーの進捗管理やフォロー、クライアントとの調整、成果物の品質担保まで、あらゆることが同時並行で押し寄せてきます。
クライアント先に常駐し、朝から晩まで会議が続き、気づけば自分のPCを開く時間は夜遅くになっており「今日は何とか乗り切った」と思っても、翌日にはまた新しい課題が積み上がっていく。そんな日々が続いていました。
目の前のタスクを処理することに必死で、「考える時間」を完全に失っており、その結果、クライアントに対して本来あるべき“提案”が一切できていませんでした。
ある打ち合わせの中で、クライアントから「コンサルタントとして、提案がないんだけど。」と言われる始末。その一言を聞いた瞬間、言葉に詰まりました。
反論する余地もなく、悔しさと情けなさで胸が締め付けられる感覚を今でも覚えています。
忙しさを理由に、自分は「頼まれたことを回す人」になってしまっていた。
しかし、クライアントが高いフィーを払ってまでコンサルタントに求めているのは、作業の代行ではありません。
この経験を通じて、コンサルタントとは“頼まれたことをやる人”ではなく、“価値を創りにいく人”であるという、当たり前でありながら最も重要な本質がようやく自分の中で血肉になった瞬間でした。
どれだけ忙しくても、どれだけ立場が上がっても、「提案する姿勢」を失った瞬間に、コンサルタントとしての価値は下がってしまう。この痛みを伴う学びは、その後の私の仕事のスタンスを大きく変える転機となりました。
ターニングポイントとなったのが、業務改善プロジェクトです。
私は、初めて「ほぼ一人でプロジェクトを任される」形でアサインされました。キックオフ資料の作成、現状の業務可視化、改善施策の立案、クライアントとの折衝、プロジェクト進行管理など、この一連の流れを全て一人で担当する必要があり、正直、最初は不安しかありませんでした。
協働していたコンサルティングファームのパートナーは多忙で、十分なサポートを受けることができない状況であり、「これはもう、自分がやるしかない」と覚悟を決め、キックオフ資料の作成に着手しました。0→1で構成から資料を作り込み何とか完成させ、次にクライアントへのプレゼンも自身で担当させていただきました。
キックオフから自分がメインでプレゼンをする経験は少なかったため不安でしたが、パートナーからのフォローもいただき無事乗り越えることができました。しかし安堵している暇もなく、次は現状業務可視化に向けたヒアリングの嵐が待っていたのです。
現場のオペレーションを深く理解するために、何度もクライアント先へ足を運び、ヒアリングは数十回におよび、討議用に作成したスライドは討議の内容を記載したタグだらけとなっていました。ひたすら業務フローを書き出し、課題を洗い出し、改善ポイントを整理し、施策を提案するという、この作業を繰り返す中で、自分の中の「コンサルタントとしての筋力」が明確に強くなっていくのを感じました。
最終的に、プロジェクトは大きなトラブルもなく無事完遂。クライアントからも高い評価をいただき、協働させていただきたパートナーからは「ぜひ次の案件も一緒にお願いしたい」という言葉をいただけました。自分の努力が実り、確かな成長を感じられた瞬間でした。
これからコンサルタントを目指す新卒・中途の方々へ、私からお伝えしたいことが2点あります。
1つ目は、最初から完璧なキャリア像やコンサルタント像を描けなくても問題ないということです。
私自身、コンサルを志した時点では、「ビジネススキルを身に着けたい」「経営に携わりたい」という漠然とした理由しかありませんでした。しかし、経験を積む中で、挫折し、学び、成功しながら、徐々に自分の中のイメージが輪郭を帯びていきました。
重要なのは、憧れのイメージ像だけでも良いので、”自分がどうありたいかを常に探し続けること”です。
2つ目は、失敗を恐れないことです。
私は自慢にもなりませんが、会社の中で一番MGRやクライアントから指摘を受けてきた自負があります。
失敗を未然に防ぐことももちろん重要ですが、失敗や指摘された後に自身がどのようなアクションをするかが重要です。
MGRやクライアントも、必死に食らいついてくる(努力している)方を嫌がる人はほとんどいません。むしろ好感を持っていただけることのほうが多いと思います。
なので、失敗を恐れず、常にトライアンドエラーを繰り返すことが成長の近道かと思います。
余談ですが、こうした姿勢や成果が評価され、私は社内の飛び級制度による昇格を経験しました。
ここで少し「飛び級制度」について補足させていただきますと、単に「成果を出したから早く昇格した」という制度ではありません。定量的な評価はもちろん、求められるスキルも兼ね備えた人材を前倒して評価し昇格させてもらえるという制度で、半期ごとに約1~2名が対象となりますが、候補者がいない時期もあり、その中で、私自身が選ばれたことは光栄に思います。
決して特別な才能があったわけではありません。失敗を重ね、指摘を受け、そのたびに改善し続けた結果として、スキルが定着。プロジェクトも任せていただけるようになり、その積み重ねが評価につながったのだと思います。
これからコンサルタントを目指す皆さんも、ぜひ目先の評価や失敗に一喜一憂せず、日々の経験を糧にしながら、自身の成長と向き合い続けていただければと思います。
成長に向き合い、挑戦を楽しめると方と一緒に働けることを楽しみにしています。
アーツアンドクラフツConsulting & Solution事業部/コンサルタント
「こんな情報を紹介してほしい」「こういった視点の記事を読んでみたい」などの要望がありましたら、弊社問い合わせフォームよりリクエストを頂ければ幸いです。