AC社長ブログ「ともに、つくる」vol.132

オフィスの意義って?

最近、私の席の隣にフリーミーティングスペースができました。

プロジェクターも付いていて、社内ミーティングにはとても便利です。

 

そこで早速いくつかのチームが活用してくれているのですが、まあまあ声が聞こえてきます。

「ちょっと騒がしいな〜」と思いつつ、ふと昔のオフィスが頭に浮かびました。

 

昔のオフィスは本当に“うるさかった”んですよね。

電話が鳴り響き、各島では議論が飛び交い、先輩が後輩に熱心に指導していて、いつも音がしていました。

いつの間にこんなに静かなオフィスが当たり前になったのだろう、と思ったりします。

 

 

オフィスは、ワイガヤであるべきなのか。

それとも、サイレントであるべきなのか。

この問いについて少しだけ考えてみました。

 

最近、コンサルファームやシリコンバレーではオフィス回帰が強まっています。

理由を調べると、その中心にあるのは「育成」だそうです。

では、オフィスがワイガヤになることで「なにが育つ」のか。

 

 

まず、情報の蓄積が倍増します。

ここ数週間、私自身が漏れ聞こえた指導や議論から、

情報のまとめ方、論点の揃え方、コミュニケーションの工夫など、

「あ、そんな方法があるのか」という気づきをいくつも得ました。

自分が教わらなくても、横で起きている学びを“ついでに吸収する”状態になっているのだと思います。

 

 

次に、判断力が上がります。

先輩と後輩の指導を聞いていると、案件の細部までは分からなくても、

どこを見るべきか、何を優先すべきか、どう論点を立てていくべきか、

その判断の仕方が自然と掴めてくるものです。

ラジオでなんとなく聞いていた曲が、気づくと口ずさめるようになっている感覚に近いかもしれません。

 

 

それから、先回り力がつきます。

人には進め方の癖や優先順位のつけ方があります。

会議後の一言や、作業のスピード、段取りの変化などを日常的に見聞きしていると、

「ああ、この状況ではこう動いた方がいいんだな」と、自然に先回りできるようになります。

 

 

さらに、仕事の感度も上がります。

炎上の匂いや、危なそうな空気感というのは、

言葉ではなく、声のトーンや表情、周りのざわつきから察知するものです。

静かなオフィスではこの“温度変化”に触れる機会が激減しますが、

ワイガヤの中では、自然とそのセンスが磨かれていきます。

 

 

ここまでは、漏れ聞こえてくるワイガヤの効用についてです。

 

そしてもう一つ大事なことがあります。

議論というのは、対面で行われると熱が生まれます。

多少意見がぶつかることがあっても、その熱がアイデアにつながることが多い。

シリコンバレーでも、コンサルファームでも、オフィス回帰の理由として“創造性”が挙げられていますが、

やはり何かを生み出すには、熱のこもったコミュニケーションが不可欠なんだと思います。

 

 

結論として、私たちが育成型組織を掲げるのであれば、

オフィスはワイガヤである方がきっと良いのだろうな、と改めて感じています。

 

 

ぜひ、私の隣のフリーミーティングスペースもどんどん活用してください。

私もいろいろな会話を“漏れ聞いて”、勝手に学ばせてもらいますので。

 

ただし、怒号だけは聞きたくないので、それはやめてくださいね♩

 

宮﨑

「ともに、つくる」は主にインナーコミュニケーションを目的とした社長ブログです。

宮﨑晋之介

アーツアンドクラフツ代表取締役社長。考えるよりも動く現場主義。創業以来一貫して事業の最前線に立ち様々なパートナーと価値をつくりあげる。