AC社長ブログ「ともに、つくる」vol.136

ファーム経営

前回のブログでは、私たちの経営を「仲間経営」という言葉で振り返ってみました。今回はそこから一歩進めて、私自身が最近しっくりきている言葉である「ファーム経営」について書いてみたいと思います。

 

ファーム(firm)という言葉は、コンサルファームや会計ファームなど、プロフェッショナル集団の会社を指す一方で、語源を辿ると、実は農場(farm)の方ともつながっています。共通する、もっともプリミティブな語源は、「ゆるがない」「手放さない」といった意味だったようです。「持ち場を、成果と責任をもって引き受ける」という感覚に近いのかな、と思っています。

 

それをマネジメントのレベルで考えると、トップダウンであったり、上下関係であったり、というよりも、それぞれがプロフェッショナルとしての誇りを大切にしながら、専門領域=持ち場を持ち、それらが有機的に横につながり、全体を成立させている。そんなイメージを持っています。

 

そこでは、「誰が偉いか」ではなく、「誰が何を引き受けているか」重視される文化があります。

 

この感覚は、私たちがこれまで大切にしてきた経営のあり方とも、かなり近いものだと感じています。役職ではなく、機能。上下ではなく、責任。誰が決裁者かよりも、誰がその問題から逃げないか。

 

ファーム的なマネジメントは、そういう意味で、共和的です。共和的とは、ノブレス・オブリージュを持つ人々が、自らのことを皆で議論し、決め、実行していくこと。そこでは、立場が上であればあるほど、自由が増えるのではなく、引き受ける責任が増えていきます。裁量があるからこそ、自分の判断が周囲に与える影響を、常に自覚し続けなければならない世界です。

 

ファームが、持ち場(farm)に責任をもって向き合う人たちの有機的なつながりによって成り立つ組織(firm)であるとするならば、 そのマネジメントの軸にあるべきなのは、「人」なのだと思っています。

 

制度やルールを否定するわけではありません。ただ、まだまだ成長過程にある当社にとって、大きくなる中で生まれるチャンスやひずみを、「私が引き受けている」という関係性で補っていく。 そして、その関係性が、責任と敬意で結ばれている状態。

 

この会社のはじまりである「仲間経営」が、発展していく先の「ファーム経営」は、そんなかたちでありたいなと思っています。これから経営チームが広がり、役割も世代も、さまざまに多様化していく中で、みんなが同じ感覚を共有しながら、マネジメントや日々の仕事に向き合っていけたらいいなと願います。

 

少し抽象的な話になりましたが、私たちが目指している経営の輪郭として、頭の片隅に置いてもらえたらうれしいです。

 

宮﨑

「ともに、つくる」は主にインナーコミュニケーションを目的とした社長ブログです。

宮﨑晋之介

アーツアンドクラフツ代表取締役社長。考えるよりも動く現場主義。創業以来一貫して事業の最前線に立ち様々なパートナーと価値をつくりあげる。