アーツアンドクラフツのモノづくりは、デジタルの領域にも活動の場を広げています。
そこには、どのような取り組みやビジョンがあるのでしょうか。
IT企業としてのアーツアンドクラフツの現在と未来を語ります。
—— 現在のアーツアンドクラフツのエンジニア業務は、RPA(Robotic Process Automation)関連が多くなっています。RPAとはロボットによる業務の自動化で、簡単にいえばパソコンでの事務作業をロボットがやってくれるというものです。そのシステムを自分たちで構築し、プログラミングするという業務となります。
—— この会社には初期段階からコンサルティング部門があり、業務改善やコスト削減などをクライアントに提案していました。そしてITを使って実際に業務の効率化を推進するという動きが出てきた時に、この仕組みまで自社でつくってトータルで提案できないかということになり、事業として立ち上がったのです。
—— 開発実績としても、通信系、製造系などの大手企業に導入させていただいていて、この分野は今後も成長していくであろう手応えを感じますね。
—— エンドユーザー向けのサービスに近い感覚で開発しているのも、この会社の特徴ですね。コンサルタントと連携し、クライアントの窓口であるお客様と直接やりとりしながらシステムを構築していきます。いわゆるウォーターフォール型の大規模なシステム開発会社とはちょっと違う部分で、そこに魅力を感じるエンジニアには面白い環境だと思いますね。
それと当然ながら、自社ブランドの「ith」の社内システムも自ら開発し、運用しています。自分たちの会社のものなので、このシステムで新しい機能や仕様を検証し、ノウハウを蓄積するということも実際にやっています。クライアントに提案する前に実証実験ができる環境があるというのは、意外と大きな強みなんです。
—— この会社のいいところは、自分たちで思いついたことはとりあえずやってみようという姿勢だと思います。そのためにエンジニアがいる。手を動かしてみて、カタチになりそうだったら続ければいいし、無理そうならやめればいい。大事なのは、まずは小さく始めてみる。経験上、そのほうがやっぱり“早い”んです。
—— 私がアーツアンドクラフツに転職したのも、この会社のベンチャー的な文化に惹かれたというのが大きいですね。前職の場合は、規模感は途方もなく大きいんですが、やることは仕様書通りにシステムをひたすら開発していくだけといった案件が多く、わりと単調な仕事ばかりだったんです。この会社の場合は、なんというか仕事に疾走感みたいなものがあるんですよね。自分が手を動かせば、どんどん面白い仕事をつくり出せる。そんな実感があるんです。
—— まさに自分たちが期待しているのは、そういうスピード感を楽しめるエンジニアなんです。本来エンジニアって、まずは手を動かすみたいなことが好きな人が多いと思うんです。でも、現実にはそういう機会はあまりない。仕様書をつくったり、得意先と細かいやりとりを重ねたり、高いスキルをもっている人は大勢いるはずです。そういう人たちが楽しんでチャレンジできる環境をつくって、いろんなエンジニアに参加してもらいたいというのが、正直な気持ちなんです。
—— 自社ブランドのithから生まれるアイデアもたくさんあります。ithの経営で培ってきたマーケティングのメソッドをRPA化するプロジェクトも現在も進めています。自分たちが小売業をやっているからこそ、小売業の課題がよく見えるという発想ですね。自分たちが改善してきた方法論を、それを望む多くの企業に展開できれば、この会社らしいビジネスに発展できるのではないかと思っています。
—— アーツアンドクラフツらしさという視点でいうと、この会社には、リングというリアルなモノをつくる職人と、デジタルの領域で価値を生み出すエンジニアが共存しています。リアルとデジタルというと正反対の存在のように思われるかもしれませんが、根本的な部分では職人とエンジニアは似た者同士だと思います。どちらも、“相手があってのモノづくり”に真摯に取り組んでいるということ。そういう意味では、この会社では両者はフラットな関係です。
つくることから発想し、実際にすぐにつくれる環境があれば、いろんな可能性をもたらします。さらにリアルとデジタル、どちらも生み出せることは、この会社ならではのことです。例えば、ダイヤモンドの代わりにチップを埋め込んだデジタルなジュエリーなども、将来的には開発できるかもしれません。しかも、リングづくりで培ったファッション性の高いデザインを追求することもできます。これまでなかった世界を自分たちで切り開く。アーツアンドクラフツのエンジニア部門は、そういう姿勢で活動していきたいと思っています。