今期に入り、CS事業部における変化の必要性を繰り返し伝えてきましたが、これまで散発的だった発信をここで一度整理しました。
今後、私たちがどこを目指し、どう進んでいくのか、そのイメージをみんなと共有できれば嬉しいです。
当社はこれまで「サブコン案件 × 未経験者採用」という独自モデルで成長してきました。
大手ファームとの長期的な信頼関係を基盤にサブコン案件を受注し、業界経験や実績のない未経験入社の人材をアサインできる環境を整えることで、現場での実践を通じた急速な成長を可能にしてきました。
この仕組みにより、未経験者でもコンサル業界に挑戦できるゲートウェイとしての役割を果たし、多様な人材が集まり、力を伸ばす土壌が築かれています。
サブコンは当社の育成文化を支える重要な基盤であり、「ビジネスプロフェッショナルを育てる」という当社の意義を体現するものとして、今後も拡大していきます。
一方で、成長した人材には、より高い挑戦と待遇が求められる段階に入っています。
従来のサブコン主体のモデルに加え、難易度の高いプライム案件を受注し、確実にデリバリーできる組織を築く必要があります。今期は、そのプライムファームへの進化に向けた第一歩となります。
これまでのサブコンモデルを基盤としつつ、プライム案件の比率を高めていく理由は三つあります。
第一に、キャリア機会の拡大です。成長した社員は、より直接的にエンドクライアントと向き合い、自らの力を試したいという強い意欲を持ちます。プライム案件は、その挑戦の場を提供します。
第二に、利益率の向上です。サブコン案件は単価が固定されており、社員の昇給に伴って利益率は徐々に圧迫されてきました。より高単価のプライム案件を増やすことで、持続的な利益構造を築きます。
第三に、待遇の改善です。優秀な人材を引き止めるには、成長に見合った報酬を用意する必要があります。プライム案件による収益力の強化は、社員の待遇を一段引き上げる力になります。
そして最も重要なのは、これらの取り組みを通じて当社のバリューがさらに高まることです。バリューが上がれば、より良い人材と案件が集まり、成長の高スパイラルに入ります。
プライム化とは、単なる顧客構成の転換ではなく、キャリア・利益構造・待遇の向上を通じて企業価値を高める挑戦なのです。
プライム案件を獲得していくために、当社では次の三点を重点的に推進します。
第一に、領域の強化です。サブコンでは「何でもやります」という姿勢が通用しましたが、プライム営業では「これが当社の強みです」と明確に示す必要があります。
これまでの実績からは、M&A戦略や新規事業計画を推進する成長戦略支援、そしてBPRを強化領域と位置づけます。さらに、未経験者育成力を活かしたリスキリング、ブランド事業部の強みを転換したマーケティング領域を新たな成長分野として育てていきます。
第二に、パートナーの拡充です。プライム案件ではパートナーが営業の中心となり、案件を切り拓きます。
これまでの平田・鈴木に加え、元アクセンチュアの早坂をユニット長として迎え、さらに吉田(元NTTデータ)、松岡(元Amazon)といったブランド事業部の役員がC&S事業部のパートナーとしてプライム営業を行うことで、営業力の層を厚くしています。
第三に、組織の精鋭化です。プライム案件では、マネジャーからアシスタントまで全レイヤーで一段上のアウトプットが求められます。
そのため、マインドセットや現在作成中のコンサル業務とマネジメントのガイドラインなどを通じて働き方をアップデートし、精鋭化を進め、全員がより高次元のバリューを発揮できる組織へと進化していきます。
目指すのは、
「多様な人材 × 多様な領域で価値を生むファーム」です。
これまで当社は、多様な未経験人材を受け入れることで成長してきました。
これからは、その多様な人材を基盤に、多様な領域の強みを重ね、さらに大きな価値を創り出していきたいと考えています。
変革期である今期は、三人のユニット長はもちろんのこと、役員総出でCSのチャレンジに本気でコミットしています。
吉田役員には、NTTデータのネットワークを活かしプライム営業を推進し、またリスキリング領域の事業化を統括してもらいます。
松岡役員には、Apple・Amazonでの経験を基に、マーケティング領域の開拓と外資企業への営業を推進してもらいます。
メンバーのみんなにとっても「精鋭化」というキーワードのもと、働き方や意識をアップデートする局面が増えると思います。
ただし、それは私を含めた役員やユニット長といったマネジメント層が、プライム案件の獲得という結果を出してこそ意味を持ちます。マネジメントが率先して牽引し、そのうえで皆さんにも一段高いレベルを目指してもらいたいと思います。共に挑戦していきましょう。
宮﨑
「ともに、つくる」は主にインナーコミュニケーションを目的とした社長ブログです。


アーツアンドクラフツ代表取締役社長。考えるよりも動く現場主義。創業以来一貫して事業の最前線に立ち様々なパートナーと価値をつくりあげる。