昨日は、今期の方針発表会にご参加いただき、ありがとうございました。
今回はオンライン開催となりましたが、初の試みとして、役員だけでなくマネージャーにも登壇してもらい、それぞれの言葉で、この一年の方針を皆さんに共有してもらいました。
前期は、まさにジェットコースターのような一年でした。地金の高騰に端を発したさまざまな問題が連鎖的に発生し、ブランド事業部の上期の業績は非常に厳しく、全社としても大きな赤字を計上することとなりました。
しかし、そこからの改革が功を奏し、下期には想像を超えるV字回復を実現。結果として、通期の営業利益は前々期と同水準まで持ち直すことができました。このことは、会社にとって「危機を全員で共有し、乗り越える」という、非常に大きな経験だったと信じています。
当社は創業以来、一貫して平均120%の売上成長を続けてきました。これは大変誇らしい実績ではありますが、切れ目のない成長は、少しずつ組織に歪みを生じさせることもあります。
現在、ブランド事業部とC&S事業部がそれぞれ直面している課題は異なりますが、その根底には共通する要因があると感じています。
今期は、こうした長年の成長に伴って生じた組織の歪みを正し、姿勢を新たにして、次の成長へと踏み出す期間にしたいと考えています。私はそれを、「売上ではなく、内容の成長」と呼んでいます。
ブランド事業部では、この数年にわたり多くの取り組みを進めてきました。鍛造技術の導入によるものづくりの幅の拡大、つくり手の婚約指輪に関する知識向上の取り組み、5EXやサリネといった先進的な施策によるダイヤモンド価値の訴求など、これらは確実に顧客価値を押し上げてきたものです。
一方で、こうした成果の裏には、挑戦してみたものの価値につながりきらなかった数多くの試みもあります。しかし、それらの挑戦も含めて積み重ねることでしか、本当の価値は生まれません。だからこそ、私たちはこれからも挑戦を続けていかなければならないのだと思います。
ただ、そうした取り組みは、成功・不成功にかかわらず、次々と現場の業務として積み重なっていきます。だからこそ今は一度立ち止まり、それらを棚卸しするタイミングなのではないかと感じています。現場に少しでも余裕を生み出すこと――それが、次の顧客価値の向上につながると考えています。
私はそれを「質の向上」と捉えており、ブランド事業部が目指す中身の成長だと考えています。これを、今期1年間の重点テーマとして取り組んでいきます。
C&S事業部はこの数年間、未経験者の採用・育成によるサブコンモデルとしてビジネスモデルを確立しつつ、全社の利益センターとして大きな貢献を果たしてきました。おかげさまで前期は、ひとつの節目と言える「50名体制」「売上5億円」を突破することができました。
一方で、事業の精度が高まるにつれ、逆にその枠組みから出にくくなっている感覚もあります。
もともと当社は、コンサルファームを目指すこと自体が目的だったわけではなく、「面白い事業を自ら創り出し、さまざまなプロフェッショナルを育てていく」ことに重きを置いてきました。そう考えると、ここ数年は特にB2B分野での新たなチャレンジが少なかったのではないかと、改めて感じています。
今期のテーマは「殻を破る」です。
役員・ユニット長といったマネジメント層が、C&S事業部の新たな挑戦にコミットし、既存領域の強化、新規領域の開拓、そしてプライム化の推進に取り組んでいきます。
一年後には、メンバー一人ひとりにとって「こうなりたい」と思える魅力的なロールモデルを、私たち自身の姿で示せるよう牽引していく――それこそが、C&S事業部の中身の成長だと考えています。
以上
土台を整えずして、次の成長はありません。今期はその礎を築く一年です。ともに次のステージへ向かいましょう。
宮﨑
「ともに、つくる」は主にインナーコミュニケーションを目的とした社長ブログです。
アーツアンドクラフツ代表取締役社長。考えるよりも動く現場主義。創業以来一貫して事業の最前線に立ち様々なパートナーと価値をつくりあげる。