AC社長ブログ「ともに、つくる」vol.119

入社式

今年は9名の新卒社員を新たに迎え入れることができました。

これから研修を経て、ブランド、コンサル両事業部に配属となります。先輩のみんなはあたたかく迎え入れてください。

 

毎年恒例となってますが、私からの祝辞を共有します。

 

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新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。

本日から皆さんと仲間として働けることを、私、ここにいる役員、そして皆さんがこれから出会っていく先輩社員一同、心から嬉しく思っています。

 

さて、今日は私から、皆さんに「仕事観」について少しだけお話しをさせてください。

「仕事観」と聞くと、なんだか堅苦しく感じるかもしれませんが、これは簡単に言えば、自分が仕事を通して、どう生きていきたいか、どう在りたいかという軸のようなものです。

 

今はAIが多くのことを効率的にこなしてくれる時代になりました

情報を探す、答えを得る、その多くは、もはや“人に聞かなくても済む”かもしれません。

だからこそ、わざわざ人と出会い、影響され、時にぶつかりながら、自分の軸をつくっていく──そんな一見回りくどく見えるプロセスの価値が、これからは一層問われるように思います。

 

私自身のこれまでの社会人生活を振り返ってみると、ある順番で大切な人たちに出会ってきたことが、自分の仕事観をつくってくれたと感じています。

その順番とは──「師となる人」、次に「ライバル」、そして「仲間」です。

 

私の“師”は、新卒で入社した会社の上司でした。

正直な話、不完全で、清濁併せ持った、賛否両論ある人でしたが、仕事に全力を尽くす人でした。

社会に出たばかりの私は、「この人のようになりたい」と心から思ったんです。

それからは、その人の話し方、振る舞い、物事の捉え方を徹底的に真似しました。

数年もした頃には、どんな会議でも、一人で参加して、その師匠と全く同じように考え、同じ発言ができる、周囲からコピーロボットと呼ばれるレベルまでなっていました。当時の私にとっては最大級の賛辞でしたね。

 

今振り返ると、その徹底した模倣が、私の仕事観の“はじまり”でした。

真似ることで、自分のなかに“借りもの”の価値観が入り込んでくる。

でも、借りものでも構わない。そこから何かが動き出すんです。

 

その後、ライバルと呼べる存在にも出会いました。

負けたくないと思う一方で、どうしても自分には敵わない部分には、素直に尊敬の気持ちも抱いていました。

どこなら勝てるか、どこなら自分の強みを発揮できるか。

そんなことを考えながら必死で競ううちに、真似から始まった“自分らしさ”の中に、少しずつ、自分自身の“地”があらわれてきて、いつの間にか、それは借り物ではない、本当の自分らしさになっていったように思います。

そんなこんなで10年くらいかかったかもしれません。

 

そして最後に得たのが、信頼できる仲間です。

本当の自分らしさを認めてくれて、ともに働いてくれる仲間。

この会社を一緒につくり、そして育ててきた仲間たち、まさに今ここに列席している役員たちです。

仲間と共に仕事が出来る日々の誇りと、そして葛藤が、今も現在進行形で私の仕事観を前に進めてくれています。

 

仕事観というのは、ひとりで考えて作れるものではありません。

誰かと出会い、その人に影響され、ぶつかり、支え合っていく中で、自然と育っていくものです。

けれど最近は、「自分らしさ」が過剰に求められるあまり、「誰かを真似する」とか「人に影響される」ことが、“自分がない”ように見られてしまう傾向も少しあるのかと思います。

 

でも、私はあえて、こう言いたい。

人は、人のなかでしか育ちません。

関係性のなかでしか、自分の軸はつくられません。

そしてそれは、AIには代替できない、人間ならではの学び方です。

 

この「仕事観」という軸があるかないかで、人生の豊かさは、大きく変わってきます。

なぜなら、多くの人にとって、人生でいちばん長い時間を使うのが、仕事だからです。

だったら、その時間を、自分らしい仕事観をもって、楽しんでいきたいじゃありませんか。

 

そして、その一歩目は、きっと「真似ること」から始まるんだと思います。

ですから皆さんに、まずお願いしたいのは、

「この人のように働いてみたい」と思える先輩を見つけること。

欠点があっても、不完全であっても構いません。何か感じるものがあれば、その人があなたのスタート地点です。

そこから、皆さん自身の仕事観が、少しずつ、確かに育っていきます。

 

改めて、本日は入社おめでとうございます。

これから、一緒に働けることを、心から楽しみにしています。

 

宮﨑

「ともに、つくる」は主にインナーコミュニケーションを目的とした社長ブログです。

宮﨑晋之介

アーツアンドクラフツ代表取締役社長。考えるよりも動く現場主義。創業以来一貫して事業の最前線に立ち様々なパートナーと価値をつくりあげる。