この4月から、C&S事業部はユニット制へ移行しました。
従来のチームが三つのユニットにまとめられ、平田、鈴木の両役員、そして当社としては初の大手ファーム出身の新プリンシパル早坂さんの三人がそれぞれを率います。
また、この3、4月は多くの人が旅立ちます。もともとコンサル業界は人材流動性が高く、特にこの時期は出入りが多い時期ではあるのですが、それでも当社としては過去5年間でもっとも変動が激しくなりました。
今は、将来に向けたひとつの転機になると考えてます。新たな体制が、その進化をドライブしてもらえればと願ってます。
先月から多くのメンバーと1on1をする中で、C&S事業部のビジョンが話題になることが何度かありました。
ビジョンって難しいよね。
コンサル組織におけるミッションやバリューというのは、ある意味で単純だと思います。
クライアント価値の最大化をミッションとして、プロフェッショナルマインドとスキルをバリューとする。言い方は、それぞれだけど、だいたいどこも同じようなこと言うてる。
コンサル組織が、特定の商品やサービスを持たず、人自体を売り物としている以上、ミッションやバリューは組織の一人一人に紐付けられる。(これが事業会社だと、特にミッションはその商品やサービス、ブランドに紐づくことが多い)
一方で、ビジョンは組織内の個人ではなく、その組織に紐づく訳なんだが、単なるキャッチコピーではない、実態あるビジョンを持つコンサル会社って、そんなに多くはない気がしてます。
ビジョンって何だろう?
ここでは、その組織の「共感できる未来」をビジョンと言っておきましょう。それを「期待」と言い換えてみよう。社会が、社員が、クライアントが、その組織へ期待するもの。その期(トキ)が待たれるもの、目指すべき価値があるもの。それがビジョン?
ちなみに、私はこの5年間、C&S事業部に対して「やる気と地頭があれば、誰でもコンサルスキルを得られる場」という意義を見出してきました。この業界の縁(フチ)にあり、ゲートウェイとして未経験者を受け入れ、育てる場。それを広げることで、この社会へより多くのビジネスプロフェッショナルを提供できる存在となりたい。
その根底には、自分自身もマーケティングというB2B出身者として、ジュエリー業界にどっぷり入る中で気づいたこと。車やITなど一部の巨大産業以外の分野において、ビジネスをドライブすることができるプロフェッショナルが圧倒的に足りてないな、という問題意識がありました。
でも、それってメンバーにとっては、門をくぐる時(過去)に意義があるのであって、待つ期(トキ)=期待(ビジョン)になってないのかもしれない、と悩んだりしてます。
また、そもそもだが、当社に限らず、大手においても、コンサルを目指す人は組織へビジョンを求めているのだろうか?
ミッション&バリューを背負った個人の集団であるコンサル組織においては、一人一人はどこまで個人主義であったりするのではなかろうか?これは、この業界の多くのパートナー級の方々と、私が接する中で感じるところではある。
これに対して、事業会社のビジョンはけっこう明確であることが多い。事業会社においてはミッション(現在)が商品やブランドといった外部化した存在に紐づいてるので、ビジョン(未来)もその延長線であればよい。当社でもithとはそういう存在。
一方で、コンサルの場合、ミッション(現在)を個人へ紐づけているので、ビジョン(未来)は、個人→組織というジャンプが必要になる。(アクセンチュアとかBCGとかは、あれはもうブランドだよね)
無名のコンサル組織の場合は、このミッション(個人)からビジョン(組織)へのジャンプがうまくいかず、単なる個人としての成長を追求する場となり、「で、ビジョンってなんだろう?」てなるのかなと。
だとすると、コンサル組織のビジョンは、個人一人一人の思いのようなものを重ね上げて作らないと、結果、メンバーの期待(共感する未来)とはなり得ないのかもしれない。
冒頭に述べたように、いまは転換期です。
コンサルタントが考える存在であるのならば、とってつけたようなビジョン(キャッチコピー)を有り難がるよりも、ビジョンをともに考える存在であって欲しいです。ぜひ、みんなの声を聞かせてください。
(そもそも、ビジョンって何やろな〜とか言うてる社長のアホさはお許しいただき、笑)
宮﨑
「ともに、つくる」は主にインナーコミュニケーションを目的とした社長ブログです。
アーツアンドクラフツ代表取締役社長。考えるよりも動く現場主義。創業以来一貫して事業の最前線に立ち様々なパートナーと価値をつくりあげる。